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機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
ZOOM MS-50GのSCROLL SWITCHモディファイ
今回は安価なのにとてもよく出来ていて、プロミュージシャンにも利用者が多いZOOMのMS-50Gを改造します。
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実売で1万円以下の価格でありながら、最大で6台のエフェクターを直列でつなぐ事が出来て、チューナーもアンプモデリングも入っているという、ひと昔前では考えられなかった多機能ペダルですね。

内部は複数の基板をリボンケーブルで接続するような組み立て性に優れた作りですし、昔のZOOMのようにプラスチック筺体ではなくしっかりとしたアルミダイキャスト筺体です。
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とてもよく出来ているエフェクトなのですが、メインフットスイッチは表示されているエフェクトのON/OFF用となり、複数接続されているエフェクトのON/OFFのためにはメインスイッチの左右にあるミニスイッチを押して画面をスクロールしないとなりません。
演奏しながらこんな小さなスイッチは踏めないので「あと一歩!」という感じなのです。
上下のプリセット切り換えに関してはまだ曲間に押して切り替える余裕がある場合もあるとは思いますが。

そこで、この左右スクロールが出来るような外部フットスイッチを増設する改造を行います。
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これがフットスイッチ部分の基板↑

左右とグラウンドのため2芯シールドあれば足りるので今回は3.5mmステレオミニジャックをアウトプットジャックの下側に設置しました。
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「上下のプリセット切り換えスイッチも外部コントロールにしたい」等色々とご希望に沿う事は可能ですが、外部フットスイッチ自体が大きくなるのでそのサイズにしても必要かどうかを依頼者様に確認した上で仕様を決めていきます。
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仕上がった状態ではノーマルと大きく変わりませんし、フットスイッチを接続しなければ全くのノーマル状態として使用可能です。
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アウトプットジャックをひとつ潰して外部コントロールにする改造も他の工房などで行われていますが、私は極力機能を削らずにアップグレードしたかったのでジャックを増設する事にしました。
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外部増設スイッチは左右スクロールのみの場合はこのような1590Aサイズ(ケース寸法:39×93×31mm)です。
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この色付きケースはペダル本体のすぐ下に設置するという指定でしたので、外部スイッチから直接ケーブルが生えている仕様で作成しました。
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通常のモディファイ依頼の場合は30cmのステレオミニケーブルを用意してボード内の任意の位置に設置出来るように作業を行います。
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ZOOMではマイナーチェンジでこのような外部増設スイッチを出してくれるともっと使い勝手が上がるのに惜しいなぁと思いますが…
これでとても実戦向きのエフェクターになりました。




このようなフットスイッチ作成依頼は定期的にいただくのですが、更に追加機能でのご依頼をいただきました。
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いつものようにアウトプットジャックの下側辺りにジャックを増設するのですが…
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今回は3つあるコントロールノブの真ん中を押すことで動作するメモリーモードも足で操作できるようにしたい、という内容でした。
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配線自体はそう大変ではないのですが、部品の取り外しや配線取り回しなどで2スイッチバージョンよりも難易度は高めになりますね。
配線もスイッチのコントロール用3線とグラウンドで4端子必要になるのでジャックも4極タイプが必要になります。
スマホなどで使う用として4極の3.5mmミニジャックがあるので、それを使用する事にしました。
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接続ケーブルも長すぎても邪魔なので、30cmほどの長さで用意しましたがこの辺りはご依頼いただいた際のヒアリングで適切な長さのケーブルを探してご用意する事が出来ます。

スイッチボックスは無塗装でラベル無しというご指定でしたのでこのような仕上がりですが、ランダムサンダーで研磨した跡を残す仕上げにしてみました。
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両サイドは以前からある左右スクロールで、センター奥側はメモリーモード用のスイッチです。

これ以上の個数のスイッチボックスを作成する事も可能ですが、その場合は接続ケーブルやジャックをどうするかという点が問題です。
例えばLANケーブルか電話用モジュラージャックなども使えるかもしれませんね。



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FENDER JAPAN TC72のキース仕様モディファイ
今回はFENDER JAPAN TC72を、ローリングストーンズのギタリスト、キース・リチャーズ仕様にするモディファイです。
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日本で黒のテレキャスターカスタムというと、このキース仕様かTMGEの故アベフトシ仕様が人気だと思います。

