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機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
MARSHALL BLUES BREAKER PEDALのモディファイ
今回はイギリスで製造されていた頃のMARSHALL BLUES BREAKER PEDALのモディファイです。
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この外観では他にThe Guv'norとShred Masterが知られていますね。
3種類の中では一番歪みが大人しいのが今回のBLUES BREAKERになります。

今回は各部品の交換をしつつトゥルーバイパス化を行う事になりました。
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DCジャックは基板固定型なので、これもパネル取り付け型に変更しないとなりませんね。

裏蓋を外してみると、ジャック類と電源部部品をまとめた基板と、メイン基板の2枚構成になっていました。
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ジャック基板はIN/OUTジャックのナットでケースに固定。
2枚の基板をつなぐケーブルはINPUT、OUTPUT、DC9V+、バイアス(4.5V+)、グラウンドの5本が割り当てられています。
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メイン基板はポット3つのナットと、フットスイッチナットの4か所でケースに固定されています。
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今回は
・全てのポットやスイッチ、ジャックを保守交換する
・トゥルーバイパス化
・各部品を基板直付けではない接続方法に変更したい

このような希望でしたので、基板をどう固定するかが問題になってきます。
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作業完了後写真をいきなり出しますが、パッと見た目には殆ど変わらないですね。
LEDが赤からクリアタイプに変更され、黒いネジ頭が見受けられる程度の違いでしょうか。

ジャック部分は見た目が変わっているのが判りやすい部分です。
ヴィンテージスタイルのメタルナットを持つCLIFF製ジャックとパネル固定型DCジャックに交換しました。
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中身はこのような変貌を遂げていまして…
メイン基板は4か所の固定金具でネジ止め式に変更しています。
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もう一方から見ると元々は無かったミニスイッチが増設されていますね。
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この時期の3機種ではよく知られた"GAINポットの2-3番端子をショートさせる事でローゲイン時のこもりを解消するMOD"を出来るように増設したスイッチです。
オーナー様はオリジナルのサウンドを気に入られていましたので、抵抗やコンデンサを交換して回路定数を変える事は基本的に避けて、オリジナルのサウンドを保ったままスイッチで切り換え出来るスタイルにしました。
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スイッチ切り換えのためには裏蓋を取り外すためにネジ4本を緩める必要がありますが、頻繁に切り替える部分でもない(どちらかの好きなサウンドが出るモードにほぼ固定される)ので納品後に音を聞きながら切り替えて選んでいただく事になるでしょう。

配線も邪魔にならないように取り回しつつ、部品交換の際も今後も楽に基板へアクセス出来るような配線長さを確保しています。
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納品後に感想をいただきましたので、一部転載させていただきます。
エフェクターを試してみたのですが、MODモード最高でした。
これはMODモード以外使えないです。
そして、もはや別物といえる芸術的なハンドワイヤリングの内部に圧倒されました。
日曜日にスタジオにいたのですが、サックスとトランペットのメンバーが添付された写真を見てビックリしてました。
熊本スゲーって言ってました(笑)
無茶な注文だったにも関わらず、素晴らしい技術とセンスで応えていただき本当にありがとうございました。
また是非お願いしたいです。
失礼致します。


こちらこそチャレンジングなご依頼をいただき、楽しく頭を悩ませながら取り掛かれましたし、このように喜んでいただけると頑張って良かったなと思えます。
やはりMODモードの方を気に入っていただけたようで、心の中でガッツポーズでした。
またお気軽にご相談いただけると幸いですね。



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Nplace NT-HB001(電動ドライバー)の改造
今回はamazonで購入した電動ドライバー Nplace NT-HB001を使い易いように改造しました。
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購入した商品はこちらです。
   
USB電源で充電できるし、六角軸チャックが付いていてとても便利。
トルクが弱く感じるのでネックジョイントやトレモロスプリングハンガースクリューには非力だけど、ギターやエフェクターに使うようなその他のネジ類では殆ど困る事は無いです。

ただし、使用してみて不満点がありまして。
   
この動画のように回転スイッチから手を離すと少し強すぎる逆回転ブレーキがかかるため、て折角締めたネジが緩んでしまったりするのです。
理想は手を離した位置でビタッ!と止まってほしい。

そこで逆回転ブレーキを制御しているコンデンサの容量を変更する事で調整します。
作業手順紹介的な記事になりますが、メーカー保証は受けれなくなりますし、参考にして作業をされる場合はあくまで自己責任でお願いします。
(いかなる理由の不具合であってもStudio GREAMとしては一切の責任を有しません)

