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機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
CLASSIC PRO CP1400のメンテナンス
今回はCLASSIC PRO / CP1400というステレオパワーアンプのクリーニング作業です。

とある大学サークルの備品だったのですが、使用していると天板が異常に熱くなるとの事。
修理に出す前にはこのアンプを扇風機で冷やしたり、天板に保冷剤を置いたりして運用していたそうです…
話を聞いていてもそんな触れないような温度になるという事は、真夏の炎天下の屋外ライブなど限られた過酷条件でないとなかなか考えにくいのです。

お預かりして開けてびっくり…
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ヒートシンクは埃がびっちり、フロントの空気導入口も完全に目詰まりしていました…
後方排気の電動ファンも埃まみれで、内部の熱気を吸い出せていない状態。
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基板上の部品間にも埃が堆積しており、よくショートせずにこれで動作していたなと感心すら覚えました。
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発熱の原因は長年の使用に伴って埃が堆積した事で排熱が正常に行えずに熱が籠った事でしたが…
抵抗が焼けて発火とか、コンデンサ破裂とか起きなくて良かったという状態ですね。

外せる部品は極力外して、刷毛と掃除機、エアブローで埃をとにかく除去します。
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パーツクリーナーで基板上の埃も洗い流してクリーニング。
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10000uFという大容量コンデンサ8本が鎮座する電源整流部。
コンデンサのハンダ付け状態も確認して、念のため再ハンダして補修してあります。
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写真にはありませんが、電源ケーブルの被覆がパワーアンプ本体根元位置で破れて芯線が露出していたので、危険な部分を含む5cmほどを切ってつなぎ直して補修してあります。
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白く四角いセメント抵抗に少し焼けた色が見受けられますが、ひとまず正常に抵抗値も測定出来たので交換はしていません。
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この値段でこのパフォーマンス、素晴らしい作りにびっくりしました。

正直、CLASSIC PROをナメていましたが…
昔のYAMAHAの腰を痛めるほど重い4Uパワーアンプなどを運搬するよりも、ずっと安価で性能も充分なのでは?と思ってしまいました。
スイッチング電源を搭載したデジタルアンプも小型高性能で良いですが、このフルアナログのパワーアンプにも重心の低いサウンドがあるのでどちらにも良さがありますね。



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PETERSON P-200Gのオーバーホール
今回は生産終了や国内の取り扱い代理店も無くなった今でも根強い人気を誇るPETERSON P-200Gのオーバーホール依頼をモズライトUSカスタムショップ様よりいただきました。
なんでもパール楽器経由で日本国内に正規輸入されたのはわずか22台しかないとか。
ハリのあるファットなクリーン~クランチが大音量で得られる素晴らしいトランジスタアンプだと思います。

ハードユースにも耐えるようにツアーハードケース入りでお送りいただきました。
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PETERSONのこのシリーズ(P-100GやP-200G)に共通して多いのが、ポット類のガリ・出音のパワーダウンです。

今回のアンプには激しいガリは無かったのでポット類はクリーニングで済ませましたが、出力ダウンの症状が出ていたためオーバーホールということになりました。
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単板材を釘やボルトを使わずに丁寧に組んだ、堅牢で重厚なキャビネットはもはやアンティーク家具のような風格さえありますね。

殆どハンドメイドにて作られていたようで、製造時期によって細かい仕様変更が行われていまして、このアンプは知っているだけでもVer.3の仕様でした。
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Ver.1は内部の電源回路もシンプルで、後部のヒートシンクが巨大ではありますが、発熱のため抵抗が焼損するトラブルが多かったようです。
そこでVer.2では内部の電源生成回路にも専用のトランスを搭載し、発熱問題に対策を施してあります。
ただし内部のパワーリレーを駆動する抵抗は発熱問題を抱えたままでした。

Ver.1ではクーリングファンがアンプキャビネット側に設置されていましたが、Ver.2からはシャーシ側にファンが固定されており、キャビネットには排熱口が用意されています。
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シャーシを取り外してみると、クーリングファンが取り付けられているのが見えると思います。
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この手前に見える青い大きな電解コンデンサと、黒い四本足の部品(ブリッジダイオード)に不具合が起きることが多いようです。
(スピーカーケーブルはオリジナルは基板からスピーカーへ直接つながっていますが、メンテナンス性向上のためこのアンプではコネクタ式に変更されていましたが、素晴らしいアイデアだと思います)
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問題の多い電源部分のセメント抵抗。
Ver.1では写真の3.3KΩの右側にまだ2本設置されているのですが、大音量で使うと抵抗が熱に耐えきれず焼け焦げるため、このアンプではその部分の変更が行われています。

