機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
FENDER JAPAN JB75-75Mの調整
先日のACETONEアンプのオーナーより、FENDER JAPANのJAZZ BASSであるJB75-75Mの全体調整の依頼をいただきました。

知人から譲ってもらったものだそうで、それから調整などされずに保管してあったとの事。
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ピックガードが取り外されていますが、譲り受けた時点では無かったそうです。

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目の詰まったアッシュボディに3点止めでメイプルネックがジョイントされています。

丈夫なポリウレタン塗装でも打痕や塗装剥がれが部分的に発生していますし、クリアコートも焼けて黄色くなり風格がある色合いになっています。
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ブリッジなどの金属パーツは埃が溜まって、ネジは固着していました。
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ピックアップは断線していませんでしたが、カバーは汚れていますね。
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次にコントロール部分。
プレートを介してグラウンド結線を行うのですが、ナットの緩みや表面の酸化など様々な要因が重なりグラウンド接続が不安定な状態になっていました。
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音は出るけどノイズが盛大に飛び出します!

ペグも動きが渋くなっていたので、取り外して可動部分にグリスアップを行いました。
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併せてヘッド表側のブッシュには浮きが見られたので圧入し直しておきました。


これらの全体のコンディションを把握する上で、まずはバラしつつ徹底的にクリーニングしてワックスまでかけます。
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手磨きのみですがツヤツヤになりました。

先にこうして磨いてワックスをかけておく事で、その後の作業で出た削り粉なども簡単に吹き飛ばせるので作業効率のアップにつながります。

そしてマスキングを行って導電塗料を塗り塗り…
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写真撮影のために経理のGさんに塗っているポーズをお願いしました。
(実際に塗っているのは私のみですけども)
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導電塗料を塗ったら自然乾燥だけでは無く、ヒートガンで強制乾燥させる事で皮膜が強固になるらしいです。
確かに二度塗りする場合でも定着性が違いますね。
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導電塗料は引火性があり、揮発蒸気は健康被害を及ぼす有毒ガスに分類されるので、作業の際は必ず換気をしつつ塗布します。

純正ピックアップのカバーを外してノイズ処理を行います。
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コイルに絶縁テープを巻いて、その上から銅箔テープを巻き、グラウンドに接続します。
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ポールピースにはこの後で導電塗料を塗ってグラウンドに接続します。
ポールピースを指で触った時のブーッ!というノイズが無くなるので、ベーシストにはオススメの改造ですね。

汚れで曇ったブリッジもバラしてクリーニングしていきます。
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まずは錆び落としの下準備でCRC5-56に浸します。
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翌日に引き上げて、ブラシで磨きます。
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ブリッジプレートはクロームポリッシュで先に磨いておきました。
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組み立ててみたらサドルの高さを調整するイモネジは錆びが酷くて使えなかったので、新品に交換しました。

ピックアップの下には、一般的にはスポンジを入れてあるのですが、古くなると固まってしまい高さの調整が出来ません。
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このようなハイトアジャスターを仕込みます。

スポンジの中にスプリングが入った構造で、ベースプレートをグラウンドに接続する事でノイズ低減効果も得られる優れモノ。
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ピックアップキャビティ深さとほぼ同じ高さですが、柔らかいスポンジなので問題無くピックアップは収まります。

コントロール部ではジャックは交換しましたが、ポットはクリーニングして再利用。
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グラウンドはOFCの太い単線でガッチリ接続します。

弦を張って調整し、組みあがった状態です。
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ピックガードが付くと、見た目が変わりますね。

ピックガードは既製品の取り寄せでしたが、大抵はネジ穴位置とかネックポケットサイズとか全てバッチリとは合わないんです。
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今回もピックガードを僅かに削ったり、ボディのネジ穴を埋めて修正したりと細かい事を行って搭載しています。


シリアルからMade in JapanのE+6桁なので1984-1987年製のベースですね。
ネックのコンディションも良く、これからガンガン使っていけるベースになりました。


ベース全体調整 13000円
JB 3PLY WHITE PICKGUARD(取り付け加工込み) 3150円
PICKGUARD SCREWS(NI) 546円
SWITCHCRAFT MONOジャック 420円
D'Addario EXL165 2100円
MONTREUX HAJ-J 2個 @420 840円
サドル用イモネジ 340円

