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機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
MOON JJ-4のアッセンブリ交換
今回はバーガンディミストメタリックがとても奇麗なMOON JJ-4のアッセンブリ交換です。
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お預かり時は全くのノーマルなパッシブジャズベースで、これはこれで良いバランスだったのですが、EMGピックアップとプリアンプを搭載したいという事で持ち込まれました。
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コントロールポットは500KAが使われており、合成抵抗によるハイ落ち対策を行った事が伺えます。
(FENDERの3ノブジャズベースでは250KAが3つの組み合わせ)
確かに高音域もはっきり出た硬質なサウンドでしたが、それをトーンで絞るのもなかなか美味しいサウンドです。
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元々のピックアップとEMGピックアップを比べてみると、EMGピックアップは高さがあって収まらなかったためピックアップキャビティを切削する事になりました。
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トリマーでザグリ加工を行うため、部品を一度すべて取り外します。
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ピックアップキャビティには高さ調整用のスポンジが入れられていましたが、既に潰れて弾力性が無くなっていたので、組み込み時には新しいものへ交換します。
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プリアンプとEMGピックアップとどちらも電源を必要とするので、ボディバックにもテンプレートを貼ってバッテリーボックスのザグリを入れていきます。
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ザグリ加工が終わったらキャビティ内に導電塗料を塗っておきます。
元々は導電塗料が塗られていないように見えますが、実は先に塗ってから塗装されておりましたのでコントロールキャビティ内もシールドされているのです。
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導電塗料が乾いたら組み込みを行いましていきなり完成状態はこちらです。
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5ホールプレートを用いて、2ヴォリューム、2BAND-EQ、アウトプットジャックという狭小スペースに収めるスリリングなワイヤリングです。
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プリアンプにはトレブルとベースをそれぞれブースト/カットコントロールが出来るアギュラーのOBP-2をチョイスしました。
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コネクタ式とハンダ付けが同居すると結局ハンダ付けのみの方が楽だなと思う事がありますが…
今回も上手く同居させつつ配線できたと思います。
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ピックアップにはEMGのJA-Xセットをチョイス。
ヘッドルームが広くパッシブに近いサウンドレスポンスが特徴で、いわゆるアクティブ臭さが少ないピックアップだと思います。
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実はフロントピックガードもEMGピックアップに対してキツキツで収まりが悪かったため、ピックガード側もキャビティに合わせて切削加工を行っています。

GOTOHのバッテリーボックスはこの位置に設置しています。
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GOTOHのこの手のバッテリーボックスは配線根元で断線が起き易い構造なので、Studio GREAMでは断線しにくいように補強を行った上で組み込んでいます。

完成後は元々のサウンドとは大きく異なるキャラクターとなりましたが、プリアンプのイコライジングで様々なサウンドが超ローノイズでコントロールできるようになり、演奏場面を選ばずに使えそうなベースに仕上がりました。



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Gibson EB4 Bass 2017の全体調整とピックガード作成
今回はGibson EB4 Bass 2017の全体調整とピックガード作成作業です。

