FC2ブログ
機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
HIWATT LEAD50のメンテナンス
今回は旧屋号の頃からのお付き合いさせていただいているギタリストで、関東でMARIというバンドで活動するN様より、HIWATT LEAD50のメンテナンス依頼をいただきました。
   IMG_1957.jpg
1980年代のアンプですがまだまだ現役!ぶっといクリーン~クランチトーンが気持ち良いです。

EL34管2本を使用した50W出力のオールチューブアンプです。
   IMG_1958.jpg
インプットジャックの接触不良、プレゼンスポットが効かない、動作不安定との事でお預かりしました。
   IMG_1959.jpg
内部はとってもシンプルで回路も追いかけ易いです。
ポットがひとつ異なった形状の物に交換された形跡があります。

インプットジャックにはREANの物が使用されていましたが、端子の酸化により接触不良が起きていましたので交換します。
   IMG_1961.jpg
この写真では右から2番目にあるプレゼンスポットは内部でワイパー端子浮きと共に基板パターン剥がれも起きており、回路から浮いてしまった状態でした。
   IMG_1960.jpg
併せてチェックしていると、右端のマスターヴォリュームも破損寸前でしたので、この機会に交換してしまう事にしました。

ジャックは基板直付けタイプが入手出来なかったのでCLIFF製のハンダラグ端子の物にワイヤーを付けて交換。
   IMG_1998.jpg
グラつきなどはありません。
ポットも基板直付けで希望抵抗値は簡単に手には入らなかったので、ワイヤーで接続する方式に変更しました。
   IMG_1997.jpg
部品自体の耐久性は高い物を使用しています。

部品を交換して動作チェックをしているとパワー管がやけに赤熱するのでおかしいなと各部電圧測定をしてみるとバイアス電圧が大幅に浅い!
危うく真空管が壊れるところでしたので、しっかりとバイアスを調整して完了です。

そして、このアンプは2チャンネル構造なのですが、リードチャンネルは殆ど使用していないとの事でした。
しかしフットスイッチを接続しない状態ではリードチャンネルがチョイスされる構造でしたので、プラグを内部ショートさせてクリーンチャンネル固定にする部品を作成しました。
   IMG_1999.jpg
フットスイッチを使ってチャンネル切り替えがしたければプラグを抜いてフットスイッチを接続すれば良い状態になっています。

これからのバンド活動でまた活躍してくれると良いですね。
経年で緩くなっているプリ管ソケットも次回のメンテナンス時には交換してしまうのも手ですので、その際はまたご相談下さい。


お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
ACETONE A3-B "BASE-3"のオーバーホール
もはやヴィンテージアンプ扱いされていてもおかしくはない、国産アンプACETONE。
今回は型番はA3-Bですが、モデルネームは"BASE-3"のオーバーホールです。

1980年前半のアンプなので、30年ぐらいが経過していますがとても奇麗なコンディションです。
   IMG_1342.jpg
スピーカーは交換されていますね。
   IMG_1344.jpg

「トレモロポットが空回りするので、内部を開けて確認したら…トレモロポットから部品が外れて、抵抗から煙が出ました!」
ということで送られてきたアンプです。

以前にオーバーホールをされているそうですが…
   IMG_1346.jpg
   IMG_1348.jpg
内部を見る限りは黄色いコンデンサと電解コンデンサが一部交換されている程度でした。
元々、フィルムコンデンサが使用されているので、交換しなかったとしてもそんなに劣化が激しい部分じゃないのです。
なのに電源部などの消耗が早い部分のコンデンサは手つかずでした。

これが煙が出た抵抗。
   IMG_1347.jpg
焦げていますが、そもそも搭載されている抵抗のワッテージが許容値にギリギリすぎるので、サイズを上げて交換します。

メーカーでの配線そのままなのでしょうが…全体的に配線取り回しが雑ですね。
   IMG_1447.jpg
高圧、低圧、ヒーター、それぞれが干渉しないように、などは殆ど考えられていません。

しかし今回は必要最低限の配線ひき直しのみとなりましたので、大幅には変わっていません。
   IMG_1469.jpg
電源部のコンデンサは一部交換しました。
トレモロは見た目に穴があくのを避けるために部品こそ取りけたままですが、回路上では完全に切り離してありトレモロ動作はしません。