合計20396円でした。



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ACE TONE SA-15の修理
今回はACE TONESA-15というギターアンプの修理です。
このアンプは私の父親の友人の所有物で、倉庫を探したら出てきたそうです。
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12インチスピーカー1発のコンボアンプです。
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ボリュームと2バンドイコライザに加え、なんとトレモロとリバーブも付いています。

開けてみたらこんな状態でシールドもされずに回路は剥き出しの作りでした。
ハイゲインアンプではないから回路がシールドされていなくてもそんなに問題にはならないですけども、ノイズは若干多めです。

回路全景 DSC04970.jpg

基板アップ DSC04971.jpg

これは経年劣化か、電源を入れるだけで「ザリザリ!!バリバリ!」と壮大にノイズを発生する状態でしたので、コンデンサを一通り交換したり、配線が断線気味だた部分は交換しました。

写真上部のパワートランジスタ付近には茶色っぽい酸化金属皮膜抵抗が使われている部分がありますが、これが焼けていたので、ワッテージの高い物に交換して熱雑音の低下を狙っています。
それでも問題のノイズは消えず…



   相当悩みました。


交換した部品はコンデンサ全てに留まらず、ヒューズ、抵抗(約半数)、トランジスタ、配線、ダイオード…
   DSC05020.jpg
殆どを交換した結果がこの写真です。
   DSC05015.jpg

主要な原因はオレンジ色のスピーカーケーブルの下ぐらいにある抵抗と一部のトランジスタが不良だったという…
何とも見た目には解らないために見落としがちのミス。


電源のコンデンサは同じ規格の高級オーディオ用に交換しましたが、
技術の進歩とは凄いものでサイズはかなり小さくなっています。
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勿論、灰色の大きいコンデンサが取り外した物です。

トランスは剥き出しよりもこうやって銅箔テープで巻いてグラウンドに落としてあげると電源ノイズが減少します。
   DSC04979.jpg

入力ジャック部分では音量が大幅に落ちてしまう回路だったので、現代の機材に合うように入力抵抗値やインピーダンスの変更を行いつつ、スイッチクラフトジャックに交換しました。
   DSC04978.jpg

交換部品といえば、電源ケーブルも交換しましたね。
元々のケーブルは被覆が破れていたり、あまりに細かったりで心配でしたので、真空管アンプにも使える電源ケーブルに交換してあります。
   DSC05022.jpg
元のケーブル太さと比べると段違いに太いです。
しかし備えあれば憂いなしって事で、かなりのオーバースペックですけども不具合が出るよりは良いでしょう。

そんなこんなで、殆どの部品を交換して以前よりもハイファイになったSA-15として納品しました。





上記のような修理を行った後は問題なく使用していたそうですが、2年ほど経ったある日、突然音が出なくなったとの事で再びStudio GREAMに入院となりました。

原因はスピーカーの断線。
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断線した原因は不明ですが、ベースやキーボードなどもつないだりしていたそうで…
パワーアンプの出力的に飛ばなそうな感じですが…
交換するしかないので取り外しました。

スピーカーを抜かれたアンプの後ろ姿が、どこか物悲し気です…
   DSC08147.jpg


今回は予算的な面や、念のため高めの耐入力のスピーカーという性能面を考慮して、EMINENCE社のLEGEND121というスピーカーをチョイスしました。
120Wの耐入力があるので30W程度のギターアンプではどんなに頑張っても飛ばす事は無理でしょう。

肝心のサウンドは目立ったピークなどの大きな癖は無いようですが、実際に鳴らしてみたら中低音がふくよかな印象で一回り太くなったようなトーンでした。
   DSC08149.jpg

ササっと取り付けて動作チェック。
   DSC08150.jpg
今まではボリューム全開にしたらキャビネットが震えてしまい割れたような痛いサウンドだったものが、そんな共振は一切無くなり安定したサウンドになりました。
手元のボリュームでクリーンからオーバードライブまでをコントロール出来るその使い勝手は素晴らしいです。

