機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
MXR DISTORTIONⅡの修理・改造
今回はMXR DISTORTIONⅡの修理と改造です。

突然電源が入らなくなり、バイパス音も出ないようになったと修理依頼をいただきました。
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電源ケーブルは度重なる屈曲のためか被覆が破れて簡単に断線しそうな状態でヒヤヒヤ。
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動作確認をしてみると、AC100Vから降圧する電源トランスの二次側から出力されておらずトランス不良と判断。
念のため、トランス以降に本来かかっているであろうDC19Vをかけてみると問題なくエフェクトがかかりました。
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基板への配線は電源ラインだけで、他は全てコネクタにまとめられているので基板の取り外しは難しくないですね。
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このスペースに収まる同スペックのトランスがどうにも見つけられなかったので、オーナー様に「一般的なDC9Vで使えるように変更してはどうでしょう?」と提案させていただきOKが出ました。
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内部はDC15Vで動作している構造なので、基板上のトランスと電源ラインの電解コンデンサなどを撤去してから昇圧回路を組み込みます。

DCジャックはエフェクターでは定番の2.1mmのタイプをチョイス。
元々は電源ケーブルが通っていた穴にDCジャックを取り付けようとすると、ジャック本体がケースの裏蓋と干渉するのでジャック側のケースと当たる部分を削ったり、スペーサーで逃げを作ったりと色々やっています。
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トランスがあった部分のスペースに昇圧回路をインストールして、19Vを基板に供給するように調整しました。
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基板に供給された電圧は7815レギュレーターでDC15Vに安定化されます。
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DCジャックにはブリッジダイオードを組んでおきましたのでアダプターの極性も関係無しではありますが、交流を供給するとリップルが取りきれないコンデンサ容量なのと、出力電圧が上がる分レギュレーターの負担(=発熱)が増えるので、基本的にはBOSSなどのエフェクターに使えるDC9V電源で使用されれば安心です。
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ジャックやナットの緩みなどもチェックして完成となりました。
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AC100Vを使うエフェクターでも内部トランスで生成している電圧や電流量によってはこのように変更する事も可能です。
真空管を使っている場合や内部で両電源になっている場合はまた違う難しさがあるので要検討ですが…

「音は気に入っているけど、正直なところ毎度電源コンセントを使うのは面倒!」というペダルも活躍の場が出来るかもしれませんね。



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ROLAND GP-8のモディファイ
今回は以前に書いたROLAND GP-8の内部バッテリー交換という記事を読まれてのお問い合わせでした。

昔、必死にバイトして買った思い出の機材との事。
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中には埃の堆積も無く、とても大切に保管されていたんだろうなと思う素晴らしいコンディションでした。

今回は定番の内蔵バッテリー交換に加えて、モディファイも行います。
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この黄色い部品が内部メモリー保存用のバッテリーです。
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実際に電圧測定をしてみたらまだ使えそうな電圧は残っておりましたが、今後ご自身で交換できるように定番電池であるCR2032へ交換する事になりました。
メイン基板を一度外して裏側のハンダ面にアクセスする必要があるので、交換自体は意外に大変なのです。
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無事に交換作業が完了しました。
そして併せてモディファイとしてこのMIDI INジャックを交換します。
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いきなり交換後写真ですが、三連ユニットになっているジャックアッセンブリを取り外して一部切断し、5pin DINから7pin DINソケットへ交換します。
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MIDI信号は5pinのうち3ピンしか使っていないのですが、そこに2ピン追加する事で外部電源供給も行う事が出来ます。
ROCKTRON製品では外部ペダルなどに電源供給も出来る7pinのMIDI IN端子を用意していますが、ROLANDとROCKTRONでは互換性がありませんし、ROCKTRONのMIDIペダルを使用したいとの希望でしたのでこのような改造となりました。
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外部供給電源はAC9Vの200mA以上が必要な訳ですが、この狭い1Uサイズのラックケースに新たにその電源を生成する回路を納める事が一番大変でした。
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2回路ある小型トロイダルトランスを輸入して、片側でAC9Vの125mA出力します。
これを並列に使って最大250mA確保できるので動作可能と判断して、コンデンサなどの部品移動により電源基板部に搭載するためのスペースを確保しました。
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専用の7pin MIDIケーブルも作成しまして、信号の受け渡しと共にMIDIコントローラーの電源も供給できるようになりました。
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専用ケーブルのみで接続している状態で、ROCKTRONのMIDIペダルの電源が入っているのが確認出来ると思います。
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納品後も、別途電源アダプターを持ち歩く必要が無くなり楽になりました。とお喜びの感想をいただけました。

このように「どうにか出来る?」という問い合わせは燃えますね。
割高な作業になってはしまいましたが、無い物が欲しいという希望を叶えるため、精一杯頑張りますのでお気軽にお問い合わせ下さいませ。


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MORLEY Bad Horsie Wahの半止めモディファイ
今回は以前にも行った記事と基本的に同内容ではありますが、追加した作業もあったので改めて記事にしてみました。
前回の記事はMORLEY Bad Horsie Wah MODを参照下さい。

”Neo Dramatic Cyber Hard”をコンセプトに関東は勿論、関西方面へもツアーに出るVRAINというバンドのギタリストよりご依頼いただきました。
(現在活動休止中のようですが、必ずまた新たなVRAINとして戻ってきてくれると信じ、Studio GREAMも応援しております)


