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機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
ORVILLE LPS-56GTの全体調整&ノイズ処理
今回はORVILLEのLPS-56GTの全体調整&ノイズ処理です。
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昨今のG社のゴールドトップはブラス粉ではなくゴールドメタリック塗装でもっと明るい色合いになってしまい、どうも安っぽく感じてしまうのですが…
この個体はしっかりとブラス粉を吹いたゴールドトップでした。
20代の頃は格好悪いなぁと思っていましたが、年齢を重ねると段々とこれが渋くて格好良いように思えてきて…
その中でもTOMブリッジとP90が2発のこの仕様が一番好みなので、依頼を受けた時は心の中で喜んでいました。

Epiphoneは特徴的な丸いヘッド形状ですが、OrvilleはGIBSONと同じヘッド形状なので今も中古市場で人気がありますね。
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オーナー曰く、このトラスロッドカバーが格好悪いとの事でモントルーのロッドカバーを作業中にお持ち込みいただきました。
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形状や白いラインが細くて格好悪いという事でした。

取り外して、手持ちのGIBSON純正ロッドカバーと並べてみるとネジ穴位置が異なります。
ネジ穴間ピッチが2mmほどGIBSON(モントルーのカバーも同サイズ)の方が広いのです。
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そのため、ヘッドの取り付け穴埋め&開け直しとなりましたが、上側のネジ穴を修正する事で対応できました。
(モントルーのロッドカバーを取り付けた写真は後述します)

フレットは部分的なエッジ浮き、摩耗など気になる点が多くて擦り合わせまたは交換を要する所見でしたが、今回は磨きに留めて、春先にフレット交換を検討されるとの事でした。
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そのため、フレット浮きの修正などを行って現状でストレスが少なくなるような作業を行います。

昔の国産ギターや昨今のアジア製ギターに多く使われている箱型のトグルスイッチ。
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経験上、内部で接触不良が起きやすくてどうにも信用が出来ませんので、スイッチは交換させていただく事に。

コンデンサの足が剥き出しだったり、シールド線のグラウンド部分がホットラインに接触しそうだったりと、なかなかデンジャラスな配線でした。
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全て取り外して木材だけになったら、導電塗料を塗るために内部の塗装も研磨除去していきます。
この部分の部品は全てグレードアップ交換してしまいます。

ピックアップキャビティは段差が付けられていて殆どピックアップの高さ調整が出来ないような形状ですが、ひとまず純正ピックアップのままで組みますので、キャビティ形状を崩さないように塗装を落としていきます。
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キャビティ内塗料を剥がしてみると、トップのメイプル材にはなかなかなトラ杢が出ている材でした。
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使い込んで傷が付いて塗装が剥がれてきたら下からフレイムが出てくるって堪らないギターですね。

塗装を除去した各キャビティには導電塗料をしっかりと塗って組み込みを行っていきます。
セレクタースイッチはオープンタイプのトグルスイッチを使用し、BELDENの4芯シールド線でノイズ対策をしっかりと考えて配線を行います。
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コントロールキャビティ内は定番パーツ。
CTSの抵抗値選別ポット、オレンジドロップコンデンサを使用しています。
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弦を張って細かい調整を行います。

トラスロッドカバーはこのようなデザインに。
ヒストリックのレスポールなデザインですね。
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フレットエッジの面取りも行いましたが、年明けぐらいにはフレット交換になるのかな、という印象。
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TOMブリッジの経年変化で現れるブリッジの曲がりが発生していましたので、今回はGOTOHのブリッジへ交換となりました。
サドルへ弦溝も適切に切って、正しい弦高が得られるようになりました。
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ナット溝も部分的に高かったりとバランスが悪かったので、溝切り調整して完了です。
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抜けの良いサウンドで良かったのですが、フレットレベルのバラツキによる部分的な音詰まりも少なからず感じる状態でしたので、あとはフレット周りの調整と、場合によってはピックアップ交換を行うと以後は安心して使用できるギターになりそうですね。


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Tylor GS miniへのピックアップ取り付け
今回はTylor GS miniへL.R.Baggs Element-VTCピックアップの取り付け作業です。

小ぶりなGSシェイプで取り回しがし易いサイズ。
トップはマホガニー単板、サイド&バックはサペリ合板ですが、低音もしっかりと出て良く出来たギターだと感じました。
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このギターにアンダーサドルピエゾピックアップを取り付けたい、とお持ち込みいただきましたが、ひとつ問題が。

このストラップピン部分を外してエンドピンジャックを取り付ける訳ですが…
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取り外すと当然このように木材が剥き出しなります。
機能優先ならこのまま取り付けることは可能ですが、それでは素人作業だしあまりに格好悪い…
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そこでサペリ板は近所には流通していないので、木目の似ているマホガニーの板材からスペーサーを削り出します。
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穴あけと外周成形、面取りを行って寸法確認。
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元々のネジはナベ頭でしたが、エンドピンジャックのナットに当たって邪魔なので、皿ネジへ変更&落とし込み加工を追加。
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サイド板とツラツラに仕上げたかったのですが薄い板厚だとネジ締めして割れる可能性が増すため、エッジをテーパーに落として調整してみました。
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ボディが小さい分、トップ板裏側のブレイシング間隔も小さくて、コントローラーを貼れるスペースはここだけでした。
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もっと内側に設置したい場合はブレイシングをかわすためにスペーサーを作成して対応する事になりますが、ひとまずこれで使用感を確認していただく事に。