もはやオリジナルの部品の方が少ないアンプですが、私を常に初心に戻してくれるアンプだなぁと思いました。
これからもガンガン使ってもらって、壊れたらまた直していきたいと思います。




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プリント基板の作成
今回はちょっと異色ですが、私の行っているプリント基板の作製法を紹介してみようと思います。

ハンドメイドでは蛇の目基板やラグ板を用いたポイント トゥ ポイント配線が重宝がられていますね。
ちょっとした回路を組むには手軽だし、大きな設備投資も必要ありませんので初心者にも始め易い方法です。

しかし、沢山作ってきて思うのですが、再現性を保ちつつ数を作ったり、部品の交換が大変というデメリットもあります。
製作中の疲労や集中力によってミスが起きたりも多い気がします。
あくまで個人的な感想ですが。

対してプリント基板は製作に技術やコツが要りますが、同じ物を複数作るにはとても良い方法だと思いますし、サウンド的なデメリットとされる部分もパターンレイアウトの煮詰めで聞き分けられないレベルに持って行けると思います。


私自身は蛇の目基板も好きですが、プリント基板も好きです。
出音や製作の確実性が良ければどちらでも気にしません。
   DSC08058.jpg
前置きが長くなりましたが、サンハヤト製の生基板と呼ばれる物を使用しています。
上記写真は実際に使用している物。

生基板200mm×300mm    紙フェノール素材-620873生基板200mm×300mm    紙フェノール素材-620873
(\630)

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上記はamazonでの商品説明ですが、サンハヤト製より安いですね。
これは使った事無いけど、基本的には同じように使用が可能だと思います。
今のストックが無くなったらこれを買ってみようと思っています。


この基板にパターンを転写すべくパソコンでデザインしたら、パターンの反転を行って印刷します。
   DSC08057.jpg
私はイラストレーターを使用しています。

この印刷が今回のポイントで、レーザープリンターでしか出来ません。
インクジェットプリンターのみをお持ちの方は一般的な感光基板を使用する方法で作って下さいね。

使用する紙も指定です。
一般的なコピー用紙は奇麗に定着しないので不可です。
FUJIFILM インクジェットペーパーマットタイプ ファイン 紙マットベース A4(210x297)100枚入り SA4100FUJIFILM インクジェットペーパーマットタイプ ファイン 紙マットベース A4(210x297)100枚入り SA4100
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FUJIFILM

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このインクジェット紙をレーザープリンターで使用して転写するところにポイントがある訳です。


生基板はアクリルカッターやPカッターと呼ばれる工具で必要なサイズに切り出しておきます。
基板の銅箔面は細かいスチールウールで磨いた後に、アルコールを用いて脱脂とゴミの除去を行っておきます。
(この後は銅箔面には触らないようにしましょう)

次に反転したパターンをレーザープリンターで指定のマット紙に印刷して、生基板の所定の位置に重ねてアイロン掛け。
   DSC08056.jpg
アイロンの温度は中程度ですが、これはアイロンによって温度が異なるので、何度かやって基板に定着し易い適切な温度を探して下さい。

温度が高すぎると基板が部分的に鱗のように剥がれてきますし、温度が低すぎると定着が弱く、この後の作業で剥がれてしまいます。

パターンの縁の部分などはアイロンの先端などで念入りに押して貼りつかせるようにしましょう。
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時間的には10分ぐらいでしょうか、紙がほんのりきつね色になるぐらいでアイロン掛けは終了します。

暫く放置して粗熱が取れたらこの基板を水に浸して、先ほどの紙に吸水させます。
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暫くすると紙がふやけてきますので、指の腹で優しく擦って紙の繊維を剥がしていきます。
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ここでパターンも大幅に剥がれるようならば、いっそ全部剥がしてアイロン掛けからやり直します。
(多少の剥がれなら後ほど補修が可能です)

指でこすっても細かい部分には繊維が残ったままになりがちですので、消しゴムを優しくかけて余分な部分の繊維を取り除きます。
繊維が残っているとエッチング不良が出ますのでしっかり確認しましょう。
ちょっと消しゴムをかけたぐらいでは転写したパターンは剥がれません。
これですぐに剥がれるようなら定着不足なので、またアイロンからやり直した方が良いでしょう。
   DSC08064.jpg
私は消しカスが纏まるタイプの消しゴムを使っていますが、これじゃないとダメという事はありません。