今回はキース仕様にするので、ピックアップセレクターの移設やブリッジ交換、ジャックプレート取り付けが主な作業になりますね。
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2V2Tのコントロールのうち、フロントトーンを取り外した穴にピックアップセレクタースイッチを移設します。
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テレキャスター定番のカップ型ジャックは、クロームメッキの金属プレートへ交換するのもこの仕様のポイント。
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今回の作業にあたり、本人機写真等の資料をご用意いただきましたので大変参考になりました。
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ブリッジはブラスプレート&サドルの6連タイプへ交換しますが、5弦オープンチューニング仕様ではなくレギュラーチューニングようとの事で弦は6本張ります。
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ジャックプレートはレスポールなどのボディに沿うようなカーブに曲げられているのですが、TC72の取り付け面はフラットなのでそのまま取り付けると隙間が開いてしまいます。
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そのため、ゴムハンマーでプレートを慎重に叩いて曲がりを平らに修正してから穴あけ位置を決めて取り付けしています。

フロントトーン撤去してリアトーンをマスタートーンに変更する事もあるようですが、配線はリアトーンのままでOKという事になりました。
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また、ヴォリュームノブのメタルプレートが剥がれて紛失していましたので、新しいノブを用意して取り付けしています。

先ほどの資料を見ると、フロントのハムバッカーにはFENDERのロゴが無く、くすんだニッケルカラーになっているように見えます。
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そのためベースプレートにハンダ付けされたカバーを一度取り外して、ロゴが無くなるまでひたすら研磨しました。
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外観はクロームメッキが施されていますが、クロームメッキの下に銅のような赤みのあるメッキ層がありましたので、それまで削るようにしました。
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磨きすぎると余計に格好悪いと思いましたので、ほどほどの艶感になるような番手までの研磨にしています。

そしてそして、トグルスイッチを撤去した跡には穴が開いてしまうので、それを塞ぐ金属部品が欲しい訳です。
本人使用機にも装着されているので須賀、何が使われているのかわからず…
探しまくって「これならそっくりなのでは?」という部品を入手出来たので、表面を少しサンドペーパーで荒らして艶感を資料の感じに寄せて取り付け。
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裏からワッシャーとナットで固定しているので、取り付けも取り外しも簡単です。
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全体的にワックスがけをして、弦を張りネックや弦高調整を行って完成です。
その他にもキース仕様のギターを複数所有されているようですが、そのラインナップにまたこの一本が加わって喜ばれていました。
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新年のご挨拶
新年、明けましておめでとうございます。

長引くコロナ禍により、演奏活動中止やバンドで集まって練習出来ないなど影響を受けた方々が多いと思います。
当店もそうではありますが、世界を見ても少しずつコロナを克服しつつある情勢ですので今しばらくは感染せぬように予防に努めつつ昨年よりも良い2022年にしていきましょう。

さて、例年は年賀状をお出ししているのですが誠に勝手ながら今回は見送らせていただきました。
「あれ?昨年まで届いていたのに今年は来ないな」と思われたかもしれませんが…
安心してください、誰にも届いておりません(笑)

というのもですね、皆様のご愛顧があって2022年3月25日のオープン記念日で、Studio GREAMは10周年の節目を迎えます。
3年続けるのも大変な事業が多い中で、何かあったら相談いただけるお客様の支えがあってこそ続けてこれた10年です。

それなら折角の節目だしノベルティグッズを作ってプレゼントしようと考えておりまして…
年賀状の印刷や切手代だけでも〇万円ぐらいはかかっていましたし、今回はノベルティ作成に予算を割きたいという厳しい台所事情もありまして、誠に勝手ながら年賀状を控えさせていただきました。

決して喪中とかそういう理由ではありません。
実際に身内が亡くなった時でもStudio GREAMの年賀状はお客様にお出ししていましたしね。

ノベルティに関してはまだ企画打ち合わせ段階ですのでどんな物になるかも決まっていないのですが、確定申告の手続きと並行して進めていかねばなりませんので、どうぞお楽しみにお待ちいただければ幸いです。

それでは皆様にとって2022年は昨年よりも良い年になりますよう祈念致しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

年始の営業は1月4日(火)からとなりますので、よろしくお願い致します。



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HONNER B2A HEADLESS BASSの全体調整&ノイズ処理
今回はSTEINBERGERのコピー品であるHONNER B2A HEADLESS BASSの全体調整&ノイズ処理です。
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本家オリジナルはカーボンファイバーボディだったりしますが、このHONNERはメイプルネック&メイプルボディというオーソドックスな材構成ですが、ボディサイズが小さいので重量は軽めです。

