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機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
L.R.Baggs PARA ACOUSTIC D.I.の箱替え
今回はL.R.Baggs PARA ACOUSTIC D.I.のケースを変更する箱替え作業です。

アコースティックギタリストに人気のPARA ACOUSTIC D.I.ですが、スチールケースのため結構ズッシリした重量があります。
オリジナルの重量はバッテリー入りで640gもありました。

「ギターのソフトケースに入れて持ち歩く荷物をもう少し軽くしたい」という事でご相談を受けてアルミ素材での箱替え作業を行いました。
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このスチールケースのみでも480gもの重さがあるのです。
内部の基板など、ケース以外の部品は114gでした。
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スチールケースの穴位置を測定し、アルミ板折り曲げケースの図面を作成して、メーカーさんにオリジナルのアルミ折り曲げケースを作成してもらいました。
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一番大変だったのは採寸とその図面にミスが無いかの検証ですね。
基板の固定方法も変わるので、その辺りの寸法微調整も行っています。
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アルミ折り曲げケース単体の重量は125g(スチールケースは480g)と大幅に軽くなりました。

ラベルを作成するまでに時間がかかりそうなので、取りあえずマスキングテープ貼り状態で組んでみました。
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元々の小さなつまみは現場で視認性が悪いので見易くしたいという事で、プラスチックノブを取り付けてみました。
このノブ8個で15gの増加となります。

操作感やサイズが変わる訳では無いのですが、スチールよりも強度は落ちるので間違って足で踏まないように気を付ける必要はありそうです。
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オリジナルケースのシルク印刷をスキャンしてラベルを作成して貼り付けようと思いますが、ちょっと作成に時間がかかりそうなのでひとまずこれで使っていただく事になりました。
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電池込みの総重量は640gから305gと半分以下の重量となり、その軽量化にお喜びいただけました。
ちなみにこれは定番マイクであるSHURE SM58よりも軽い重量です。


実は同じケースをスペアとしてもう1つ作成しているので、ご希望の方がいらっしゃいましたら販売する事も可能です。
箱替えに必要なネジ類は全て付属します。



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BOSS DD-5へKILL DRYモードを搭載
長らく更新まで時間が空いてしまいました…
暫く前に行った作業なのですが、BOSS DD-5のキルドライモード増設です。
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このディレイは入力音を逆再生するリバースモードにしても原音が出た上でリバースディレイが出力されてしまい、とても違和感を感じます。
以後のDD-6やDD-7などではリバースモードではキルドライが出来るのですが。
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基板上にダイオードと配線を追加して、エフェクトON時にドライ音を出力しないように出来るようにします。

キルドライONにすると他のノーマルディレイ時にもドライ音が消えてしまうので、切り替えスイッチを増設します。
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バイパス音やディレイエフェクト音には一切影響を与えず、エフェクトON時の原音だけ消すモードとなりますので、使い方次第ではリバースモード以外でも面白い使い方が出来るかもしれませんね。
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ZOOM MS-50GのSCROLL SWITCHモディファイ
今回は安価なのにとてもよく出来ていて、プロミュージシャンにも利用者が多いZOOMのMS-50Gを改造します。
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実売で1万円以下の価格でありながら、最大で6台のエフェクターを直列でつなぐ事が出来て、チューナーもアンプモデリングも入っているという、ひと昔前では考えられなかった多機能ペダルですね。

内部は複数の基板をリボンケーブルで接続するような組み立て性に優れた作りですし、昔のZOOMのようにプラスチック筺体ではなくしっかりとしたアルミダイキャスト筺体です。
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とてもよく出来ているエフェクトなのですが、メインフットスイッチは表示されているエフェクトのON/OFF用となり、複数接続されているエフェクトのON/OFFのためにはメインスイッチの左右にあるミニスイッチを押して画面をスクロールしないとなりません。
演奏しながらこんな小さなスイッチは踏めないので「あと一歩!」という感じなのです。
上下のプリセット切り換えに関してはまだ曲間に押して切り替える余裕がある場合もあるとは思いますが。

そこで、この左右スクロールが出来るような外部フットスイッチを増設する改造を行います。
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これがフットスイッチ部分の基板↑

左右とグラウンドのため2芯シールドあれば足りるので今回は3.5mmステレオミニジャックをアウトプットジャックの下側に設置しました。
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「上下のプリセット切り換えスイッチも外部コントロールにしたい」等色々とご希望に沿う事は可能ですが、外部フットスイッチ自体が大きくなるのでそのサイズにしても必要かどうかを依頼者様に確認した上で仕様を決めていきます。
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仕上がった状態ではノーマルと大きく変わりませんし、フットスイッチを接続しなければ全くのノーマル状態として使用可能です。
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アウトプットジャックをひとつ潰して外部コントロールにする改造も他の工房などで行われていますが、私は極力機能を削らずにアップグレードしたかったのでジャックを増設する事にしました。
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外部増設スイッチは左右スクロールのみの場合はこのような1590Aサイズ(ケース寸法:39×93×31mm)です。
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この色付きケースはペダル本体のすぐ下に設置するという指定でしたので、外部スイッチから直接ケーブルが生えている仕様で作成しました。
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通常のモディファイ依頼の場合は30cmのステレオミニケーブルを用意してボード内の任意の位置に設置出来るように作業を行います。
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ZOOMではマイナーチェンジでこのような外部増設スイッチを出してくれるともっと使い勝手が上がるのに惜しいなぁと思いますが…
これでとても実戦向きのエフェクターになりました。




