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機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
Studio GREAM Artisan(Drive Pedal)をリリースします!
今回は久しぶりにリリースしました新しいドライブペダル Artisanです。
JCM900~JCM2000系のサウンドを目指して開発しましたが、サウンドコントロールの幅を広げたり、私の好きなLAスタジオミュージシャンらが出してそうなサウンドテイストが加味されたモデルになっています。
開発時に音決めしていくとどうしても製作者の好みがいつの間にか入ってしまいますね。

そんな開発中の話を常連のお客様にしたところ、音も値段も聞いていないのに「1台発注するから作っておいて」とありがたいファーストオーダーをいただきました。
これはやたらな物を作れないぞといつも以上に引き締まりました。
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ケース加工と塗装を行いますが、塗装は「TUBACCAのような雰囲気に紫を加えてほしい」という希望でしたのでこのような色味になりました。
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ウレタンクリアを吹くので仕上がり時はもっと色合いはハッキリしてきます。
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ノブはマーシャルスタイルにして完成しました。
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Artisanは職人という意味なのですが、本体のノブでも多彩なサウンドメイクが出来ますし、試された時は是非手元のギターボリュームによるシームレスなサウンド変化を体感していただきたいです。
クリーンからディストーションまで滑らかにボリュームコントロールだけで変化します。
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今までStudio GREAMのペダル内部基板は生基板をエッチングして穴あけして…と手作業で作成していたのですが、今回からはKicadを使って基板をデザインして業者へ発注しました。
ソルダーレジストや穴サイズなども含めてより精度が安定した基板になりますので、今後は基板エッチングは1台しか作らないような限られた場面でしか行わなくなりそうです。

そして通常カラーとして作成しようと考えていたのは実はこの色なのです。
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LEDはフットスイッチリングが光るようにしましたが、初期ロット限定になっちゃうかもしれません…
見た目は良いと思いますが、なかなかに作りにくかったのです。

色合いとしてはメタリックシルバー下地に黒の墨流しを基本として、遠目から薄ーくゴールドも吹いています。
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見る角度で色合いが変わるので、是非実物を見ていただきたいと思います。

裏面はちょっとハンマートーン風にしてみましたが、こういう丸の集合が気持ち悪いという人もいます(バーズアイメイプルの杢目とか)ので、次からはケース上面と同じ仕上げにしようかなと思っています。
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そんなこんなでもう一回り大きな裏蓋がありますね…
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こちらも開発中の試作段階で試していただいたところ、「音はこれで良いから2台が1つのケースに入っていると出かける時にこれ1台で済むと思う」と言われて完全に2台をパッケージした仕様を作りました。
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Artisan2とベタなネーミングですが、作成は非常に大変でした。
基板を2階建てにしたり、スイッチによる切り替えのため多数の配線本数…
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内部には依頼主様のお名前を記入した完全ワンオフモデルとなっていますが、ご依頼があればお時間をいただいて都度作成します。

最近自らのチャンネルを立ち上げ、機材レビュー動画を挙げているおけいはんさんにこのArtisanをご紹介いただきました。
   
手元ボリューム操作のサウンド変化はありませんが、本体のコントロールだけでもキャラクターが大きく変わる事はとても伝わるかと思います。
見られましたら、是非チャンネル登録と高評価をしていただけると私も嬉しいです。



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Studio GREAM A/B BOX&MULTI SWITCH
今回はStudio GREAM Originalのペダル作成です。

入力をAorBに分けるA/B BOXと、strymon MULTI SWITCHと同機能を持たせたラッチ式スイッチを内蔵した物を作ってほしい、という依頼でした。
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ケースサイズやジャック位置などの希望図をいただいて、実現可能かどうかの推敲を行いました。

諸々考えた結果、ケースの穴開け、塗装、ラベル貼りを行って乾燥待ち。
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フットスイッチの穴は17mmで開けなきゃならなかったところを12mmで開けてしまっていて、この後で正しく再開口しました。
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MULTI SWITCHの内部構造はこのようになっているようです。
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抵抗値をどうやって得ようかと悩みましたが、誤差1%の金属皮膜抵抗の束から選別して任意の抵抗値が得られる物をチョイスしています。
複数台作るなら多回転の半固定抵抗を使うと思いますが、ワンオフなので固定抵抗を選別する事にしました。
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電源はA/BのLEDを点灯させるためだけなので電源が無くても基本的な動作は可能ですが、電池も使用出来るようにしてみました。

色合いは黒の艶消しという指定でしたので、ウレタンクリアを吹いて乾燥後に磨く番手を途中で止めて仕上げました。
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手前のフットスイッチにはStudio GREAM Originalのスイッチカバー(製造は今話題のHATAです)オレンジも取り付けています。
各ジャックはグラウンドループを避けるために絶縁ジャックを使用。
ギター入力ジャックのみがケースグラウンドに接続されるように配慮しています。
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フットスイッチ周囲に配されたリングが光る事でOUT_Aで青色、OUT_Bで赤色に点灯するように作成。
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どうしても青LEDの方が輝度が高いので、製作時に抵抗値をトライアンドエラーで割り出していますが、上手くいったと思います。
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このように市場に無い物を作るという事が出来ますので、お気軽にお問い合わせ下さいませ。