サドル下にピエゾピックアップを敷き込んだので、その厚みで弦高が上がりますからサドルも削って高さを調整しました。
カタログでは(マーチンでも使用されていた)ミカルタ材と記述がありましたが、こんなに硬くて削れない材じゃなかったはずだぞ?というぐらい硬くて材質を疑いつつ何とか完了。
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アンダーサドルピエゾピックアップは、昔は硬くて奥行きの無いいわゆるエレアコサウンドと言われましたが、最近はプリアンプの改良も進んで結構いい感じのサウンドで出力してくれる印象です。
ボディヒットサウンドが欲しいプレイヤーには他のピックアップが良いでしょうが、いわゆるストロークやアルペジオなどスタンダードな奏法のみの場合はハウリングにも強くて選択肢の一つになり得るようになったと感じますね。
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納品時に大変喜んでいただきまして、よくよく話を伺ってみると…
ご依頼いただいたお客様のお兄様がオーナーらしく、代理でお持ち込みいただいたとの事。
そして仕上がりギターをチェックしたら思いのほか良くて、自分用でも1本買っちゃおうかな(笑)と仰られていたので…
もしかしてエンドピンジャック部の蓋部品削り出しをもう一度行う事になるのかもしれませんね。



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Aria ProⅡ RSB1505の改造
今回はAria ProⅡ RSB1505の改造です。

入手時からピックアップやプリアンプが交換されていた個体との事。
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アッシュボディに薄いキルトメイプルが貼り付けられた当時の最上級仕様ですが、使用部品グレードや木材加工精度も良くてコストパフォーマンス高いなぁと感じました。

クリアアクリル3mm厚のピックガードのエッジを奇麗に磨くのは結構手間がかかりますが、丁寧な仕事がされていました。
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ESPのcinnamonプリアンプが搭載されていました。
このプリアンプとピックアップだけで5万円は堅いですね。
クリアパネルで内部が見えるから配線も丁寧に行われています。
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バッテリーボックス部の蓋がちょっとだけ写っていますが、交換時にネジ4本外すのは煩わしいとの事でワンタッチ式に交換していきます。

今回はこのJJピックアップ間にハムバッカーを搭載してJHJレイアウトにしたいとの事でご依頼いただきました。
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テンプレートを作成してボディへのザグリ加工&ピックガードも切削を行いました。

ピックアップを増設で元々のJJとの組み合わせをチョイスするピックアップセレクターと、ハムバッカーのワイヤリング切り替えのためにミニスイッチを2個増設する事になりました。
ボディにスイッチ用の穴あけと、深さ方向のザグリ加工を行いました。
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加工後には導電塗料を塗ってシールディングしてあります。

そしたら一気に配線作業を行って完成です。
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Seymour DuncanのSMB-5Aが入ると見た目のインパクトが凄いですね。
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コントロールノブは左側からマスターボリューム(PULLアップでプリアンプバイパス)、JJピックアップのバランサー、トレブル、ベースとなっています。
増設したミニスイッチは写真では左側がピックアップセレクターです。
ノーマルのJJ(バランサー&マスター)/JJ(バランサー)+MM(フルボリューム)/MM(マスターボリューム)となります。
右側のスイッチはMMハムバッカーのワイヤリング切り替えです。
シリーズ/タップシングル/パラレルの3モードがチョイスできます。
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スイッチが追加されたことにより配線本数も増えていますが、極力奇麗に配線する事を心掛けました。
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バッテリーボックスはワンタッチで開き、電池を差し込むだけで簡単に交換が出来るものをチョイス。
取り付けのために木部壁面をほんの少し削りましたが、大幅なザグリ追加なしで使い易くなりました。
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ボリュームポットは回転トルクが軽すぎるものが使われていたため、希望によりCTSのポットに換装しました。
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デジタル式の表示パネルが異様に目立ちますよね。

3バンドEQのミドルポットはお預かり時はガムテープでキャビティ内に貼り付けてあっただけなので、移設しつつ高さ調整用のスペーサーを作成して両面テープでしっかり固定。
ピックガードに穴を開けてシャフト頭がギリギリ出るくらいにする事で爪やピックで回しやすくしてみました。
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そして元々のミドルポット調整用の穴が開いてしまうのはどうも格好良くないので、その穴位置にスイッチが来るように電池用のバッテリーチェッカーを作成してみました。
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スイッチを押している間だけ電池電圧が表示できるので交換タイミングが把握しやすくなるでしょう。
(スイッチは爪でも押せますが、写真撮影の都合上、細い棒で押しています)

全体的にワックスをかけて完成。
とても強そう!&悪そう!ですが、サウンドバリエーションはとても多彩なベースになりました。
その分、お気に入りのトーンを探すために暫く弾きまくることが必要ですね。
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今回は電装作業のみのご依頼でしたが、ネック反りや弦高などは問題もなかったので触らずに納品となりました。