パターン間の繊維がしっかり取り除かれたら乾燥させます。
かすれたパターン部分には青色の油性マジックを用いて描き足しておけば大丈夫です。
(マッキーの青色が一番良いです)
その他、パターンがくっついてしまっている部分はカッターの刃先などを使ってパターンを削り落して修正しておきます。
(私は写真にあります千枚通しのような工具の先端を用いて削っています)
   DSC08065.jpg
パターンの間違いなどはここまでで確実に修正しましょう。
ミスが無いかを目を皿のようにしてチェックします。

問題なければ余分な銅箔部分を溶かして除去するエッチングに移ります。
   DSC08066.jpg
エッチング液は基板関連の商品もありますし、画材屋さんでも扱っています。
このエッチング液(塩化第二鉄液)は取り扱いに注意が必要な有毒な液体なので、使用方法を正しく理解してからにして下さいね。

この100円ショップで買った豆腐用のタッパーは、基板の引き上げも楽でオススメですよ。
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余分なパターンが溶けて基板らしくなったら速やかに引き上げて水洗いします。
エッチング液は蓋をしてしまっておきます。

水洗い後はこんな状態。
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トナーの黒い部分は銅箔が溶けずに残ってパターンを形成しています。

その後は基板のカットと周囲の成型、穴あけを行います。
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穴あけには半月ドリルという物を使っていますが、ハンドドリルなどでは折れやすいのでスペアは持っていた方が良いですね。

私はボール盤で穴を開けるようになってからはこのドリル刃は折らなくなりました。

穴あけまで済んだら完成は間近です!
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塗料剥がし液を用いて定着したトナーを剥がして銅箔面を露出させます。
細かい紙やすりなどで削っても良いのでしょうが、パターンを削り落しかねませんし、剥がし液を使う方が楽ですね。
刺激的なにおいがして違う世界に行けそうになるので、必ず換気をしながら使用しています。

基板に満遍なく伸ばして10分ほど放置したら水で洗い流します。
手荒れするので、素手では無くビニール手袋などを着用して水洗いしましょう。
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水洗いが済んだらキッチンクレンザーで銅箔面を磨きます。
その後に水気を拭き取って乾燥させ、プリント基板用フラックスを塗布して完成です。
更に拘る場合はパターン面を保護するハヤコートなどを塗る方法もありますね。

完成後もパターン面には可能な限り触れないようにします。
一度に沢山作って保存しておく場合は、錆び防止も兼ねて除湿剤入りのタッパーに入れて保管しています。


という感じでプリント基板を作成しています。
自作されている方の参考になれば幸いです。



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クラシックギターの調整
近所にあるショッピングモール内にあるCD&楽器販売店にStudio GREAMのチラシを持って営業をしに行ってきました。

すると帰宅後すぐにクラシックギターを持ったお客様がいらっしゃいました。
「修理出来ないか?とそのお店に持っていったらここ(Studio GREAM)を紹介されたので来ました」
と仰るではないですか。
営業効果がいきなり現れて嬉しいやら怖いやら…

持ち込まれた時は、ペグは破損して弦も張られていない状態でしたが、これをまた使えるようにして直して欲しいという内容でした。

お預かり時の写真を撮り損ねているので、ヘッド部分の写真だけアップします。
   DSC08031.jpg
3弦のポストは折れてしまっていました。

4~6弦側のペグ
   DSC08032.jpg

こちらは1~3弦側
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1~3弦側は以前にも交換されており、左右で部品やネジ穴位置が異なっていました。

おそらくオリジナルと思われる4~6弦側のペグは金属部分の腐食が進み、少し触るとポロポロと錆びが落ちてくる状態でした。
   DSC08036.jpg

これらのペグを取り外し、元々の穴は埋めて塞ぎます。
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予算の関係上、今回は穴は埋めない予定でしたが、見た目が悪いので簡易的にですが埋めて色を付けてあります。