オリジナルプリアンプ(ブースター)回路と、駆動用バッテリーを1つのバッテリーボックス内に収めるレイアウト。
イコライザは無く、基板上にGAIN調整用トリマーが載っているのみです。
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出力信号を小型トランスに通してローインピーダンスのバランスアウトとするXLRコネクタも搭載していました。
ここにマイクケーブルをつないでミキサーなどに信号を送る事が出来ます。
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この狭いキャビティにプリアンプのON/OFFスイッチ、2ヴォリューム、マスタートーン、トランスと搭載するとさすがにギチギチですが、今回はオーナー様の希望に合わせて変更を行います。
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まずはノイズ処理を行うためにキャビティ内の塗装を除去します。
併せて取り付け部品の寸法に合うように穴の内径を微調整したり、ネジ穴を開けたりと細かい作業を行って…
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プリアンプON時に赤色LEDが点灯するのですが、そのためにスイッチ回路が1回路取られてしまいトゥルーバイパスになっていなかったので、トグルスイッチも3回路にしてLED付きトゥルーバイパス化します。
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アウトプットジャックは元々は叩き込んで取り付けされていたので、後々交換が必要になる場所だけにネジ止め式ジャックに変更します。
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導電塗料を塗布乾燥したら、組み上げていきます。
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コントロールはマスターヴォリューム、ピックアップバランサー、マスタートーンに変更となります。
バランサーポットにはノブを取り付けていない状態で写真を撮ってしまっていました。

小型ポットを使用しても配線本数もあって結構詰まっていますね。
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時にはこのスペースでプリアンプ基板まで納める事もあるので、作業的にはまだまだ余裕がありますが。

ノイトリックのロック付きレセプタクルジャックを使用しました。
赤いレバーを押しながらでないとプラグが抜けないのですが、がっちりとした差し込み感触が気持ち良いです。
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そして大変だったのはむしろこのヘッドピース周りの作業。
ダダリオのダブルボールエンド弦を使用されるのですが、弦のボールエンド付近の巻き返し部分が0フレットに乗ってしまい、弦を張るたびにローポジションの弦高が変わる状態。
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またフレット高さも1フレット以降に比べて低く、解放音でビリツキが出てしまう状態でした。

そこでアルミ板を切削してネックとヘッドピースの間に挟むスペーサーを作成してみました。
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装着するとこのような状態。
ワンポイントのシルバーラインが個人的には格好良い気がしますが、気になるようならば黒色に塗装するのも手ですね。
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0フレットはステンレスフレットに交換して高さを微調整してビリツキを解消しました。
常に弦が当たる部分なのでステンレスにする事で摩耗の心配も減り、安心して使用できますね。
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ボールエンド付近の巻き返し部分も0フレット上に乗らなくなり、安定した弦高を得られるようになりました。

ダブルボールエンド弦は弦の長さが厳密に調整されているので、スペーサーを入れた分はブリッジサドルが前方に出てくることになります。
チューニングしてあると不意に外れる事は無いですが、ブリッジ後部からボールエンドが殆ど見えるぐらいになる変化はありますね。
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ブリッジサドル上にも弦の巻き返し部が乗らない絶妙なセットが出来ました。

全体的にワックスがけをして完成&納品。
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パッと手に取って弾くにも、持ち出すにも取り回しが良くて重宝しそうですね。
今回は0フレット交換以外はオリジナルのフニッケルシルバーレットですが、今後摩耗が出てきたら他の所有ベースのようにステンレスフレットに交換するのも手ですね。
その時にまたご相談いただければ幸いです。




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DigiTech WhammyⅡ(黒ワーミー)の修理
当ブログではこのDigiTech WhammyⅡ(黒ワーミー)の修理記事が複数ありますが、これらの記事を見てご依頼いただける事も増えてきました。
記事になっていない個体も多く、皆さま愛用されているのだなぁと感じます。

さて、そんな黒ワーミーですが、激しくノイズがでてとても弾けないという状態で持ち込まれました。
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定番の不具合オンパレードでした。
レベルポットの劣化、アダプタージャックの勘合が緩い、タクトスイッチの切り替え不良、ジャックの接触不良…
プロの現場で使われるとの事で、考えられる対策は一通りやって安心して使えるようにしましょう!と提案させていただきました。

基板を取り出し、交換する部品を取り外していきます。
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タクトスイッチはこの基板の裏側にあるので写真には見えませんが、取り外して交換します。

既に諸々の部品交換を行った後の状態がこちら。
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ボリュームポット、ジャック類、電源部のコンデンサも交換しています。

ACアダプターの基板付けジャックのまま交換しても良かったのですが、今後の交換時にも作業がし易いようにパネル取り付け&コネクタにしました。
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一番のウィークポイントであるボリュームポットはパネル取り付け式&ノブにして操作性と耐久性を向上させています。
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ジャックは基板取り付け式のままですが、ジャック種類を変更しケースの干渉部分もヤスリで微調整してガッチリとした差し込みになるようにしています。
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その他、だいぶくたびれていた純正アダプターでしたので、スペアとしてアダプターの用意もして現場でトラブルを回避できるように配慮し納品となりました。

これからの演奏現場で無事に活躍してくれると良いですね。



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