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ESP ARROW7のピックガード作成改造
今回はESP ARROW7のピックガードを作成しつつピックアップも交換する改造作業です。
写真の撮影方向を決めていなかったため、向きがグルグル回ってしまう内容になって見にくいとは思いますがご了承ください。

元々は黒一色の設定ですが、ラッピングフィルムを貼ってイメージチェンジされています。
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EMGピックアップを搭載してありますが、ボリュームとセレクタースイッチの間にはキルスイッチが増設されています。
(記事にはしていませんが、以前に当店で増設作業を行いました)

今回はパッシブピックアップに交換しつつ、1VOL&1TONE、3wayレバースイッチにしたいという事でしたのでピックガード仕様をご提案させていただきました。
塗装コストをかけずにレバースイッチ搭載をする(トグルスイッチ穴を塞ぐ)のはなかなか大変です。
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ピックガードデザインはいつもアナログなので(笑)マスキングテープにラインを引いたりしながら打ち合わせを行い、大体のイメージをオーナー様と共有します。
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大体のイメージラインが出来たら、キャビティを貫通するように切削しました。
失敗は許されないので寸法を何度も確認した加工用のテンプレートを作成して切削しています。
(おそらく一度しか使わないテンプレートですね)
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その後にMDF材でピックガードのデザイン型板を起こして、また打ち合わせ。
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「この下部分のラインをもう少しこう削って…」といったやり取りを重ねて、型板を微調整します。
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微調整後の型板をあてがってみると微妙にラインが変わっていることが判るかと思います。
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そしたらアクリルミラー素材からピックガードを削り出して作成。
実は作成途中の穴開け時に手がズレてピックガードを割ってしまい、作り直しになってしまった2枚目です。
アクリル材は塩ビ板と違って穴あけ時は割れないかと緊張しますね。
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キルスイッチはフロントピックアップ付近へ移設し、各ポットにはスイッチ付きを使ってそれぞれのピックアップのシリーズ/パラレルが切り替えられるようになっています。
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ピックアップも変更になっているので、見た目の印象がガラッと変わりますね。
悪そう!強そう!みたいな感じですが、ピッキングニュアンスもしっかりと反応する懐の深さは見た目と裏腹にコントロールしやすい印象でした。
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次のライブで大活躍してくれることを祈っています。


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YAMAHA MOTION BASS MB-Ⅲの全体調整&ノイズ処理
今回は前回に引き続き、同じオーナー様からの依頼でYAMAHA MOTION BASS MB-Ⅲの全体調整&ノイズ処理です。
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こちらはPJレイアウトでピックアップバランサー仕様ですね。
ブリッジなども色々と仕様が異なります。

フィンガーレストはご自身で作成して両面テープで貼り付けてあるそうです。
ノイズ処理作業の際に邪魔になるので、一旦取り外して最終的にまた貼り付けます。
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ブリッジのサドル高さ調整ネジが入れ替えられてバラバラでしたので、正しい位置に変更していきます。
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コントロールキャビティ内にはグチャっと詰め込まれた配線。
バランサーポットとはいえ、5:5の時に抵抗を通って音量が下がるという部品でしたが、今回はご予算の事もありバランサーポットは再利用しますが、ボリュームなどガリが目立った物は交換していきます。
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ピックアップもカバーが接着されていましたが、経年劣化で接着剤が剥がれていたので取り外しし易かったです。
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この後は銅箔テープでコイルシールディングを行ってから、ピックアップカバーをまたボンドで接着します。

ピックアップ&コントロールキャビティ内の塗装を削り落としてから、いつもの銅系フィラーの導電塗料を塗っていきます。
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導電塗料は塗るだけではノイズを拾うアンテナになってしまう事もありますので、塗布後は確実にグラウンドラインへ接続する事が大切です。
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ピックアップの配線も撚り合わせて奇麗に取り回しを行うと、とってもすっきり収まりますね。
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キャビティ蓋の裏側にもアルミシールドテープを貼って、グラウンドへつながるように配慮してあります。
それによって音声信号ラインをグラウンドレベルの箱で包んでしまう事で外来ノイズを低減させる事に意義があります。

全開のMB2でも感じた特徴的なヘッドレイアウト、木材の歩留まりがどんな風になっているのか気になっていました。
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今回はナチュラルカラーなので木材を貼り合わせてある部分がよく判りますね。
写真のコントラストを上げて材色差が判りやすいようにしていますが、厚さ方向で貼り合わせてあることが判ります。
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ヘッド裏のV字形状が始まる辺りで継いであることが判りますね。
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これだとネック製材時の歩留まりも悪くないと思いますが、どちらにしても加工は大変ですね。

指板のエッジは作業前後で並べてみました。
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   ビフォー↑ アフター↓
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最終的にワックスをかけてしっかりと調整を行って完成。
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ネックに経年による捻じれやフレットの摩耗も見受けられ、ローアクションにするにはフレット交換しつつ指板研磨修正が必要になる状態でしたので、今後また担当させていただけると幸いですね。

ミディアムスケールの取り回しの良いベースで使い易そうでした。



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