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機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
エフェクターボード作成(ありまっち)
今回は熊本では多くの人が知っているベーシスト、ありまっちさんからエフェクターボード作成依頼をいただきました。
色々と納期面で大変でしたが、何とか乗り越えて納品完了できました。

基本コンセプトはプロベーシスト「日野“JINO”賢二」さんのエフェクターボードのシグナルフローを踏襲という事で、ご本人のワイヤリングを判りやすく教えていただきました。
必要なペダルを揃え、自身が使いたいペダルもこの中に加えてワイヤリングしていきます。
   ボード配線図
これを実現するために電源やボードなど用意してくれとお任せされたので、必要な電流量やサイズを検討して用意しました。
エフェクターボードはPEDALTRAIN PT-CLP-SC Classic PRO
電源にはVITAL AUDIO POWER CARRIER VA-12
をチョイスして、今後の拡張性にも配慮しています。

配線にはソルダーレスケーブルを使い、組み立て後に引っ張ったり曲げたりしてストレスを与えても、接触不良が出ない事をケーブルテスターでチェックしてから組み込む念の入れようです。

まずは各エフェクターへ電源を供給して確実に立ち上がることを確認し、暫く通電しても発熱など問題ないと判断してから組み込みをします。
   001_202105041401173a5.jpg

ここで納期の問題が発生。
ペダルトレインのボードがどこにも在庫が無くて、日本国内の楽器販売店在庫をチェックして最短納期のところで発注していました。
話がそうなった詳しい経緯は存じませんが「JINOさん本人が九州ツアーでこのボードを使いたいと言うので間に合わせてくれないか?」と言われ…
使いたい納期にボードの入荷が間に合わないので、急遽ボードと同じサイズにコンパネを切って上記配線図のボードを作成する事にしました。
塗装コンパネはありまっちさんに持ち込みいただき、細かいサイズの調整などを行いペダルの配置や間隔を打ち合わせ。
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その打ち合わせがまとまったら全集中・全速で組み込みまして動作チェック。
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EBSのコンプレッサーは高さを上げて踏みやすくするために、エフェクター用のアルミケースをゲタにしてかさ上げしています。

そして配線図を見ると、ベースのインプットはボリュームペダルに、ボードの出力はラインセレクターLS-2のアウトプット端子となりとてもアクセスが悪いなと思いましたので入出力をまとめるジャンクションボックスを作成しています。
   049_20210504140128613.jpg
LS-2のループBにはベースシンセSY300を接続する事もあるという事でジャンクションボックスに接続用の端子を引き出し。
   050_202105041401134e5.jpg
ジャンクションボックスから電源供給も出来るようにパワーサプライからの配線をつないであるので、外部接続機器にも配線がまとまった状態で接続できます。

ループBのリターン端子にプラグが接続されていない場合はセンドからの信号をスルーでリターンへ戻すようになっていますので、未接続でも音が出ないという状態にはなりません。
アンプのセンドリターンと同様の処理ですが、このジャンクションボックスではTRSのステレオ信号も扱えるように作っています。
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ケースのグラウンドはインプットジャックに接続して、他ジャックのグラウンド端子はループを避けるためにケースグラウンドからは分離させています。

ツアーに間に合わせるために急いで組んだ上記ボードで無事にツアーを乗り切っていただきました。

ツアー終了後にボードが戻ってきましたので、用意できているペダルトレインに再び組み直します。
   012_20210504140122d6c.jpg
ボードサイズはコンパネと同じなのですが、配線類を裏側に逃がす事でスペースを作りましてスティング宮本さんのシグネチャードライブペダルである「究極」をEBSコンプレッサーとOC-3オクターバーの間位置に追加組み込みしました。

ペダルトレインはペダル設置面が傾斜しているのですが、それでも配置的にME-50Bのスイッチが踏みにくいと感じましたので高さを上げるためにスイッチの上に両面テープでスペーサーを接着。
(3Mの超強力両面テープを使用しているので、捻るような余程の力を加えないと剥がれないと思います)
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EBSコンプレッサーにはStudio GREAMオリジナルのフットスイッチカバーを装着し、踏みやすさを向上させています。