GIBSONのEBシリーズというと、マホガニーネック&ボディ、ショートスケールってイメージでしたが…
2017年にリリースされたこのEB4はスワンプアッシュボディにメイプルネックにレギュラースケールという別コンセプト。
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24フレットまで手が入るような深いカットの入った左右非対称のボディ形状は、ストラップを使ってもヘッド落ちしにくい良好なバランスです。
角度付きヘッドなのは過去のEBシリーズを踏襲しているとは言えますが、全体的に見た目は全く別の楽器のようですが、むしろ使い易く進化した印象です。
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ナットの外形が角張っているところや、指板サイドの面取りなど「もう少しこうだったらな…」と思う部分もあるので、今回の全体調整では修正していきます。
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ブリッジにはBABICZが搭載され、弦高やオクターブなどしっかりと調整でき、ピッチに関わる部分はとてもかっちりしていて好印象です。
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コントロールは2ヴォリュームとマスタートーンで、FENDERジャズベースと同じ仕様です。
オリジナルの2ハムバッカーはそれぞれのヴォリュームノブを引っ張る事でタップされてシングルコイルになるように配線されていました。
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ハンダ付けは…まぁGIBSONだとこんな感じよね、と思う内容ですが…
オーナー様はそのノイズが気になるとの事で今回は導電塗料の塗布によるシールディングも行わせていただきます。
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ひとまず部品を全て外して、導電塗料を塗る準備をする前に…
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オリジナルピックガードを取り付けたいとの希望もございましたので、型紙を作ってイメージされているデザインを共有していきます。
エッジの尖り具合やカーブの深さなどですね。
パソコンの画面で行えると良いのかもしれませんが、その辺り疎いので超アナログな作業。
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線を引いてはカットし、切りすぎたらまた紙を貼って切り直して…
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デザインが決まったら、型紙を元にMDF板を用いてテンプレートを作成します。
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この精度が仕上がりに影響するので、楽器に当てがっては細かい部分の修正を行って…しっかりと作ります。

型板が完成したらピックガードを作成するのと同時進行で、ボディ側には導電塗料を塗ったり、アース配線をしたりと作業を進めます。
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電装パーツでジャックは交換しましたが、ポットはハンダを除去して測定後に問題無しだったので再利用です。
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グラウンドラインや各配線を丁寧にひいていきます。

ピックガードは黒白黒の3プライで作成しました。
コントロールノブはGIBSON純正のスピードノブをお持込みいただいて交換取り付け。
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金属パーツとのマッチングや、全体的にエッジの立ったデザインはよく出来たのではないかと思います。

そして今回のピックガード作成のハイライトはこれ。
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2mm厚のクリアアクリル板から削り出して、塩ビのピックガード上から追加できるサブピックガードです。
スラップのプル時に弦の下に指が入り込み過ぎないようにするためですが、用途に合わせて取り外しが出来るように作ってみました。
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エッジの面取りは重ねてもラインがつながるように配慮してあります。

元々は黒の1プライだったバックパネルは茶べっ甲で作成してほしいとのご希望でしたので、純正パネルをテンプレートに切り出して作成しました。
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納品後にお喜びの感想をいただきました。
持ち帰って少し弾いてみましたが、第一印象は『音が太くなった!』というものでした。
太くなったというか、くっきりはっきりしたというか、
とにかく全体的にパワーアップしたような感じがします。

気になっていたノイズも抑えられていますし、中も外も大満足です。
こちらがメインのベースなので、これからもたくさん練習して上達できるよう励みます。
本当にありがとうございました。




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G&L SB-2の全体調整&ノイズ処理
今回は親戚から譲り受けたというG&L SB-2の全体調整&ノイズ処理作業です。
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PタイプとJタイプのピックアップ構成で、2ヴォリュームコントロール。
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ノイズが多くて何とかしたい、との事で持ち込まれましたが…
導電塗料関連の作業は一切されていません。
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ピックガード穴あけ無しで、マスタートーンを追加したジャズベースと同様の3ノブコントロールにしたいとの希望でしたのでスタックポットを使用する事にします。
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部品は一旦すべて取り外して、キャビティ内に導電塗料を塗り込んでグラウンドワイヤを接続します。
いつも行っている内容ですね。
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ピックガード裏にはアルミシールドテープを貼り込んでノイズ処理。
スタックポットは各ピックアップのヴォリュームにして、マスタートーンを追加しました。
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スタックノブは上段がPタイプ、下段がJタイプPU用のヴォリュームです。
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この写真は作業後ですが、ナットの外形が高くて、弦がガッツリ埋まっている状態でしたので溝調整と共に外形も整えました。
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指板やフレットのエッジはこのようにちょっと角ばっていましたので…
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全て手作業で面取りして、柔らかいグリップに整えてあります。
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その他にネックポケットの面出しやネジ穴面取りなど、細かい事をひとつずつ確実に行って組み上げています。
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元々は艶も無かったボディや金属パーツでしたが、全体的に磨き上げて見違える状態になり、気になっていたノイズも殆ど感じないぐらいに減少したのでお喜びいただけました。
これからガンガン弾いてもらえると良いですね。