電源部分の電解コンデンサはほぼ全てを新品に交換します。
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同じ容量なのに技術の進歩のため小型高性能パッケージになっています。
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こちらが作業完了状態。
各パーツを測定の上でバラつきが出ている物は交換しますので作業内容は個体毎に異なってきますが…
基本的には電解コンデンサは殆ど交換します。
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ブリッジダイオードも容量的に心許ないので、オリジナルと殆ど同じサイズで10A流せる物にグレードアップしています。
(メインFUSEが5Aなのでオーバースペックではありますが、発熱対策も兼ねて余裕を見てのチョイスです)

発熱によりすぐ脇のヒューズケースが溶けるというトラブルも出るセメント抵抗は、ワッテージをアップさせつつ放熱効果の高い物に交換しました。
暫く大音量で弾いた後にこの抵抗の温度を確認するとそれでもアチアチになってしまったので…
基板の裏側に取り付け直してファンの風を直接当てるように配置したら「ほんのり温かいぐらい」の温度で安定動作するようになりました。
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そしてオーバーホールとは別の作業になりますが、このP-200Gや、スピーカー1発のP-100Gは専用のフットスイッチを接続しないとチャンネル切り替えとリバーブONが出来ない作りになっています。
殆どクリーンチャンネルのみで使用される事が多いようで、リバーブを効かせたいがためにフットスイッチを持ち歩くのは面倒と感じている方もいらっしゃるようです。
そこで、フットスイッチコネクタに差し込むとリバーブ回路がONになるようなプラグを作成してみました。
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プラグを差し込むとリバーブ回路がONになりますのでノブを回せばリバーブが効くようになります。
リバーブスイッチのLEDは緑色でしたので、このプラグでも接続すると緑色のLEDが光るようにしてみました。
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アンプのオーバーホールは交換部品数によって値段が変わるので25000円~といった内容で現物を見てからの判断となります。
リバーブプラグは2000円ほどで作成しますので、ご希望の場合はお気軽にお問い合わせください。



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TAURUS STOMP HEAD4にチューナーアウト端子増設
今回はポーランド発のペダル型アンプヘッドTAURUS STOMP HEAD4にチューナーアウト端子を増設しました。
このアンプに関して詳しい情報は輸入代理店のStompHead 4 SilverLineページを参照ください。

さて、その実機ですが、この見た目で真空管搭載のアンプヘッドです。
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3チャンネルにブースト付きで、幅広い音作りが軽量に可能ですので、移動が多いプレイヤーにはとてもおススメですね。
このアンプにチューナーアウトを増設し、MUTEスイッチと連動して信号をチューナーへ送るように出来ないか?というお問い合わせをいただき、内部の確認をしてみたところ可能だと判断しましたので作業開始。

このサイドにある、外部フットスイッチコントロールジャックの並びにチューナーアウトを増設します。
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このMUTEスイッチはアンプからの出力をミュートする機能になっています。
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ミュート状態になると真空管の小窓の明かりが消えるニクイ演出も行われています。

基板のパターンをカットしたり、内部に配線を這わせたりしてジャックを配線。
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フットスイッチも1回路の物から3回路必要なので交換しています。
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真空管を照らすLEDはあまりに暗くて視認性が悪いと感じましたので、高輝度タイプに交換しつつ拡散キャップを取り付けておきました。
少しは見易くなったかな、といった感じです。

チューナーアウトジャックを取り付けて、ケースを閉めました。
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トップにラベリングしましたが、ちょっとフォントサイズが大きいかも…
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テプラを入れるとこの辺りは自由になるのですが、どうも安っぽい感じがして…結局いまだに導入していません。