そして、ボードから「究極」だけ外して持って行くことがあるという事で、外した状態でもボードが使用できるように一工夫。
メスメスのアダプタージャックを用意してあり、ペダルを外したらケーブルをアダプターの両側に差し込みます。
(写真では途中までしかプラグを差し込んでいません)
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サプライケーブルの外側は+9Vが流れており、付近のエフェクターケースに誤って触れるとショートしてしまいますので、サプライケーブルも絶縁出来る差込口を用意してあります。
勿論、この位置に他のエフェクターをつないでも良いですね。
   010_20210504140119e0b.jpg

エフェクターボードはプレイヤーごとに異なり2台として同じものがないので、毎度頭を悩ませます。
暗いステージでも設置や撤収がし易いような使い勝手と、演奏中に操作がし易い点は大事です。
しかしその上で勿論音質も犠牲にすることなくしっかり組んでいきたいと思います。

5/18(火)にJINO SOLO&Session@Bar CIB熊本でまた来熊される予定です。
(新型コロナウィルスの感染拡大状況によっては延期や中止の可能性もあります)
その時にまたこのボードは使用されるのでしょうか…
それは楽しみでもありますが、ノントラブルでありますようにとハラハラしてしまう自分がいます。



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SONY DPS R-7のオーバーホール
今回はSONY DPS R-7(リバーヴ)のオーバーホールです。

製造終了からもう長い期間が過ぎて、修理に困る事もあるでしょう。
特にこのシリーズは電源部にウィークポイントがあるようで、ディスプレイが点灯しないとかエフェクト音が出ないなど特有の故障が出るみたいですね。
   112.jpg
今回持ち込まれたR-7はチェック時には電源は入ったのですが、エフェクト音が鳴らない状態でした。
   113.jpg
ばらす前に動作確認を続けていると、ディスプレイのバックライトは点灯しているが、表示はされない状態になりバイパス音すら出なくなってしまいましたので、直すべく開けていきましょう。
   114.jpg

このシリーズにはディレイのD-7やモジュレーションのM7などどれも素晴らしいエフェクトが得られる名機がありますが、いかんせん昨今はラックエフェクトもプラグインになっていき、なかなか使われる事も少ないのかもしれませんね。
今でも十分通用するサウンドクオリティだと思いますが。
   115.jpg
内部のサブ基板上にはメモリーバッテリーが取り付けられているはずが雑にむしり取られていました。
交換しようとして断念したのでしょうか…
   116.jpg
CR2032のタブ付き電池が純正採用されていましたが、今や入手性に難有りなのでソケット式にしてCR2032電池を使えるようにします。
   IMG_6113.jpg

問題の電源ですが多数の三端子レギュレーターが用いられ、5V,12V,15Vのそれぞれ両電源で動作しています。
   IMG_6112.jpg
熱容量がギリギリなのかヒートシンクがアツアツになってしまうレギュレーターもあり、入力はあるのに規定電圧が出力されていない物は交換しました。
ヒートシンク付近のコンデンサは熱にやられたのか外装フィルムが剥けてきているものもあり、それらも交換していきます。
   IMG_6111.jpg
ヒートシンクにはクールスタッフという更に放熱性を上げるシートを貼ってみたりしていますが、付近の交換したコンデンサも105℃対応の物をチョイスしています。

可変抵抗器にあったガリは内部クリーニングを行い解消。
一晩通電させながら発熱量を見つつ動作確認を行い、作業完了となりました。

電源を切ると機械式リレーが完全に信号をINPUT→OUTPUTへとバイパスする作りも素晴らしいなぁと、子細眺めて感心しました。
無事に直って納品出来て喜んでいただけた事が私も嬉しい依頼でした。
ありがとうございます。



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NEXT DD-1100の修理
今回はNEXT DD-1100の修理作業です。
当ブログで以前に紹介しましたNEXT DD-1200/MODULATION DELAYの修理を見られてお問い合わせをいただけました。

DD-1200はラックタイプでしたが、このDD-1100はフロア型モデルです。
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AC100Vで電源供給し、内部で音声信号ラインの素子を駆動する±12Vと、各種マイコンを動作させる+5Vの3種類の電圧を生成してありました。
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動作が不安定という事でご依頼いただきましたが、お預かり時にはバイパス音すら出ないし、エフェクトオンに至ってはノイズすら出ないという故障状態でした。