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BEAR BASE DRIVEの販売を開始します!
いつもお世話になっているPASさんと話をしていて、「Studio GREAMとPASのコラボペダルを作りましょう!」なんて話が出てから約1年後にやっと形になったので、販売出来るようになりました。

販売形態は自作キットですので、ご自身ではんだごてを手に是非作ってみていただきたいのですが、ハンダ付けに自信がない方は、Studio GREAMで丁寧に組み立てた完成品を納品する事も可能です。

名前はBEAR BASE DRIVEと言います。
(©2012 熊本県くまモン #6601)
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熊本に居を構えるStudio GREAMとPASですから、熊本にちなんだペダルにしたかったので…

そうなると今をときめく「くまモン」でしょう!
熊本をBEAR BOOKと訳すとちょっと変だったので、基本的なベースになるサウンドという意味も含めてBASEという単語を使用しました。

回路構成としては、BOSSのSD-1風オーバードライブのフィルター定数を調整して抜けの良い回路に生まれ変わらせました。
メインドライブとしても、ブースターとしても使用できるような幅広さを持っています。
9Vの電源入力ですが、内部で昇圧させて使用する事により、ローノイズとクリアなサウンドを狙っています。


ケースは白色塗装を行った上からくまモンのグラフィックをインクジェット印刷し、クリアコーティングをかけているので、かなり丈夫です。
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製作に必要な部品は全てパッケージングしていますし、回路図や実態配線図、パーツリストなども全て用意されています。
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キットをお買い上げの方には以下のサービスがあります。
○完成まで丁寧にメールでサポートいたします。
○「完成まで作ったけど動かない」という方は、PASに送って頂ければ修理してお送り致します。
技術料は無料ですが、往復の送料と実費(例えば製作中に壊れてしまった部品代等)はご負担ください。

この完成品に至るまでに、当然ですが試作品を作ったりもしており、これは音も出ますのでStudio GREAMで試奏可能です。
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ケースデザインや色合いが販売用と若干異なりますが、そこは試作品という事でご了承ください。

余談ですが、プロトタイプを含めて多数のギタリスト(トッププロからアマチュアまで様々です)の方に試していただきインプレッションを反映して回路を煮詰めました。

キットの販売価格は10500円(税込・送料無料)です。
Studio GREAMでの完成品販売は21000円(税込・送料無料)とさせていただきます。

キットを販売直後にお求めいただき、動画撮影をしていただきましたので、紹介させていただきます。




ALICEのツアーでギターを担当されている林さんに、このペダルのサンプル動画を撮っていただけました。

粘りのあるトーン、プロのピッキングテクニックにただただ感動してしまいました。
(Studio GREAMで組み上げた完成品を試していただいています)


ご注文・ご質問はPASまたはStudio GREAMまでお気軽にお問い合わせください。



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Studio GREAM Original ACOUSTIC PREAMP(ニシカズVer.)
今回は熊本のみならず、日本全国を駆け巡るアコースティックギターとベースのユニット「ニシカズ」のギタリスト、西嶋”なゆた”隆信様より、アコースティックギター用プリアンプの作成依頼をいただきました。

依頼をいただいたは良いが、希望をリストアップしても対策回路が閃かず、暫くお待たせしてしまう結果に…

しかし、ある日ふとアイデアを閃きまして…急いで回路図を書いてブレッドボードで動作チェック!
無事に動く事を確認したのちに基板レイアウトを作り、プリント基板まで作成しました。
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そしてケース穴あけと仮組みをしてサウンドチェック。
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オーダーメイドの場合が殆どなので、穴あけなどの寸法は毎度現物合わせで作っています。

入力ゲイン、2BANDイコライザ、出力ヴォリューム、位相反転スイッチという最小限の構成です。
イコライザはBAX型で組んでいまして、Trebleは13.5KHz、Lowは86Hzを変化開始周波数として設定しています。

ケースサイズを大きくすれば、バランスアウトやセンド/リターンジャックも搭載可能でしょう。


内部はこんな感じ。
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今回は掛けっぱなしなのでON/OFFスイッチや電池も入れていませんが、量産も考えてフットスイッチや電池が入るスペースも用意した穴あけレイアウトを組んでいます。

激しいステージングでインプットジャックからケーブルが抜けてしまった際にもバツッ!というノイズが出ないように、スイッチジャックを採用しています。

そして外装デザインですが、ニシカズのライブではとにかく派手に光るステージングが特徴のひとつなので、それに負けないような雰囲気で作りたかったのです。


そこで、書画家の田中太山先生が描かれたニシカズの絵を元に、ケースへ掘り込む事にしました。
   ニシカズ反転
このデータは左右とネガポジを反転した状態です。

イラストレーターでサイズ調整やStudio GREAMロゴを入れてアルミのケースへ熱転写。
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薬品をかけたくない(掘り込みたくない)部分にはマスキングテープや青の油性マジックで保護をします。

エッチングという方法でケースを掘り込みますが、原液での処理はアルミに対しては反応が早すぎるので、水で薄めて使用しています。
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エッチング処理後にLED用の穴をケースの隅に開けました。

ケース側面にも大きくニシカズのロゴを入れてみました。
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結構深く掘りましたので、多少の傷では削れません。

そしてLEDを四隅に4色搭載!
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常にONなのでLEDのインジケーターは要らないのですが、完全に見た目のために搭載です(笑)
ノブはこの時は手配中だったため取り付けていませんが、完成形は是非ニシカズのライブで!!