作業に当たり、新品未使用ペダルをお持込みいただきました。
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内部基板は変わっていませんが、コンデンサやトリマーなどの使用部品が時期によって少しずつ異なるようですね。
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半止めmod作業自体は前回記事と変わらないのですが、ワウのインプットゲインを調整するコントロールも取り付けたいとの事でしたので…

希望に沿って作業を行いました。
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エフェクトOFF時にも音痩せを軽減するような信号経路のコンデンサや抵抗の交換も行っております。

コントロールノブの位置は同社のVAI-IIを参考に位置を割り出しました。
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手前から、半止めモードのON/OFFスイッチ、半止めONを示すLED、ワウの音量、半止め位置調整になっています。
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インプットゲインは上げすぎると音割れするので、可変幅は大きくないのですが、エフェクトON時の音量を微調整できるので便利です。

これから新しい音作りやプレイで活躍してくれると良いなと思います。
ご依頼いただきありがとうございました。



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Jim Dunlop crybaby 535Qのノックダウン
Jim Dunlop社のcrybaby 535Qというワウがありますが、このペダルをケース変更ノックダウン作業という内容でご依頼をいただきました。
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現行535Qは9V動作となっておりますが、今回持ち込まれたペダルはそれよりも以前に販売されていた18V駆動の物でした。
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回路的には9Vでも動作するような作りなのですが、内蔵ブースターのゲインとヘッドルームを増すために取られた仕様だと思われます。

535Qの特徴でもあるワウレンジを選択できるロータリースイッチが目立ちますね。
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基板上にある2つの可変抵抗器は、左側がワウのQをコントロールするもので、右側はワウ回路後段に接続されているブースターのゲインをコントロールするものです。
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この基板などをアルミダイキャストケースに移植するためにケース選定してレイアウトを考えます。
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実際に部品を当てがって、測りながら穴あけ位置を割り出していきます。
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基板を固定するスタッドポストを、ネジロックを塗ってケースに取り付けたあとで、表に見えるネジ頭をパテで埋めて研磨してケース表面のデコボコも含めて平滑化します。
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これはまだ塗装のための下地研磨前の状態です。



途中写真がありませんが、ラベルデザインして塗装し、乾燥したら組み立てます。
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元々はブースターが常にONになっている回路ですが、このブースターだけ独立して使えるように基板パターンを変更して配線してあります。
右側のスイッチがブースターで、左がワウのON/OFFです。

色合いはFacebookの背景色みたいな青色という指定でした。
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内部は基板を2階建てにする事で収めています。
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電源は外部から供給のみのDC9Vで、真ん中のジャックにアダプターを接続します。
極性はセンタープラスでもマイナスでも対応するようにしてありますが、DC9Vだけは守って下さい、という感じですね。
一般的なエフェクター用アダプターであれば問題はありません。
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そしてワウ基板の下に、9V入力からDC18Vを最大1000mAまで取り出せる昇圧基板が隠れているのですが、この18V出力を取り出すジャックを2口設ける事で、ボード内の他のコンパクトエフェクター(アナログの歪みペダルやブースターなど)に電源供給が出来るようにしてあります。
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(袋に入ったままですが)昇圧基板はこんなに小型ですが、スイッチングノイズの問題も無くてとても高性能です。
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このように、「こんなの作れる?」と気軽にお問い合わせいただき、作り上げるのはチャレンジングですが楽しいですね。
ただ、現行の535Qだと基板サイズが大きくなってしまったので収めるためには基板をカットしたりしないとならないので大変そうです。



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Jim Dunlop 535Q Cry Baby Multi-Wahのトゥルーバイパス化
今回はJim Dunlopの誇る多機能ワウである535Q Cry Baby Multi-Wahのトゥルーバイパス化です。
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このワウは一般的なGCB-95と異なり、入力ジャックからまずバッファへ入ってから電子スイッチを通ってワウ回路かアウトプットジャックへと選択されている構造で、フットスイッチへは信号は送られておらず、全て基板上のアナログ電子スイッチでコントロールされていました。
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基板上に部品が敷き詰められ、両面にパターンが配された基板なので、シグナルフローを追いかけるのに結構大変でした。

スイッチが取り付けられた基板にはLED固定の役割もあったので、これは可能な限り再利用できるように検討しました。
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作業完了状態はこうなりました。
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9ピン機械式スイッチを使ったトゥルーバイパスになっています。
バイパス時には元々必ず通っていたバッファも通らないように変更しました。
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LEDが設置されていた基板は向きを90度変更して、LED保持用として再利用。

LEDは元々はワウON/OFFが緑、ブーストON/OFFが赤色でしたが…
今回はオーナーの意向もありまして…
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ワウONは紫、ブーストONは緑が点灯するように変更しました。
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某アイドル推しなオーナーなので、この仕様にニヤッとする人もいるはず!!

バッファによるサウンド変化があった点は否めませんが、今回のバイパス方式変更により希望のバイパスサウンドに近付いたとの事で一安心でした。

サウンドは好きだけどバイパス音がちょっと…という悩みを抱えていらっしゃって、同様の作業をご希望の場合はペダル持ち込みで8000円(税別)にて承ります。
お気軽にお問い合わせ下さい。


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