まず0番の+ドライバーでこの部分のネジを外します。
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次に両サイドにあるモーターを固定しているネジのうち、USBソケットが無い側にあるネジを2mmの六角レンチで外します。
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そうしたらプラスチックのヘラなどを隙間に差し込んでケースを開きます。
ツメで止まっているだけなので、無理やりに開いてツメを折らないように注意。
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ケースが開いたらこのような状態になりますので、スイッチ部分のゴムを外して…
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ショートなどに気を付けつつ基板を慎重に取り出します。
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リチウムイオンバッテリーが接続されているので、安全のためにバッテリーと基板をつないでいる部分のハンダ付けを外して作業を行います。
モーターの辺りに絶縁のための紙が貼られているので、それを剥がした所に狙いのコンデンサがあります。
写真では赤丸で囲んだ1.6mm×0.8mmの極小コンデンサが逆回転ブレーキ量を決めていて、0.047uFの容量です。
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このコンデンサの容量を下げるとブレーキ量が下がりますし、仮に撤去するとブレーキ無しになりますのでスイッチから手を離しても惰力で回っていきます。
ひとまずハンダ付けを外したあとのランドに新しくハンダを盛っておきます。
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私はスイッチから手を離した瞬間に止まるぐらいが好ましいのでコンデンサは0.022uFをチョイスしました。
ちなみに写真で言うと下側のコンデンサが時計回り方向、上側は反時計回り方向のブレーキ量を決めていますので…
緩める方向は惰力で回りっぱなしでも構わない場合には上側はコンデンサ撤去だけで良いです。
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1608サイズのチップコンデンサがあればハンダ付けするだけなので楽なのですが、わざわざ購入するのも手間だったので手持ちにある積層セラミックコンデンサを取り付け。
リード線には絶縁のためにシリコンチューブを取り付けておきます。

ここまで無事に作業が完了したら、バッテリーの極性を間違えないように再びハンダ付けをして、絶縁の紙も忘れずに貼ってケースを元通りに組み立てていきましょう。

作業完了後はブレーキ量が適正になり、ストレスがなくなり快調です。
   

このドライバー、気に入って自分用に2本購入し、更に自分の父親にもプレゼントするぐらいです。
改造を行ったのは自分用のだけですけどね。

とにかくチップ部品が小さいサイズなのでハンダ付けは大変だと思いますが、真似される方はくれぐれも自己責任でお願い致します。



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ZOOM MS-50GのSCROLL SWITCHモディファイ
今回は安価なのにとてもよく出来ていて、プロミュージシャンにも利用者が多いZOOMのMS-50Gを改造します。
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実売で1万円以下の価格でありながら、最大で6台のエフェクターを直列でつなぐ事が出来て、チューナーもアンプモデリングも入っているという、ひと昔前では考えられなかった多機能ペダルですね。

内部は複数の基板をリボンケーブルで接続するような組み立て性に優れた作りですし、昔のZOOMのようにプラスチック筺体ではなくしっかりとしたアルミダイキャスト筺体です。
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とてもよく出来ているエフェクトなのですが、メインフットスイッチは表示されているエフェクトのON/OFF用となり、複数接続されているエフェクトのON/OFFのためにはメインスイッチの左右にあるミニスイッチを押して画面をスクロールしないとなりません。
演奏しながらこんな小さなスイッチは踏めないので「あと一歩!」という感じなのです。
上下のプリセット切り換えに関してはまだ曲間に押して切り替える余裕がある場合もあるとは思いますが。

そこで、この左右スクロールが出来るような外部フットスイッチを増設する改造を行います。
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これがフットスイッチ部分の基板↑

左右とグラウンドのため2芯シールドあれば足りるので今回は3.5mmステレオミニジャックをアウトプットジャックの下側に設置しました。
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「上下のプリセット切り換えスイッチも外部コントロールにしたい」等色々とご希望に沿う事は可能ですが、外部フットスイッチ自体が大きくなるのでそのサイズにしても必要かどうかを依頼者様に確認した上で仕様を決めていきます。
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仕上がった状態ではノーマルと大きく変わりませんし、フットスイッチを接続しなければ全くのノーマル状態として使用可能です。
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アウトプットジャックをひとつ潰して外部コントロールにする改造も他の工房などで行われていますが、私は極力機能を削らずにアップグレードしたかったのでジャックを増設する事にしました。
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外部増設スイッチは左右スクロールのみの場合はこのような1590Aサイズ(ケース寸法:39×93×31mm)です。
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この色付きケースはペダル本体のすぐ下に設置するという指定でしたので、外部スイッチから直接ケーブルが生えている仕様で作成しました。
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通常のモディファイ依頼の場合は30cmのステレオミニケーブルを用意してボード内の任意の位置に設置出来るように作業を行います。
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ZOOMではマイナーチェンジでこのような外部増設スイッチを出してくれるともっと使い勝手が上がるのに惜しいなぁと思いますが…
これでとても実戦向きのエフェクターになりました。