サウンドホールの中には「光」と大きく書かれたラベルが貼られていました。
   DSC08038.jpg
このギターのメーカー名か製作者名なのでしょうか??
詳細をご存知の方がいらっしゃいましたらお知らせいただけましたら幸いです。


さて、問題のペグですが、ポスト間ピッチが32mmと狭く、昨今の主流である35mmピッチの部品では取り付けが出来ません。
2000年初頭には楽器店で32mmピッチの物も入手が出来たのですが、ネットで検索しても見当たりません。
メーカーに問い合わせてみると「今は既に製造中止になってしまっています」との事。
そこでこの修理の依頼主に部品の入手性について説明し、了承を得た上で単連ペグに交換する事にしました。

キクタニ クラシックギター用・糸巻(ペグ) GM-GPキクタニ クラシックギター用・糸巻(ペグ) GM-GP
(\1,050)
キクタニ

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今回これを使用します。

スムーズに回転するか、ガタつきは無いか、曲がったりしていないか各部のチェックや潤滑を行います。
   DSC08040.jpg

そして各ペグの取り付け位置を測定し、下穴をドリルで開けてから取り付けを行いました。
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どうしても元々のペグプレートによって付いた傷などは隠せませんが、新しいペグは見た目もすっきりだし、動きもスムーズで良いですね。

ネックが大幅に純ぞりしていたり、ブリッジ部分の膨れが起きていて弦高がとても高い状態でした。

1:これからギターを始めるとの事なので、しっかりは押弦出来ないと思われる。
2:弦高が高いと尚更押さえにくく音がしっかり出ない。
3:よって長続きせずに諦めてしまうかもしれない。

そんな三段論法が頭をよぎり、予算内で可能な限りの調整を行う事にしました。
ネックへの負担と指への負担を考えて、スタンダードな弦では無く、抑え易く柔らかいライトテンションの物をチョイス。

そしてナットが高かったので溝の切り直しを行いました。
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解放音もよどみが緩和されましたし、ローポジションでのFコードも押さえ易くなりました。

併せてブリッヂサドルも削って高さを下げつつ、弦が触れる部分はコンパウンドまで使用して磨き滑らかにしてあります。
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一重に「ギター(に限らず楽器)を演奏する事をずっと楽しんでもらいたいから」その一心で私はリペアマンをやっています。
私だけだとついつい採算を度外視しがちなので、睨みを利かせる経理担当Gが良い意味でバランスを保ってくれています。


さて、そんな内輪の話はそこそこにしておきまして、弦を張って調整が終わったヘッドストック。
   DSC08048.jpg
とても雰囲気が引き締まりました。

お預かり時は全体的に汚い状態だったので、ポリッシュで磨いてワックスがけを行いました。
   DSC08047.jpg

これからゆっくりでも楽しく楽器を続けてもらえれば幸いだなと思いますね。


ペグ交換工賃 4500円
KIKUTANI GM-GP 1050円
ダダリオ EJ43 1600円


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HP更新→クーポンのページ増設いたしました♪
早いもので、Studio GREAM がオープンしまして2週間が経ちました。

以前よりご利用いただいている皆様からは、遠方からにも関わらず
郵送対応によるご依頼をいただき、ありがとうございます。

また、熊本で開業致してからの新しいご縁ができた
お客様もちらほらお見えになられており、
心より感謝致している次第でございます <(_ _")>


さてそこで、若干「今更?」な感もございますが、オープン記念と致しまして、


スタジオ利用2時間毎に

ギターorベースの

基本調整(¥3,000相当)を

サービスさせていただきます!!!


詳しくは、WEBにてご確認下さい → http://www.gream.jp/coupon.html
また、既にスタジオをご利用戴いたバンドの方は・・・別途ご相談下さい。
対応させて戴きます(笑



今後も、皆様に喜んでいただけるサービスを考えていきたいと
思っておりますので、宜しくお願い致します。



経理担当Gより、お知らせでございました <(_ _")>
Aria Pro II製Mockingbirdの大幅な調整
以前からStudio GREAMをご愛顧いただいている方よりAria Pro II製Mockingbirdの調整を承りました。

私が東京を離れる直前にお預かりしたギターです。
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何でも、今は亡きお母様より学生時代に買ってもらった思い出のギターだそうで、とても弾き込んだ多数の傷が輝かしい状態でした。

本家のB.C.RICHにもありますが、この多数のコントロールはノスタルジックでもあり、逆に今となっては新鮮でもありますね。
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搭載されたブースターは暴力的なまでにゲインアップしてくれます!