動作チェックして、スイッチ切り替え時のポップノイズも問題無い状態でしたので納品となりました。

ケース穴あけや基板加工などあり、思った以上に作業工程が多かったので、このチューナーアウト増設加工は13000円(税別)で承ります。


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AMPEG JET AMPにスピーカー入力ジャック取り付け
今回は旧屋号時代からメンテナンスを何度もさせていただいている、AMPEG JET AMPにスピーカー入力ジャック取り付けを行いました。
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正式な年式は失念しましたが、1950年代末から60年代初めの頃のアンプです。
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私がお茶の水の某楽器店勤務時代にお買い上げ頂いた懐かしい一台なのです。

電源スイッチ不良や、電源コンセント破損などにより、都度修理をさせていただいています。
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今回は熊本まで郵送していただきましたが、届いたらスピーカーへ接続されている配線がちぎれていました。
もう一本も今にも切れそうな首の皮一枚でつながっているような状態でした。
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今回はこのコンボアンプをスピーカーキャビネットとして使用出来るようにしたい、との事で外部入力端子を増設する事にします。
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内部は超シンプルですが、不具合もなくまだまだ使えますね。

スイッチ付きジャックを用いてスピーカーへの接続ラインを切り替えるように配線しました。
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これだけヴィンテージのアンプに穴を開けたりの加工は避けたい、との事でアルミ板を切り出してバックプレートに木ネジで留めました。
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小さなネジ穴は開きますが、取り外したとしても表から見ても変化は無い状態に戻せます。
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このAMPEGアンプの上に小型のヘッドを載せて、1発のキャビネットとして使用する事になります。
ジャックにヘッドからの出力をスピーカーケーブルで接続したら外部入力がONになります。
その際はAMPEGの方は必ず!電源を切って下さい。

このような改造を行って、スピーカーのワッテージを超える入力による破損に責任は持てませんので、インピーダンスや入力レベルなどをご確認の上でご利用くださいませ。
不安な場合はお気軽にご相談下さい。

パネル作成&外部スピーカー入力ジャック増設 5000円でした。
アルミパネルを加工するのが一番大変だったかも(笑)
 


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HIWATT LEAD50のメンテナンス
今回は旧屋号の頃からのお付き合いさせていただいているギタリストで、関東でMARIというバンドで活動するN様より、HIWATT LEAD50のメンテナンス依頼をいただきました。
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1980年代のアンプですがまだまだ現役!ぶっといクリーン~クランチトーンが気持ち良いです。

EL34管2本を使用した50W出力のオールチューブアンプです。
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インプットジャックの接触不良、プレゼンスポットが効かない、動作不安定との事でお預かりしました。
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内部はとってもシンプルで回路も追いかけ易いです。
ポットがひとつ異なった形状の物に交換された形跡があります。

インプットジャックにはREANの物が使用されていましたが、端子の酸化により接触不良が起きていましたので交換します。
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この写真では右から2番目にあるプレゼンスポットは内部でワイパー端子浮きと共に基板パターン剥がれも起きており、回路から浮いてしまった状態でした。
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併せてチェックしていると、右端のマスターヴォリュームも破損寸前でしたので、この機会に交換してしまう事にしました。

ジャックは基板直付けタイプが入手出来なかったのでCLIFF製のハンダラグ端子の物にワイヤーを付けて交換。
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グラつきなどはありません。
ポットも基板直付けで希望抵抗値は簡単に手には入らなかったので、ワイヤーで接続する方式に変更しました。
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部品自体の耐久性は高い物を使用しています。

部品を交換して動作チェックをしているとパワー管がやけに赤熱するのでおかしいなと各部電圧測定をしてみるとバイアス電圧が大幅に浅い!
危うく真空管が壊れるところでしたので、しっかりとバイアスを調整して完了です。

そして、このアンプは2チャンネル構造なのですが、リードチャンネルは殆ど使用していないとの事でした。
しかしフットスイッチを接続しない状態ではリードチャンネルがチョイスされる構造でしたので、プラグを内部ショートさせてクリーンチャンネル固定にする部品を作成しました。
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フットスイッチを使ってチャンネル切り替えがしたければプラグを抜いてフットスイッチを接続すれば良い状態になっています。

これからのバンド活動でまた活躍してくれると良いですね。
経年で緩くなっているプリ管ソケットも次回のメンテナンス時には交換してしまうのも手ですので、その際はまたご相談下さい。


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