このようなフットスイッチ作成依頼は定期的にいただくのですが、更に追加機能でのご依頼をいただきました。
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いつものようにアウトプットジャックの下側辺りにジャックを増設するのですが…
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今回は3つあるコントロールノブの真ん中を押すことで動作するメモリーモードも足で操作できるようにしたい、という内容でした。
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配線自体はそう大変ではないのですが、部品の取り外しや配線取り回しなどで2スイッチバージョンよりも難易度は高めになりますね。
配線もスイッチのコントロール用3線とグラウンドで4端子必要になるのでジャックも4極タイプが必要になります。
スマホなどで使う用として4極の3.5mmミニジャックがあるので、それを使用する事にしました。
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接続ケーブルも長すぎても邪魔なので、30cmほどの長さで用意しましたがこの辺りはご依頼いただいた際のヒアリングで適切な長さのケーブルを探してご用意する事が出来ます。

スイッチボックスは無塗装でラベル無しというご指定でしたのでこのような仕上がりですが、ランダムサンダーで研磨した跡を残す仕上げにしてみました。
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両サイドは以前からある左右スクロールで、センター奥側はメモリーモード用のスイッチです。

これ以上の個数のスイッチボックスを作成する事も可能ですが、その場合は接続ケーブルやジャックをどうするかという点が問題です。
例えばLANケーブルか電話用モジュラージャックなども使えるかもしれませんね。



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DigiTech WhammyⅡ(黒ワーミー)の修理
当ブログではこのDigiTech WhammyⅡ(黒ワーミー)の修理記事が複数ありますが、これらの記事を見てご依頼いただける事も増えてきました。
記事になっていない個体も多く、皆さま愛用されているのだなぁと感じます。

さて、そんな黒ワーミーですが、激しくノイズがでてとても弾けないという状態で持ち込まれました。
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定番の不具合オンパレードでした。
レベルポットの劣化、アダプタージャックの勘合が緩い、タクトスイッチの切り替え不良、ジャックの接触不良…
プロの現場で使われるとの事で、考えられる対策は一通りやって安心して使えるようにしましょう!と提案させていただきました。

基板を取り出し、交換する部品を取り外していきます。
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タクトスイッチはこの基板の裏側にあるので写真には見えませんが、取り外して交換します。

既に諸々の部品交換を行った後の状態がこちら。
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ボリュームポット、ジャック類、電源部のコンデンサも交換しています。

ACアダプターの基板付けジャックのまま交換しても良かったのですが、今後の交換時にも作業がし易いようにパネル取り付け&コネクタにしました。
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一番のウィークポイントであるボリュームポットはパネル取り付け式&ノブにして操作性と耐久性を向上させています。
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ジャックは基板取り付け式のままですが、ジャック種類を変更しケースの干渉部分もヤスリで微調整してガッチリとした差し込みになるようにしています。
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その他、だいぶくたびれていた純正アダプターでしたので、スペアとしてアダプターの用意もして現場でトラブルを回避できるように配慮し納品となりました。

これからの演奏現場で無事に活躍してくれると良いですね。



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MXR GT-ODにスイッチ増設
今回はMXR GT-ODの内部に設置されたスライドスイッチを外部コントロールできるようにスイッチ交換を行いました。
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外観はオーソドックスな3ノブODですね。
回路を見てみると…ざっくり言うとBOSS SD-1をベースにアウトプットバッファを除去したような感じ。
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この基板の上に小型のスライドスイッチが用意されていまして…
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抵抗を1本追加するかどうかで低音域の出方を調整するスイッチのようです。
これでいわゆるZW-44というザック ワイルドODとGT-ODを切り替え出来るようになります。
その抵抗部分以外は全く同じなんですね…
これだけの違いで別商品としてリリースするMXR恐るべし。

そんなこんなでスライドスイッチを外し、ミニトグルスイッチに交換。
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ケース表面までの高さが足りなかったので端子を延長して取り付けしています。
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ケース側にも対応した位置に穴あけをして、元々と同じように基板アッセンブリで取り外せるように作業をしました。
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極端にサウンドが変わる訳ではないけども、アンプをプッシュする時の微調整などで役立ちそうです。
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1台でGT-ODとZW-44を切り替えできるスイッチ、知らない人も多そうな隠しスイッチでしたね。



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