コントロールキャビティ内部は…
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お世辞にも奇麗とは言いにくく、今にも切れそうだったり、ショートしてしまいそうな危ない配線もありました。
黒いビニールテープで巻かれた物がブースターの基板です。

ラッカーで塗装されたネック裏は、スタンドのゴムと反応した溶けが発生し、更に汚れが擦り込まれており、手触りが良く無い状態でした。
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フレットも減りが見られるので、これは要擦り合わせですね。
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歴戦の使用を物語るヘッド先端の傷
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1弦側のピックアップ間にはピックが当たり、塗装が削られてしまった部分もありました。
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今回はこのギターを今後ずっと所有していくためにオーバーホールを行う事になりました。
・このギターが新品だった頃に近いナチュラルカラーへ傷を消しつつリフィニッシュ
・安心して保管・使用が出来るようにポリウレタン塗装に変更
・コントロールからは、電池を使用するブースターを撤去し、スイッチの組み合わせによって多彩なサウンドと操作性を獲得する
・フレットすり合わせとナット&ブリッジの調整
・Studio GREAMでお馴染みのノイズ処理


上記のような依頼内容でした。


そしてその後の引越しのドタバタで、ちょっと作業しては立ち止まり…
組み込みに入れた時には3月も末になってしまっていました。
まずはリフィニッシュ後の姿をご覧ください。
   DSC07876.jpg
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決して厚過ぎないウレタン塗装の艶や仕上がりはハッキリ言って新品以上です!
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ピックによってえぐられたボディのキズや、ヘッド先端の欠けもしっかりと補修してあります。

フレットもこの通り、チュルンチュルンでピッカピカです!
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部分的な減りが多かったのでフレット高さは少し低くなってしまいましたが、元々がジャンボフレットでしたのでペタペタで弾きにくいという感じでは全然無いです。

この塗装された状態に傷を付けないようにいつも以上に慎重にマスキングを施します。
   DSC07881.jpg DSC07880.jpg
導電塗料を塗る際に飛沫を飛ばしてしまってはいけませんので念入りに保護しました。
(いつもやっている事と同じなのですが、より気を使ったのは確かです)


そしてオリジナル状態のピックアップは直列ハムバッカーか、片側のコイルをキャンセルしたシングルコイルを選択するスイッチが搭載されていました。
しかしどうせならそれに加え、二つのコイルを並列につないだパラレルモードも使えるようにしてはどうだろうか?と提案させていただきました。

提案時は「このピックアップは当然4芯だろう」とタカをくくっていたのですが…
   DSC07884.jpg
実はタップ線(白)が引き出された赤白黒の3芯構造で、かつベースプレートのグラウンドと黒線が内部で接続されている構造だったのです!
(意味不明な方もいらっしゃるかとは思いますが、とにかくこのままでは目的が達成できない状態だった訳です)

という訳で、ピックアップの配線を交換し、各コイルから配線を取り出す4芯+グラウンド構造に変更する事にしました。
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慎重にバラして…
   DSC07887.jpg
一般的なピックアップ用4芯シールド線を在庫していなかったため、贅沢にもBELDEN1192の被覆を剥いて使用しました。

各ピックアップの巻き始めと巻き終わりに各線をハンダ付けしていきます。
   DSC07888.jpg
勿論、取り付け時に慌てないようにしっかりとメモを残しておきます。

マグネットとコイルなどの隙間は埋めつつ、コイルの外周は保護のためにアセテートテープで巻いて組み立てます。
   DSC07889.jpg
これをフロントとリアそれぞれのピックアップで行います。

外側の網線はコントロールキャビティ内からは被覆を被せて絶縁します。
また、各ピックアップキャビティはすずメッキ線でコントロールキャビティ内に導き、グラウンドに接続してあります。
   DSC07890.jpg