ソケット内部のピン勘合が緩く、すぐに真空管が脱落してしまう状態でしたので、ソケットはセラミックベースのシールド付きに交換しました。
   IMG_1468.jpg
ジャックのガリも酷かったため交換になりましたが、入力インピーダンスは15KΩ程度でレベルは半分程度に落とされるローインピーダンス仕様だったため、高周波ノイズ低減目的以外はレベル減衰が無いように入力部分の定数を変更しました。
   IMG_1470.jpg
真空管ソケットは脱落防止とノイズ防止を兼ねたシールド仕様になりました。
   IMG_1471.jpg
右側のソケットには12AU7を使用しているのですが、元からX7(12AX7の意味)と書かれていました。

ジャックは3つあっても使用しないそうなので、残りふたつは配線を外し、ジャック穴にはキャップをして塞いでおきました。
   IMG_1475.jpg


そして、この作業見積もりを出している時に「同じアンプをもう一台入手したから送ります。併せてチェックと修理をしてください」と連絡を受けて…

届いたアンプを確認するもノイズすら出ない!

早速シャーシを取り出してみると…
   IMG_1392.jpg
電源部のコンデンサが破裂している…!!

コンデンサを交換する際に配線をミスして組んだようですね。
   IMG_1476.jpg
その他に色々と頑張った跡は見受けられますが、部品の再利用も怖いので電源部分は殆ど作り直す事にしました。

このアンプのヴォリュームポットの2番端子が壊れており、完全に回路から浮いてしまっていたので交換する事にしました。
   IMG_1477.jpg
電源部のコンデンサを取り付ける際に新たにラグ板を増設して取り回しを変更した跡がありますが…
   IMG_1481.jpg
グレーのコンデンサは、穴は開いていませんが内部破裂で壊れてしまっていました。
(よく見ると黒いゴムキャップ部分が膨れています)

こちらの真空管ソケットも緩かったので交換しますが、以前にハンダをやり直した跡があり…とにかく汚いハンダ付けでしたのでやり直します。
   IMG_1478.jpg
新しく使用するコンデンサの固定バンドの取り付け穴位置が合わなかったので、元々のネジ穴よりも外側に新たに穴を開けてネジ山を立てました。
(赤丸内の左側がオリジナル、右側が新設の穴)
   IMG_1482.jpg
コンデンサ端子がシャーシに干渉しない位置で取り付けたらラベルがトランス側に向いてしまいました。
   IMG_1489.jpg
見た目的には、このアングルでコンデンサのメーカー名や容量値などが見える方が格好良いですよね。

そんなこんなでオーバーホール完了。
   IMG_1486.jpg
基本的には1台目と同じ内容ですが、こちらはトレモロ回路に故障は無かったので使えるように残しました。
   IMG_1483.jpg
写真は撮り忘れていますが、出力管のヒーターライン(青色の線)の取り回しが気に入らなかったので、後に2台ともやり直しています。

整流用のダイオードも交換し、より安定した出力が得られるように配慮しました。
   IMG_1487.jpg
スピーカー端子はハンダ付けだったものをファストン端子を圧着して取り付け。
   IMG_1491.jpg
メンテナンスで外す時にも楽ですし、スピーカー端子に熱ダメージを与えなくて済みます。

電源ケーブルに使用されていたゴム製のブッシュは経年劣化で切れて脱落してしまっていたので、しっかり止まる樹脂製ブッシュに交換しておきました。
   IMG_1492.jpg
シャーシをキャビネットへ固定する4本のネジには錆や曲がり、欠品が見受けられたためステンレスネジに2台とも交換しておきました。
   IMG_1493.jpg
最後に2台をスタジオ内で動作チェックして経過を見ます。
   画像 002
問題無さそうなので、梱包して発送となりました。

1台目>
全体チェックと部品交換修理 15000円
(トレモロ回路は配線を取り外し)
真空管ソケット交換作業 5000円
インプットジャック交換 1000円

2台目>
全体チェックと部品交換修理 15000円
真空管ソケット交換作業 5000円
インプットジャック交換 1000円
電源部コンデンサ・ダイオード全交換 25000円
VOL.POT交換 1500円