L.R.BaggsのiBEAM PASSIVEって出力インピーダンスがとても高いのですね。
上の動画で使用されているフォルヒのギターにiBEAM PASSIVEピックアップが搭載されているのですが、当初試作で作った際は1MΩの受けで、思ったほど音量が上がらず首をかしげました。
実はピックアップの出力インピーダンスが10MΩもあるそうで…
些細な振動も残さず拾うためでしょうか。
しかしそれを受ける入力側にもその超ハイインピーダンスに対応した物が必要になります。
そこでこのプリアンプの入力インピーダンスを10MΩに変更したところ、実用的な音量になりました。
普段はこんなに高い入力インピーダンスで作る事は殆ど無いのですが、良い経験になりましたし、そのような変更がすぐに行えるのも製作者だからこそですね。

サウンドもナチュラルで、L.R.BaggsのPARA Acoustic D.I.のような低音域が膨れるような感じも無いし、なかなか良いと思います。
増幅をもう一段追加して音量の余裕を持たせても良い気はしましたが…今度はハウリングやヒスノイズとの戦いになりますので難しいところですね。


今回はフットスイッチ無しですが、オリジナル外装デザインのため24000円でした。

フットスイッチや機能の追加など、様々なご要望にお応え致しますので、アコースティックギター用のプリアンプを探されている方は是非ご相談下さいませ。



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Studio GREAM Original Signal Spliter&Junction Box
今回はエフェクトボード内での操作性やケーブル取り回しを改善するアイテムの紹介です。

依頼者の希望としては、「MARSHALL 1987Xをメインで鳴らしつつ、ソロの時はファズを通したJC-120も追加で鳴らしたい」
そのためにシグナルスプリッターが欲しい。との事でした。
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シグナルスプリットのみだったらスイッチ1つで済むので、内部スペースにも余裕があります。

更にチューナーアウト(アウトプットミュート)も付けて2スイッチにしてはどうか?という話でまとまりましたので、早速穴あけを行いました。
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ジャックは、ギターインプット、チューナーアウト、アウトA、アウトBです。

ケースの外観はどうしたものかと悩んだ末に、アルミケースそのものにエッチングを施す事にしました。
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マスキングテープをグルグル巻きにしつつ、部分的にカットしたりしてエッチング。
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アルミ剥き出し部分は腐食して掘り込まれ、マスキング部分はそのまま残ったエンボス仕上げになりました。
実物は掘り込んだ所がもう少し黒い色でコントラストが奇麗です。

ケース加工が終わったら組み込んでいきます。
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DCジャックはケースの左右に設置しました。
どちらのジャックからも電源供給できますし、プラグを差し込んだら電池は切り離されます。
しかしLED点灯のためだけの電源なので、電源なしでも使用は可能です。

同じような写真が続きますね…
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実はスイッチの配線を(裏から見ているので)逆にしてしまい、修正した後なのです。

表にはDAIMOテープを貼ってみました。
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チューナーアウト時にはどちらのアウトプットもミュートされますが、それ以外はアウトBは信号が出っぱなしですので、1987Xへ送ります。
アウトAは右側のフットスイッチでON/OFF可能なので、この後にファズをつないでJC-120へ入力すればOKですね。
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ケーブルはボード内の配置によりストレートプラグのショートタイプが使い易い場面もありそうですが…
とても奇麗に配線される方なので、そこは依頼者のボード組み込みのセンスに期待しましょう。

この写真は陰影が解り易いですね。
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シルバーアクセサリーのように、触れない部分は黒ずんだような仕上げになっています。

そして、上記のスプリッターの後に、ファズだったり、ディレイだったりをつなぐと、ボード内でアンプへ向かうアウトプットがバラバラの位置になってしまいますので、ジャンクションボックスも作ることになりました。

これはエッチング前の状態ですね。
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マスキングテープグルグル巻きです。
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当初はアウトプット2つをまとめられれば良いとの事でしたが、今後の拡張性も考えて5in/5outにしてみました。
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今回のようにアウトプット2つの場合は残り3つは空けておけば良いですが、例えばボードへのインプット、アンプのSEND/RETURNなども使うようになるとこれぐらいあっても困らないなと思いました。
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内部は絶縁ジャックを使用していますので、グラウンドループの心配もありません。
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TRSフォンの配線をしているので、例えばSEND/RETURNをステレオケーブルを使って1本のケーブルでまかなう事も可能です。
単純にケーブルの中継ボックスではありますが、使い方次第で様々な用途が考えられるように作成してみました。

そして納品後に組み込まれたボード写真!
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Studio GREAMで手を入れた製品がいっぱい!
本当、お世話になっております。



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