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MUSICMAN STINGRAYの全体調整&プリアンプ交換
今回は凄まじいルックスのMUSICMAN STINGRAYの全体調整&プリアンプ交換です。
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お預かり時にコントロールプレートはネジ止めされていたのですが、見積り作業を行う時に開けてしまったのでマスキングテープで仮止めした状態になっています。

ヘッドにはタバコを挟んでワザと焦がしたような跡がありました。
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ネックポケットの形状がガタガタになっていて、ブリッジサドルを一番下げてもこレぐらい高い弦高でした。
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ブリッジもサビやくすみが目立つため、全てバラして磨いて組み直します。
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ボディは元々は茶色がかった赤系シースルーカラーだったと思われますが、オーナーご自身でホワイト塗装と傷付け&焼き加工とを施して凄まじい唯一無二のルックスになっています。
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バッテリーボックスの蓋を留めているネジは、打たれていたアンカーは抜ける状態だし、ネジは合わない物を無理やり入れてあって補修に難儀しそうです。
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ボディに塗装をした際にネックポケットをマスキングせずに塗装されており、ネックは簡易的に接着されたような状態でした。
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平面も出ていないので、この部分の余分な塗装をしっかりと落として、平面を出し直します。

コントロールは1ボリュームと2BAND EQというオールドスタイルですが、現行のモデルは3BAND EQとサイドジャックというレイアウトになっていますね。
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今回はプリアンプも含めて電装系は全て交換するため、部品を取り外していきます。

ネックポケットの平面出しや、コントロールキャビティの拡張ザグリ、ピックアップキャビティ内の塗料除去を行いました。
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キャビティ内には深さ方向も調整しつつ、部分的に段付き加工も行っています。
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キャビティ内には導電塗料を塗って、アッセンブリを組み合わせました。
ピックアップはVillexのMMタイプを搭載しましたが、特有のパッシブミッドカットコントロールは今回は搭載を見送りました。
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ESPのcinnamonプリアンプを搭載したいとの事で、このケースを納めるためにはキャビティ内をザグるしかなかったのです。
コントロールはヴォリュームと2BAND EQは同じなのですが、ジャックの近く(内側)に設置したミッドコントロールポット、ベースポットの背中に設置されたプリアンプのゲインコントロールを用いて、キャラクターのプリセットを詰める事が可能です。
ミッドをいじれるようにしたい場合はサイドジャック化する事も出来ますし、電池ボックス部にトリマーで移植する事も出来るので、ひとまずこの仕様で使ってもらって今後変更するか考えましょうという事になりました。

ブリッジにはサビが激しかったので、全てバラしてネジ類は浸透潤滑剤に浸けたり、ブルーマジックで磨いたり…
いつもの作業を行って組み上げました。
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ミュートの板バネは使っていないのでしっかりと締め込んでありますが、外してしまっても良さそうな…
サドルを一番下まで下げても高かった弦高でしたが、ネックポケットの加工を行った事で適正なサドル高さを確保出来るようになりました。
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ダンロップのロックピンを取り付けたい、と持ち込みいただきましたがネジはありませんでした。
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一般的なネジだと頭が大きすぎて入らないので、グラインダーでネジ頭の外形を削ってピンに収まるように加工して使用します。

ボディ側のネジ山もグズグズになっていたので一度大きく穴を開けて、ハードロックメイプルのプラグを埋め込んでからストラップピンを取り付けしました。
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2か所とも同様の作業をしておりますが、取り付けた状態では埋め木が見えないように配慮して作業しています。