外側の黒いスチール折り曲げケースの中に、基板などアッセンブリユニットを抱えるスチールフレームが入っているという強度に優れた構造をしていました。
   IMG_5864.jpg
しかし組み込みは簡単とは言えず、当時の製造ラインでの苦労も想像できるようなデザインでした。

基板3枚が階層状に設置された構造で、作業中は基板を押えておかないと作業スペースが確保できない、など必死でしたので内部写真が殆どありません…

3.6Vのニッカド電池は完全に死亡していて充電をしてくれなくなっていました。
今後また修理やオーバーホールをする際に部品の入手性を鑑みて、ソケット&しボタン式充電電池を使用する事にします。
   IMG_5866.jpg

AC100Vの電源ケーブルにはケース部分の一番屈曲を繰り返される部分に断線気味症状が発生していたので、一部切断して接続し直しておきました。
   IMG_5865.jpg

内部動作は±12Vと+5Vの三種類の電源で動かしている構造でしたが、そのうち+5Vと-12Vが生成されていませんでした。
電源部分にあるコンデンサとレギュレーターが壊れていたのでこれらを交換して無事に動作電圧が生成されてひとまず動くようになりましたので、細かく症状の確認を進めていきます。
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このフットスイッチはあまり荷重をかけると壊れてしまうような華奢な部品でしたが、まだ普通に入手が出来るので、今後交換する場合でも安心です。
今回は破損などの故障はなかったので、内部接点をクリーニングして再利用しています。

サンプリングメモリーを保持しておくための充電電池もソケット&LIR2032へ交換して、充電される事も確認。
   IMG_5867.jpg
この内部シャーシをケースに収めるのが、LEDの向きがちょっとでもズレると穴位置に当たらないなど、これまた大変でしたが無事に修理完了しました。
   IMG_5870.jpg
メインICなど故障内容によってはお手上げな事もあるでしょうが…
多くは今回のように電源部分の不具合や、電解コンデンサの劣化などで壊れていることが多いので、メーカー修理受付が終わっている機材でも諦めずに修理のご相談をしていただけると幸いです。


しかし、このDD-1100はサンプラーと銘打っているけどなんとそのサンプリングタイムはおよそ0.5秒…
一瞬だけサウンドエフェクトのように音を保存できます。
動作確認してて「あれ?これって保存できないけど壊れている?」と疑ったほどです。

現代のサンプラーではフレーズの保存時間が足りないという事がほぼ無くなっていますが、いやはやこの技術や機材の進歩は目を見張るものがありますね。
しかしこのサンプラーをアナログディレイとして使用すると、いい感じに劣化したディレイ音が心地よくてクセになるペダルでした。



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PRESCRIPTION ELECTRONICS INC. experience fuzzへのDCジャック増設
今回はPRESCRIPTION ELECTRONICS INC.のexperience fuzzへのDCジャック増設作業です。

ノーマルファズ、オクターブファズ、スウェルファズと3種類のモード切替が出来てどれも個性的なサウンドが特徴でした。
ジミヘン再現ファズの大定番と言われるのも納得でした。

この個体はLED、DCジャックが無い前期仕様(後期型は基板レイアウトも変更になってLEDやDCジャックも用意されている)です。
   IMG_5803.jpg

手作り感が満載の中身ですが、ネガティブグラウンドの昨今一般的仕様だったため問題なくDCジャックの増設が可能と判断しました。
   IMG_5805.jpg
他の個体でDCジャックが増設された参考写真もお送りいただいて、その希望に沿ってDCジャック設置位置の割り出しを行っています。
   IMG_5804.jpg

穴あけと配線を行って完成です。
   IMG_5806.jpg

ただジャックを増設しただけでも動作はするでしょうが、アダプター極性を間違えた場合に回路を保護する素子や、電源ノイズを減少させるためのコンデンサなどを基板のハンダ面(写真では基板の裏側)に増設して安全を期しています。
   IMG_5807.jpg
エフェクターの故障原因で多いのが、間違ったアダプター(極性・電圧・直流&交流)をつないだことによる回路焼損なので、当店でそのようなリスクが発生するであろう改造の場合は出来る限り保護素子を入れて回路を守るようにしています。

