機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
FENDER USA American Vintage Series '62Stratocasterの全体調整・ノイズ処理
FENDER USA American Vintage Series '62Stratocasterの全体調整・ノイズ処理です。
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良い色に焼けた渋いカラーですね。

熊本では多くの方が「あの人は上手い!」と言う、人気・実力ともにトップクラスである阿部様のギターです。
中古で入手されてから、頻繁に使用されているとの事ですが、今まで調整に出したことがないとの事で、今回Studio GREAMに御持込みいただきました。

ナット溝が深くて高音弦は埋まってしまっていますし、サウンドもシタールみたいなビレた細い音になっていました。
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これは溝切りと外形修正を行いましょう。

原因はブリッジにもありそうな感じでした。
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サドルと弦が触れている部分のメッキが荒れてビリつきが出ていました。
また、ブリッジプレートとサドルが接する部分にも荒れが目立ちましたので、将来的には交換をしたい部分ですね。

フレットのバリも感じるぐらいざらついた指板エッジでしたので、お馴染みの面取りを行っていきましょう。
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まずは導電塗料を塗るために部品を外していきます。
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前オーナーがピックガードを交換したり、ピックアップを交換したり…色々と試された跡がありますね。

導電塗料を塗ってアースラグを接続。
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ピックガードのネジ穴も緩くなっている箇所があったので補修しておきました。

写真を撮るのを忘れましたが、ネックジョイントネジも1本効かない部分がありまして…
一度ネジ穴を木材で埋めてから開け直す事で新たなネジ山を確保しておきました。

そしてピックガードアッセンブリを見ていきましょう。
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ピックアップ交換が行われていますが、配線も短かったり継いであったり…ちょっと危なっかしい状態でした。

トーンコンデンサを同じ値(0.047μF)で2つに分けたのは、フロント用とミドル用で僅かな違いを求めたからでしょうか?
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しかしハンダ付けが全くもってダメで、配線はつながってもおらず、フロントトーンは効かない状態でした。
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ミドルのトーンコンデンサの余った足も、ポットの端子にショート寸前の危うい状態です。

セレクタースイッチのハンダも全然付いていませんでした。
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ハンダゴテにハンダを付けてからスイッチ端子に当てるようなハンダ付けをしたような感じですね。
セレクタースイッチは今回新品に交換しますので、ひとまず配線を外していきましょう。

フロントピックアップの白いリード線はボビンの根本で継いであり、絶縁は無し!
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しかもピックアップの細いエナメルワイヤがピョロッと遊んでます…これは危ない!

もう少し退いた状態はこのようになっています。
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はみ出ているワイヤと、継いだハンダ部分は同じホット端子ではありますが…

3つのピックアップ共に配線が短かい不具合を抱えていましたので、ノイズ処理の際に全てのリード線を取り換えました。
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これはピックガードに組み付け後の状態ですね。
配線材はこの楽器の持つサウンド特性を考えつつ、主にビーメックスSで組みました。

ヴォリュームポットは選別したCTS製に交換しつつ、可変カーブも滑らかになるように処理を行っています。
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トーンポットの配線は一般的なストラト仕様に戻しました。

続いて、ミヨーンとシタールのような立ち上がり音を解消すべくブリッジをバラして磨いてから組み立て直します。
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サドルの弦が乗る部分が荒れていますね。

弦の跡が無くなるまで磨いた後で、徐々に目の細かいヤスリでつるつるな表面に仕上げています。
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写真の角度が上手くなくて、あまり変化がないように見えてしまいますが…
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ナットの外形も整えて、プレーン弦がナットに埋まるギリギリぐらいの溝深さになっています。

指板のエッジも面取りを行ってあり「今までと違うような気がする」との感想をいただきました。
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ワックス掛けを行って、完成!
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ピッキングが凄く上手く、とても粒立ちの良いサウンドを聞かせてくれる方なのですが、「今までこのコンディションのギターであんな良い音が出せていたのか?」と正直驚きました。

しかしそのストレスが緩和出来て、よりプレイに集中できるギターに仕上がっていれば良いなと思いますが…それはこれからのプレイを見て聞いて確認するのが楽しみです。


全体調整・ノイズ処理 15000円
CTS VOL.POT 1050円
5wayセレクタースイッチ 2100円
ERNIE BALL 09-42弦 630円

合計18780円でした。

今後、使用に伴ってフレット擦り合わせやナット交換、ブリッジプレートの交換などが必要になってくると思いますので、その際はまたご相談いただけましたら幸いです。



お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


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Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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DigiTech/Whammy IIの修理・他
以前にDigiTech Whammy Pedalの修理を行いましたが、その記事を見られた関東のお客様より、同様の作業依頼をいただきました。

製造終了から長い年月が経過していますので、何かしらの不具合は出てきてもおかしくないです。
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今回のペダルはアダプタージャックの接触不良と、フットスイッチパーツの紛失が問題でした。
それらの修理とともに、前回の記事と同様の作業も行う事になりました。

スイッチパーツが欠品しています。
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小型のタクトスイッチを押すだけの構造なのですが、ストロークが短く、また足で踏む部分なので耐久性も求められます。

部品を作成しないといけないのですが、木材を削り出そうと思いましたが、本体に引っ掛ける爪の部分の強度と弾力性に不安がありましたので真鍮板を板金作業により曲げて作成してみる事にしました。
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必要とされるサイズを測って板金ハサミで切ったのちに、ハンマーとバイスでひたすら叩いて成形していきます。
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荷重がかかる淵の部分は折り返して厚みを増してあります。

ストローク量を計算してスプリングの長さや強度を調整したり、スイッチを押すネジの長さを削って微調整したりと実は大変な作業でした。
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ネジ頭を踏まないようにゴムシートを貼って保護します。

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基板上は電源の改良とバイパス時の音痩せとノイズを減らすべく部品の交換を済ませています。

スイッチのカバーは内部のスペースの取り合いのため、上下を入れ替えて取り付けを行いました。
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動作確認を繰り返して、問題なく使用出来ると判断しましたので、ステッカーを貼って完成です。
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作ってすぐは明るい金色が目立ちますが、素材が真鍮板なので使用に伴って艶消しの茶色に変わっていくでしょう。
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ICソケット化&電源部改良(ジャック交換含む) 8000円
オーディオグレードのローノイズ選別IC搭載 1000円
スイッチ部品作製 6000円

上記価格は税別表記です。




上記のような作業を行って納品したのですが、やはり電源が時々落ちるとの事。

GREAMでの荒っぽいチェックでは全く症状が出なかっただけに、念のためジャックを純正の基板取り付け式から、パネル取り付け式に変更してみましょうという事になりました。
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内部の部品干渉を避けつつ、解り易い位置(純正ジャックの下側)に穴を開けました。

基板の裏側から配線を引っ張ってきてジャックへ接続。
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オリジナルのジャックも使用できるようになっていますが、差し込んだ時の安定感はパネル取り付けジャックが勝っていました。
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これでトラブルが出なければ良いなと思い、再度納品となりました。


長期的に愛用していきたい場合、エフェクターといえどもメンテナンスは必要です。


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