続いて取り外したペグをクリーニングします。
   DSC07891.jpg
グローバーのインペリアルボタンがゴージャス!
しかし経年で汚れが溜まり、艶も無くなっていましたので磨きました。
使用したクリーナーはコレ!
TURTLE WAX / Chrome Polish Mini tw_cheromepolishmini.jpg

これで金属パーツを磨くと表面にコーティングもされるので艶出し&保護はバッチリです。
   DSC07894.jpg
ちょっとピンぼけ気味ですが、クリーニング後↑

さて、次は電装系に取り掛かります。
   DSC07882.jpg
これはオリジナルのブースターと、バリトーン用のコイルが搭載された基板。
今回はブースターは撤去しますが、バリトーンはアレンジを加えつつ使用するので、このコイルだけ取り外しました。

そしてボディから部品の穴位置を写し取って、段ボールに部品が留まる穴を開けた上で主要な配線を先に行っておきます。
   DSC07883.jpg
こうする事で狭いキャビティ内で配線にコテを当ててしまい被覆をうっかり溶かしてしまう事も無くなりますし、フラックスが飛散して塗装に傷を付ける事も防げます。
黒いテープが巻かれた基板はサイズこそオリジナルと同じですが、バリトーン専用回路としてワンオフで作成しました。



半完成のコントロールアッセンブリをボディに搭載したら、ブリッジアースとピックアップの配線を行う程度の作業で完成します。
   DSC07895.jpg
ピックアップの位相問題で危うくドツボにハマりかけましたが、ハンダ付け前にしっかりと調べて図面も書いたので間違う事無く作業完了です!

コントロール部分はポット変更に伴い、ノブも変わっています。
   DSC07898.jpg
センターのメタルプレートが若干ですが小さくなって、白いドットポイントだったのがラインに変わっています。
ピックアップセレクターも金属ノブタイプに変更しました。
電装系で再利用したのは先述のコイルとバリトーン用ロータリースイッチぐらいで、残りは全て新品交換です。


そんなこんなで生まれ変わったモッキンバードの全体写真です。
   DSC07897.jpg DSC07901.jpg

ヘッドの艶がまた素晴らしい!
   DSC07900.jpg
ついつい照明を反射させた状態で撮影してしまいます(笑)

ボディバックにあったバックル傷も奇麗さっぱり無くなってます。
   DSC07902.jpg

リフィニッシュや改造は敬遠される方もいらっしゃるとは思いますが、塗装が変わっても部品が変わってもこの楽器と共に紡いだ思い出は変わらないと思います。
オーナーは「このギターを死ぬまで使いたいし、もし自分の子供がギターを弾く事になったら受け継いでもらいたい。」
そんな思いを語りながらStudio GREAMに預けてくれました。

そういう話に弱いんですよ、私。
ついつい気持ちが深く入ってしまいます。
でもこの届いたハードケースを開けたらきっと喜んでもらえる仕上がりになったと自信を持って思えます。

いつかまたお会いした際には、このギターのその後を伺いつつお酒が飲めれば良いなと思います。


リフィニッシュ/ナチュラル(ポリウレタン/ウレタン下地)傷・打痕修正含む  ¥60,000
全体調整・ノイズ処理/エレキギター  ¥12,000
追加オプション/スルーネック  ¥1,000
フレットすり合わせ(全体調整時特価)  ¥4,000

<交換部品>
TOCOS 500KA ¥1,050/個  3 個  ¥3,150
メタルトップノブ ¥210/個  3個  ¥630
ピックアップセレクター用3WAYトグルスイッチ  ¥2,100
2WAYミニスイッチ/VARITONE用 ¥525
3WAYトグルスイッチ/ピックアップTAP用 ¥1,050/個  2 個  ¥2,100
スイッチクラフトMONOジャック  ¥420

合計¥85,925でした。


この度は引越しの絡みで長らくお預かりする事になってしまいましたが、ご依頼いただきありがとうございました。



…しかしかかった時間を考えると利益は殆ど無いな…また経理に怒られちゃうこと必至(笑)



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