新品のペダルを入手して改造したフットスイッチ付き商品が1台だけ販売用在庫でございますので、ご希望の方はお問い合わせ下さい。
送料別ですが、税込16500円で即納可能となっております。




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Vesta Kozo DIG-420(SAMPLER/DERAY)のオーバーホール
今回はVesta KozoのDIG-420(SAMPLER/DERAY)というラックエフェクターのオーバーホールです。
VESTAXの別ブランドだと思われますが、巷ではVESTA小僧と呼ばれているとか。
リピートサウンドが徐々に劣化するような気持ち良いアナログ感がクセになりますし、強烈な発振もするのでついつい時間を忘れて弾いてしまいます。
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ラックエフェクターは横長なのでなかなか1枚で収まるように写真が撮れず難儀します(笑)
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HOLDボタンが破損しているのですが、他のボタンも軒並み接触不良になっていますし、ポットにもガリが見受けれました。
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内部ではハンダ付けが割れているジャックもありましたので、この際ハンダ付け直しは勿論、経年劣化したコンデンサなども交換修理していきます。

基板上に3.6Vのニッカド電池が搭載されていますが、サンプリングしたメモリー保存に使われているようです。
測定の結果、1.2Vも無かったので今回は交換してしまいます。
しかし同じ部品は中国製のレプリカは見つかりましたが…
ちょっと個人的に品質が不安だったので今回は別の方法を採ります。
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パネルからポット類が付いている基板を外すために問題のスイッチ類はハンダ付けから外さないとならない設計のため今回はスイッチは新品を探し出して全て交換しました。
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古い部品も世界中から探せばまだまだ入手が出来る訳ですが、やはり価格はそれなりにしますね…
小さい部品だと送料の方が高かったりもしますし。
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内部の電源関連にある電解コンデンサは全て交換しつつ、例のニッカド電池が担っていた電源は充電式のニッケル水素電池(1.2V×3本直列)で作成しました。
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バッテリースナップとホルダーで設置していますので、取り外しや外部充電器での充電も可能です。

電源ケーブルが取り付けられているブッシュ部分は曲げ伸ばしで劣化し易い部分なので、一旦取り外して劣化部分を切って再接続。
ブッシュ部分に屈曲ストレスが少ない状態になりましたので、これからまた安心して使えますね。
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全体的に出音のノイズも減って、動作も問題なく回復したのでまた活躍してくれるでしょう。
中古の同機材を買うよりは高額な修理代になってしまいましたが、中古もコンディションが様々なので…
気に入っているけど動作不調な機材は、買い替えも一つの手ではありますがオーバーホールする事でまた安心して使用出来るようになりますよ。



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SHURE SM58-Sの改造
今回はアイデア持ち込みで、全てお任せいただいた案件です。

ダイナミックマイクの大定番であるSHUREのSM58ですが、これにキルスイッチを取り付けたい、とのご希望でした。
マイクに仕込まれたスイッチを押している間だけ音が途切れるので、連打する事で独特のエフェクトを得られるという訳です。
しかし入力信号のON/OFFはPAさんによっては嫌う事も多いので「ご希望の内容で作成はするけど、ライブハウスなどで使用の際は必ずPAさんに使用許可を貰って下さいね。スイッチを絶対に使わないならば持ち込みのSM58として使用する事は可能です」と念入りに説明させていただきました。

そんなこんなでSM58にラインナップされているON/OFFスイッチ付きを用意して改造開始。
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このスイッチを素早く上下にスライドさせても動作はするのでしょうが、押しボタン式で連打した方がより効果的なのでスイッチの交換を行います。

マイクのヘッド部分を取り外しつつ、本体の中にはトランスとリードスイッチがホットボンドで固定されています。
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このトランスでバランス出力に変換している訳です。
そしてリードスイッチは磁力によってカプセル内の接点がつながる構造になっていまして、トランス1次側をショートさせるかどうかでON/OFFさせるようになっていました。
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リードスイッチを取り外し、このスペースに収まるように基板を切り出してタクトスイッチと配線を取り付けます。
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開口スペースはスポンジできつく埋める事で埃の侵入を極力防いでいますし、内部にはホットボンドを再充填する事で振動にも強い堅牢性を再度担保しています。

元々のスイッチはドライバーでストッパーを外して向きを入れ換えて取り付ける事で常時ONモードに変更する事が出来ますが、このストッパープレートの下にタクトスイッチを仕込みました。
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プレートの先端部分下にスイッチがあり、ここを押している間だけ出力が途切れます。
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マイクホルダーにも当然取り付け出来ますし、いかにも改造しています感が少ない仕上がりになりましたが…
使用した持ち込みマイクを会場に忘れてくるというのが一番怖いので、シールを貼るなど何かしら目印を付けた方が良いかもしれませんね。


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