合計68500円でした。

これから快適に使用できると良いですね。
また、1台目のアンプは電源部の大きなコンデンサの交換を先々行った方が良いと思います。


お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
AMPEG VT-22 V4の修理
熊本市内、中央区南坪井町2-3にあるフレンチレストランLivre D'images(リーブルディマージュ)のオーナーシェフはギタリストでもありまして、愛用しているアンプの修理依頼をいただきました。

AMPEG VT-22 V4というアンプで、製造は1973~74年の物です。
   IMG_1232.jpg
スイッチ、ポット、ジャック、ガリの嵐!音も安定しないし、チャンネル1は全く音が出ませんでした。
   IMG_1233.jpg
今までしっかりと保管され扱われていたのでしょう、年数から考えるとかなり奇麗なコンディションでした。
   IMG_1229.jpg
リバーヴのON/OFFは物理的にスプリングの振動を制御するプレートを動かす超アナログ構造。
   IMG_1230.jpg
電源は117V仕様ですので、出来る限りステップアップトランスを使われた方が良いですね。

内部をチェックしようとして行く手を阻むネジ!
   IMG_1336.jpg
昨今は全然見ないネジですね。
専用のドライバーで回します。
ネジがあるからドライバーもある訳ですが、今後なめてしまった際には一般的なフィリップス規格に交換したいところです。

真空管にとって振動は良くないダメージを与えますが、AMPEGはクッションマウントを採用してシャーシとキャビネットの間に振動を吸収する構造になっています。
   IMG_1331.jpg
片側3個ずつのゴムを介して取り付けられています。

このシャーシからぶら下がっている鉄板が、キャビネット内のフレームにしっかりと乗って強固にネジ止めされる構造です。
   IMG_1333.jpg
40年以上前にこの心配り、素晴らしいですね。

シャーシの上蓋には回路図が貼ってありました。
   IMG_1332.jpg
以前にメンテナンスした人が貼ったのでしょうか。
流石に焼けて古くなっていたので新しい回路図を印刷して作業にあたりましたが、こういう配慮は同業者として見習いたいです。

蓋を外すと…殆ど手作業でのワイヤリング。
   IMG_1234.jpg
基板を使っていたらハンドワイヤリングじゃない、とか言う場合もありますが…これだけ手作業で配線しなきゃならないのなら作業の手間はあんまり変わらないと思います。

ポットやスイッチにアクセスするためにはかなり多くのネジを外したり、インジケーターの配線を外したりが必要でした。
   IMG_1235.jpg

こちらは取り外した交換する部品達。
   IMG_1325.jpg
ポットは全て交換、電源スイッチも内部でショートしていたので交換。
ジャックはガリが酷くてクリーニングでも回復しなかったのでこの際交換。
チャンネル1の音が出なかったのは、初段の真空管が破損していたのが原因だったので交換。
   IMG_1326.jpg
真空じゃなくなるとこのように白濁したりします。

フロントパネルを外して基板にアクセスしつつ、ポットを全て交換しました。
   IMG_1315.jpg
上部のスイッチは交換しないので、接点クリーナーで端子の酸化被膜を取り除いておきます。

そしてスイッチをどちらに切り替えても電源はONのままだった電源スイッチは新品に交換。
   IMG_1316.jpg
一番右がその交換した電源スイッチです。

後ろから見るとスイッチ周りはこのような感じ。
   IMG_1319.jpg
グラウンド切り替えスイッチやスタンバイスイッチは問題無かったのでそのままです。

ガリがどうにも消えなかったインプットジャックは同メーカーの新品に交換。
   IMG_1320.jpg
ガリが出ないというのは精神衛生上、とても良いです。

その他、基板上の経年によるハンダ割れや酸化を修正しておきました。
本来はコンデンサ類の全交換作業なども行っておきたいのですが、またこれから徐々にメンテナンスをしていければ良いですね。