一般的なセンターマイナスのDC9Vアダプターが使えるようになり、とても利便性が増しました。
ジャック脇には極性や電圧を表示するラベルを貼っていますが、写真を撮り忘れたまま納品してしまいました。



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MARSHALL BLUES BREAKER PEDALのモディファイ
今回はイギリスで製造されていた頃のMARSHALL BLUES BREAKER PEDALのモディファイです。
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この外観では他にThe Guv'norとShred Masterが知られていますね。
3種類の中では一番歪みが大人しいのが今回のBLUES BREAKERになります。

今回は各部品の交換をしつつトゥルーバイパス化を行う事になりました。
   IMG_5602.jpg
DCジャックは基板固定型なので、これもパネル取り付け型に変更しないとなりませんね。

裏蓋を外してみると、ジャック類と電源部部品をまとめた基板と、メイン基板の2枚構成になっていました。
   IMG_5603.jpg
ジャック基板はIN/OUTジャックのナットでケースに固定。
2枚の基板をつなぐケーブルはINPUT、OUTPUT、DC9V+、バイアス(4.5V+)、グラウンドの5本が割り当てられています。
   IMG_5605.jpg
メイン基板はポット3つのナットと、フットスイッチナットの4か所でケースに固定されています。
   IMG_5604.jpg

今回は
・全てのポットやスイッチ、ジャックを保守交換する
・トゥルーバイパス化
・各部品を基板直付けではない接続方法に変更したい

このような希望でしたので、基板をどう固定するかが問題になってきます。
   IMG_5609.jpg
作業完了後写真をいきなり出しますが、パッと見た目には殆ど変わらないですね。
LEDが赤からクリアタイプに変更され、黒いネジ頭が見受けられる程度の違いでしょうか。

ジャック部分は見た目が変わっているのが判りやすい部分です。
ヴィンテージスタイルのメタルナットを持つCLIFF製ジャックとパネル固定型DCジャックに交換しました。
   IMG_5612.jpg
中身はこのような変貌を遂げていまして…
メイン基板は4か所の固定金具でネジ止め式に変更しています。
   IMG_5611.jpg
もう一方から見ると元々は無かったミニスイッチが増設されていますね。
   IMG_5608.jpg
この時期の3機種ではよく知られた"GAINポットの2-3番端子をショートさせる事でローゲイン時のこもりを解消するMOD"を出来るように増設したスイッチです。
オーナー様はオリジナルのサウンドを気に入られていましたので、抵抗やコンデンサを交換して回路定数を変える事は基本的に避けて、オリジナルのサウンドを保ったままスイッチで切り換え出来るスタイルにしました。
   IMG_5606.jpg
スイッチ切り換えのためには裏蓋を取り外すためにネジ4本を緩める必要がありますが、頻繁に切り替える部分でもない(どちらかの好きなサウンドが出るモードにほぼ固定される)ので納品後に音を聞きながら切り替えて選んでいただく事になるでしょう。

配線も邪魔にならないように取り回しつつ、部品交換の際も今後も楽に基板へアクセス出来るような配線長さを確保しています。
   IMG_5607.jpg

納品後に感想をいただきましたので、一部転載させていただきます。
エフェクターを試してみたのですが、MODモード最高でした。
これはMODモード以外使えないです。
そして、もはや別物といえる芸術的なハンドワイヤリングの内部に圧倒されました。
日曜日にスタジオにいたのですが、サックスとトランペットのメンバーが添付された写真を見てビックリしてました。
熊本スゲーって言ってました(笑)
無茶な注文だったにも関わらず、素晴らしい技術とセンスで応えていただき本当にありがとうございました。
また是非お願いしたいです。
失礼致します。


こちらこそチャレンジングなご依頼をいただき、楽しく頭を悩ませながら取り掛かれましたし、このように喜んでいただけると頑張って良かったなと思えます。
やはりMODモードの方を気に入っていただけたようで、心の中でガッツポーズでした。
またお気軽にご相談いただけると幸いですね。



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