フレットや指板のエッジもいつものように面取りを行い、フレットもシリコンコーティングでピカピカになっています。
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ワックスがけしても殆ど艶は出ませんが(笑)
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全体的に綺麗になっていますし、演奏性も良くなったので、これからガンガンと使っていただけると嬉しいですね。




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FENDER JAPAN PB62-90の全体調整&ノイズ処理
今回はFENDER JAPAN PB62-90の全体調整&ノイズ処理です。

このベースは1990年製と思いますが、私が高校生の時に既に母校の吹奏楽部の備品として有りました。
もう23年ほど前の話(1994年頃)ですが、それから今までにおそらく1度メンテナンスに出されただけだと思われる状態。
今回そんなベースのメンテナンス依頼をいただき、震えながらも懐かしい思いで取り掛かりました。
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数多くのベース担当者の使用によって堆積した汚れは層となり、塗装は艶が無くなっておりました。
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ネックは激しく順反りで弦高は驚くほど高い状態。
しかしコントラバスから持ち換えると、これでも違和感少なく演奏出来てしまうのかも…

弦はサビが出ていましたが、巻き方もダンゴになっていましたのでこの際に交換させていただく事になりました。
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ブラスバンドのポップスナンバーで使う用途が殆どのため、1年間で見るとそんなに酷使はされないのです。
使用ポジションも1~7フレットぐらいで済んでしまうのか、ハイポジションのフレットは減りもほぼ無く、頑固なサビが浮いていました。
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対してローポジションのフレットは激しく凹むほどに摩耗しており、フレット擦り合わせを推奨したい状態でした。
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堆積した手垢が歴史を物語りますね。

「ピックガードを押すとノイズが出る」という話から始まりましたが、確認してみるとグラウンドの導通不良とジャックのガリが主な原因だったと思われます。
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よく見るとポットデイトは98年とあったので、過去に98~99年頃?に一度アッセンブリの交換がされているようです。

ハンダ付けがイマイチな感じでしたので、ポットはクリーニングした上で配線材も交換しつつ全てやり直しています。
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写真を撮り忘れているのですが…純正のプラスチックナットは経年劣化か、お預かりして弦を外した瞬間に欠けてしまいました。
(取り外したら結局4分割されるような粉々状態でした)

そのためオイル漬けの無漂白牛骨で削り出してナットの作成交換を行いました。
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ナットを交換するという事は、この際にフレット擦り合わせも済ませた方が二度手間にならないで済むと判断し、フレット擦り合わせも行いました。
指板上に堆積した手垢は歴史かもしれませんが、今回は綺麗に落としてオイルを塗ってあります。
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フレット磨き上げはシリコンコーティングで仕上げているので、あまり弾かれないハイポジションにもくすみが出にくくなっているかと。

ボディに堆積した汚れはコンパウンドとスポンジバフを使って一皮剥くように落としてから、つや出しワックスを丁寧にかけて磨きましたので、ピカピカになりました。
最終的なワックス磨き上げは経理のGさんが黙々と手伝ってくれました。
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楽器のメンテナンスは華やかな部分は殆どなくて、大半はチマチマと磨き作業が多いのですが、結果がちゃんと伴うので手が抜けません。
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その他、ノブを回した時のカサカサ音が出ないようにノイズキラーワッシャーを入れたり、サビまくっていたピックガード止めネジをステンレス製に交換したり、トラスロッドが調整し易いように六角穴ナットに変更したりと今後のトラブル減少とメンテナンスがし易いように対策を行っています。
これから向こう10年、20年と長く活躍してくれると良いなと思いますし、本番前の微調整など含めて状態を見ていければなと思います。

当初の予想よりもコストがかかってしまったとは思いますが、やれる事はこの際全てやった自負がありますので、あとはしっかり弾き倒してもらえると嬉しいですね。


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