お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
FENDER DELUXE REVERB AMPのオーバーホール
今回は1970年代のFENDER DELUXE REVERB AMPのオーバーホールです。
そのルックスから”銀パネ”と呼ばれる事もありますね。
   IMG_1236.jpg
とても奇麗に扱われていたのか、傷みも少なくとても良いコンディションです。
   IMG_1237.jpg
117V仕様なので、キャビネット内部にはステップアップトランスが取り付けされていました。
   IMG_1238.jpg
オーナーご自身で取り付けされたそうです。

フロントのグリルネットは取り外す必要は無かったのですが、フレームに割れが見受けられたため、取り外して補修をしておきましょう。
   IMG_1239.jpg
割れ口にタイトボンドをしっかりと行き渡らせて、ラックスペーパーを乗せた上から当て木をしてクランプ。
   IMG_1271.jpg
この後のオーバーホールが完了するまでの数日間は、このまま乾燥待ちで置いておきました。

クランプを外したらこのようにしっかりとくっついていました。
   IMG_1272.jpg
はみ出た接着剤はしっかりと除去した上で、マジックテープをタッカーで取り付けて、グリルネットフレームの補修は完成です。

さて、肝心のシャーシ内部のオーバーホール。
IMG_1241.jpgIMG_1240.jpg
見難いけど、白い電解コンデンサは時々溶けていたりするので、今回は全て交換します。

電源部分のコンデンサはこのようにシャーシの外にまとめて設置されていますが、これも全て交換しました。
   IMG_1264.jpg
右側の大きなコンデンサがオリジナルサイズ。
耐圧も容量も少し上がっていますが、サイズはより小型になっています。

バイアス電源を作る部分のコンデンサもしっかりと交換してあります。
   IMG_1265.jpg
サーキットボード上のコンデンサ交換と併せて、各配線の断線やハンダ割れなどが無いかを確認し、修正してあります。
IMG_1266.jpgIMG_1267.jpg

オリジナルのUSオクタルソケットにはクリップが付いておらず、真空管が簡単に抜けてしまう状態でしたので…
   IMG_1263.jpg
クリップを取り付けしつつ、出力管と整流管も新品に交換。
   IMG_1268.jpg
整流管が巨大で迫力がありますね。
この後で動作チェックとバイアス調整を行ってひとまずハンダ作業は終わり。

シャーシをキャビネットに組みつつ、フロントグリルも取り付けて完成。
   IMG_1273.jpg
シャーシをキャビネットに取り付けるボルトに曲がりやネジ山潰れがありましたので、ボルトは新品に交換しました。
これでまた長く安心して使えますね。

オーバーホール・電解コンデンサ交換 25000円(モデルによって変動します)
シャーシストラップボルト 4本セット 1050円
真空管クリップ 3個 1890円
GT6V6RD Matched Pair 7350円
5U4整流管 3150円

合計38440円でした。


お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
GUYATONE FLIP 300FCの修理
以前にGUYATONE FLIP 300FCIIアンプの修理という記事を書きましたが、それを見られたお客様よりFLIP 300FCのオーバーホールとノイズ低減の作業依頼をいただきました。

製造から20年前後経っているとは思えないぐらいとても奇麗な外観を保たれています。
   DSC01766.jpg
裏板の割れもこの個体にはありませんでした。
   DSC01768.jpg
スピーカーはCERESTION製のG10L-35が搭載されています。
   DSC01769.jpg
真空管はNATIONALの印刷がある中国製12AX7が搭載されていました。
   DSC01770.jpg
まだ使えそうな状態ではありましたが、ノイズ低減とサウンドチューニングのために交換する事になりました。

内部基板も丁寧に作られていました。
   DSC01771.jpg
電解コンデンサの膨れや可変抵抗器のガリが目立ちましたので、これらは交換とクリーニングを行います。

という訳で部品交換作業後はこちら。
   DSC01774.jpg
歪みは殆どがオペアンプ(JRC4558DD)で作られているようですが、このオペアンプもローノイズのオーディオグレードの物に交換しました。
真空管は前回も使用した物と同じです。
全体的にはクリーンの芯が出て、明らかに抜けるサウンドになったと思います。

これから長く使用していきたいとの事でオーバーホールを行う事になりましたが、まだまだ現役で使えそうなサウンドで、私も欲しいなと思った一台でした。



お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp