機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
YAMAHA RGXプロトタイプ?の調整
YAMAHAのストラトシェイプですが、RGXシリーズのようでもあり…ハンドペイントが施されているので型番の特定は出来ませんでした。
RGX610S/Mが近いとは思うのですが、旧製品アーカイブを見る限りはリアピックアップが斜めに取り付けられているモデルではなかったはずなのです…
アーティストモデルのプロトタイプの可能性もありそうなのですが、真相は不明です。

しかしオーナーはこのギターをとても大事にされており、直してずっと使い続けたいとの事で一大手術をすることとなりました。
   DSC08281.jpg
若かりし頃にポスターカラーでペイントをされたそうで、唯一無二の外観となっています。

1ピックアップなので、スイッチはピックアップセレクターではありません。
ボリュームポットをパス/出力オフ/ボリュームポットONの切り替えとなっています。
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アンプ用のような操作が硬いスイッチが取り付けられており、素早い操作は無理な状態でした。
取り付け時に無理やりに穴を広げたり、倒したりしたのでしょう…ボディが割れてしまっていました。

アウトプットジャックはこの位置にあるのですが、シールドを挿したままではプラグがぶつかってスタンドにも置けない!との事で移設を検討されておりました。
   DSC08296.jpg

コントロールキャビティ内部はこのような状態でした。
   DSC08297.jpg
ボリュームポットはスイッチポットになっており、ピックアップのタップが出来るようになっていました。

電装系の作業としては、
・このゴツいスイッチは要らないので撤去しつつ、ピックアップのコイル組み合わせを変えるミニスイッチを増設する事になりました。
・また、スイッチがあった穴位置にはアウトプットジャックを移設します。
・ボリュームポットはガリが出にくい高耐久の物に交換し、スイッチ機能は撤去します。

まずはミニスイッチのための穴あけです。
   DSC08300.jpg
ボリュームとジャックの中間位置に、という事で寸法測定の上で穴を開けました。

こちらが配線完了後です。
   DSC08301.jpg
ミニスイッチは軽い操作感で、ピックアップのコイル組み合わせをパラレル/タップ/シリーズと切り替える事が出来ます。
ジャックには金メッキ端子のノイトリック製を採用しました。
元々の穴が大きく開いていたため、ジャックの径が合うものでチョイスしています。

ジャックをボディトップに移設したため、元々のジャック穴はメクラ蓋をして塞いでおきました。
   DSC08302.jpg


次に問題が多かったネック周りです。
   DSC08283.jpg
お預かり時には指板は波打ち、フレットは擦り減り、ロッドは完全開放でも逆ぞり、とまともに音が出ない状態でした。

フレットの擦り合わせで簡易的に直す事も出来ますが、今回は指板の波打ち部分を削り、再塗装も行うフレット交換となりました。
   DSC08355.jpg
フレット交換と塗装後は上記の状態です。

波打ちは勿論解消されていますし、ロッドの余裕も若干は確保できるように修正してあります。
   DSC08361.jpg
薄く出たバーズアイメイプルが奇麗ですね。

ブリッジはサビサビでしたが、同型の比較的奇麗な物を持ち込みされて、交換する事になりました。
   DSC08360.jpg
これは交換と調整が終わった状態です。
ヤマハのフロイドローズ系ブリッジはオクターブ調整機構が搭載されていたり、弦のボールエンドを切らずにセット出来たりと、良く考えられて進化したブリッジだと思います。

   DSC08364.jpg DSC08366.jpg
完成後の裏表写真です。
ポスターカラーの上から可能な限り汚れは落とし、ワックスもかけました。
将来的にこの個性的なペイントも剥がして、リフィニッシュを行うかもしれないとの事ですので、楽しみですね。
元々の値段はどうあれ、愛着がある楽器ならメンテナンスしながら使う事はとても良いことだと思いました。

今後も大事に、でも最前線で使っていただければと思います。


フレット交換 33000円
指板修正 3000円(フレット交換時)
指板塗装 10000円(ラッカークリア)

ボリュームポット 1050円
ミニトグルスイッチ 1500円
ノイトリック製ジャック 600円
電装系交換工賃 5000円


合計54150円でした。


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GIBSON J-50のネック周りの調整
Studio GREAMのブログを見られたお客様よりアコースティックギターの調整を依頼されました。

ギターはGIBSONのJ-50です。
   DSC08407.jpg
中古で入手されたとの事で、ピックガードの交換やブリッジサドルの交換等が施されていました。


当店では、全体調整の際に指板やフレットのエッジを丸めて握り易くする加工を施していますが、それを自分のギターにも導入したい!との事でした。
   DSC08409.jpg
これはお預かり時の状態です。

指板のエッジが立ち、握り込むと指の腹に当たる硬い感じがあります。
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この作業を行うに当たり、傷を付けないようにまずはマスキングを行います。
   DSC08413.jpg
14フレットから先のボディにかかる部分はやすりで傷を付けないように特に厚めにマスキングテープを貼ります。

そしてやすりでエッジを落としていきます。
   DSC08415.jpg
まだやすりのみですが、この後で紙やすりやスチールウールなども駆使して滑らかにしていきます。

フレットの脇ギリギリまで削るとフレット交換時に作業性が悪くなりますので、フレットとフレットの中間位置が多く削っている状態で、あとは滑らかにつなげています。
   DSC08417.jpg
その他、ナットの溝深さにバラツキがあったり、溝が荒れていたりしましたので、溝の切り直しを行っています。


併せて、ネック裏のグロスラッカーフィニッシュ(艶つやのラッカー仕上げ)は手のひらに汗をかくと貼りついて滑りが悪くなる!との事でハーフマット仕上げにすることになりました。
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これはお預かり時。

こちらは施工後なのですが…写真では上手く伝わらないですね…
   DSC08419.jpg
目の細かいやすりで塗装表面を均等に荒らした後にワックスを擦り込んでいます。

触った感じはツルッ!からサラッ!に変わっています。
手に汗をかいてもサラサラ感をキープしますので汗っかきの方には良いかもしれませんね。


ネックとフレットのエッジ処理 4000円
ネック裏ハーフマット加工 1000円(エッジ処理時特価)
ナット溝調整 1500円

合計6500円でした。


ギターのキーという構造上、どうしても2&3弦のローポジションはフレットが減り易いのでもう少し減ってきたらフレット擦り合わせを行うのも良いコンディションで使い続けるにはオススメですね。



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SHRED ECRIPSE
Studio GREAMになる以前の旧屋号時代から人気があって結構な台数を作成したディストーションペダルがリニューアルして再登場です。
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名前は…SHRED ECRIPSEと付けました。
SHREDは刻むとか、細切れにするとかいう意味ですが、早弾きギタリストをシュレッダーと言ったりもします。
ECRIPSEは日本語では「蝕」という意味ですが、日蝕とか天体が隠れる際に使う用語ですね。
そういう自然現象は人の力ではどうにも出来ないものなのですが、自然現象ですらギタープレイで切り裂くぐらい歪むペダル!的な意味合いです。

イエローとレッドの2チャンネル仕様なので、バッキングとリードなどこれ1台で幅広い使い方が可能です。
サウンドはジャズコーラスを使用して音圧のあるヘヴィメタルがプレイできるようにデザインしました。

色合いはメタリックが含まれたホワイトに黒とグレーを流したマーブルで、大理石のような、小宇宙のような雰囲気をイメージして塗装しています。
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見る角度によってメタリックの煌めきが変化するので、是非実物で確認していただきたいカラーです。
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経理さんには「イカスミみたいな色ね」と言われたのはここだけの話。

今回のラベルはMadoath ET Tornというバンドのロゴを入れてほしいとのカスタムオーダーで製作しました。

内部は…まぁ塗りつぶしてしまっていますが…配線は奇麗に取り回してますよ的な程度でご紹介。
DSC08427.jpg


デジカメのマイクなので低音がかなりカットされてしまっていますが…動画を撮影してみました。

実際はもっとズンズン来るサウンドです。
使用ギターはEMG85&81を搭載したストラトタイプ、アンプはJC-77でコントロールは(音量以外)全て12時位置です。


Studio GREAMには試奏機もご用意していますので気軽に試してみて下さい。

販売価格は30000円です。
ラベルやカラーリングのカスタムオーダーも3000円~の追加で承っています。



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GRECO SGの調整
今回はGRECOと思われるSGタイプギターの調整です。
依頼主は熊本で活動するパンクバンドTHE NIEDのコーシロー氏。
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ヘッドのロゴは確かにGRECOですが、シリアルナンバーやら、製造時にピックアップポケットなどに記入される事が多い記号や数字などがどこにも無いのです。
オーナーも「GRECOで無かったとしても、気に入っているから何でも構わないけど」とは言われていました。

以前に彼の所有する別のギターをGOTOHのロック式ペグに交換したり、ノイズ処理したりで気に入っていただき、長くお付き合いさせていただいております。
このSGもペグがガタついてきたからそろそろロック式に変えよう!との事でStudio GREAMでお預かりいたしました。
まずはブッシュまで取り外して、穴の補修と共にヘッドフェイスにはワックスがけを行います。

今回使用するのはGOTOHのSD90Mというロック式クルーソンタイプペグです。
   DSC08159.jpg
1~3弦と4~6弦用は弦を通す穴が異なりますので、取り付け時に間違えないようにしないといけません。
ブッシュはクランプを使って圧入していきます。

叩いて装着する方法もありますが、叩いた振動で他のブッシュが浮いてくる事がありますので、Studio GREAMでは圧入方式を採用しています。
(作業中写真は撮り損ねています…)
   DSC08308.jpg
弦を張る際にポストに巻きつけないで済むので、弦交換も簡単です。

ネックジョイント部分にはヒビが!!
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しかし塗装が割れているだけで木材までは達しておらず一安心でした。

次にブリッジも分解してクリーニングした後の状態です。
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両脇のポストスクリューが長すぎて、手に当たる状態でしたので、少し穴を掘り足して取り付けし直しました。
サドルの溝も荒れていたので、適正な溝幅と深さに切り直してあります。

フレット山の若干の修正と共に、指板に溜まっていた汚れも落としてすっきりしました。
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内部は定番のノイズ処理。
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リアピックアップしか使わないとの事で、セレクタースイッチやフロントのポットはダミーにしてあります。
ジャックは耐久性の高いMil.Spec Jackに交換。
これもこの方の定番仕様です。

完成した見た目はノーマルなのでお預かり時とあまり違いは無いですね。
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全体的にワックスがけを行っているので奇麗にはなっています。

フラッシュを焚くと白が際立ちますが、実際は日焼けして渋いクリーム色になっています。
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激しいステージアクションのため、傷だらけになるのでしょうがが、壊れたらまた直しますので思いっきりいっちゃって下さい!!

全体調整・ノイズ処理 12000円
セットネック追加料金 1000円
ペグ交換(全体調整時特価) 8400円
Switchcraft Mil.Spec Jack 1260円

合計22660円


作業途中の写真を撮り損ねてしまっているので、ボリュームの少ない記事になってしまい申し訳ありません。



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MAXON AD900の電源改造(12V→9V仕様へ)
今回は世界に誇る日本の電子機器メーカーであるMAXONが販売していたAD900というアナログディレイを改造します。
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メーカーホームページより詳細を抜粋します。
'70年代のディレイ効果サウンドを再現したエコーマシン。
スプリングリバーブ的なショートエコーと、丸みのあるテープエコー的なロングタイムエコー音はまさにアナログならでは。
ローノイズで、ジャンルを問わず使用できる本物のアナログディレイ、自信を持っておすすめできます。

◆ディレイタイム=40mSec~600mSec
◆入出力端子=INPUT/OUTPUT/DC.INPUT
◆コントロール=D-LEVEL/REPEAT/D-TIME
◆消費電流=28mA(DC12V)
◆電源/付属品=ACアダプターMAXON AC212R(12V/200mA)
◆寸法/重量=W117×D150×H60/500g

2003年05月 生産完了 


   DSC08339.jpg
上記の説明を見ても判るように、電源はDC12Vのセンタープラスという、エフェクターではあまり一般的では無い仕様です。
後発のAD999からはDC9Vセンターマイナスが使えるようになりましたが、そのサウンドの違いでこのAD900を愛用する方もいまだ多いようです。

今回はこのAD900を以下のような希望内容でモディファイしていきます。

・一般的なDC9Vセンターマイナスで使えるようにしたい。
・バイパス音が痩せるのでトゥルーバイパスにしたい。
・LEDは青色に変更したい。

早速開けてみます。
   DSC08340.jpg
お預かりした時にはLEDが故障のため点灯しませんでした。
エフェクトは問題なくかかっておりましたので、LEDが焼けたかな…

電源の極性を間違えた際に回路を保護する役割のダイオードが焼けていました。
   DSC08341.jpg
きっと以前に間違ってセンターマイナスのアダプターを一瞬接続してしまったのでしょう。
このダイオードが焼けた結果ショートしていたなら音は出なくなりますが、そうではなかったのでこのダイオードが欠損しつつも回路は動作する状態になっていました。
極性が逆のアダプターなどを再びつないだら今度はやばかったですね。

思うのですが、コンパクトエフェクターでも電源部分にブリッジダイオードを標準で搭載すればアダプターの極性は気にしなくて良くなるのに、メーカーが採用しない理由はなぜだろう…
部品コスト?それとも啓蒙の必要コスト?ダイオード通過で電圧が1.2Vほど下がる事への懸念?
実際はどれなのでしょうね。


さて、話が逸れましたがトゥルーバイパス化と電源部分の改造のため回路を全て取り外しました。
   DSC08342.jpg



早速完成写真に移ってしまいますが…
   DSC08345.jpg
フットスイッチの左側にあるのが電源回路です。
DC9VからDC12Vを作っていますが、実は付随してDC18Vも確保できるようにこの基板を作っている途中で…その案は不要になってしまったので予定よりも大きな基板サイズになっています(笑)
単純にDC12Vだけならこの半分ほどの大きさでおさまります。

その他、基板上の部品も交換し、ノーマルでは無かった大きなコンデンサを電源のノイズ対策として沢山追加しています。


裏蓋を閉めて、ステッカーを貼ったら完成です。
   DSC08353.jpg
「Studio GREAMで取り扱っているスイッチカバーを取り付けてほしい」と依頼されましたのでこのような出で立ちです。

今回のような内部クロックを用いる機器の電源にはノイズ対策がとても重要です。
入力するDC9Vがノイズまみれの電源だと結構な量で目立ってしまうので、このモディファイを行った後は今まで以上にクリーンな電源の確保が重要になってきますね。

トゥルーバイパス&回路モディファイ 12000円
電源回路変更(12V→9V使用) 13000円
フットスイッチカバー 1500円




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【♪クーポン情報♪】
いつもStudio GREAMをご利用いただき、ありがとうございます<(_ _")>
3/25のオープンより、はやいもので無事に2ヶ月が経とうとしております。
これもひとえに、皆様方のお力添えのお陰と感謝致しております。

そこで、日頃のご愛顧に感謝をこめて、
ホームページのクーポンを更新致しました!!





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GIBSON 1956Les Paul/GOLD TOPの調整
今回はGIBSON 1956Les Paul/GOLD TOPの調整です。
内容はいつもの全体調整・ノイズ処理なのですが、作業内容記録の意味でも書いていこうと思います。

   DSC08256.jpg
さて、1956年タイプのレスポールなのでピックアップにはP-90という、シングルコイルが搭載されているモデルですね。
(この翌年よりセス・ラバー氏が開発したハムバッカーが搭載されます)

ボディバックはナチュラルブラウン。
   DSC08258.jpg
ダークブラウンバックより、このナチュラルブラウンの方が個人的には好きです。

今回は全体的にノイズが多いので静かにしたい!という希望でした。
元々、シングルコイルピックアップなのでノイズは若干多めですが、それでもちょっと変だなと思うぐらいのノイズ量でした。

コントロールプレートを開けてみましょう。
   DSC08259.jpg
GIBSONにありがちなハンダてんこ盛りだったり配線が雑だったりはお決まりだけど、至って普通のような………

ん?
   DSC08260.jpg
(この手前のピンボケしちゃっている裸線は何だ??)

んん??
   DSC08261.jpg
(フロントのボリュームポット脇に小さな穴が…その脇にこの裸線はネジ止めされている…)

どうせ配線し直しだからボリュームポットなど全部外しちゃおう!

んんん???
   DSC08262.jpg
この穴は、テールピーススタッドにつながる弦アースを取るための穴だよなぁ…なぜその配線が無い??
実際、弦アースが取られていないのでノイズは大きかったのですが…

本来だったらこんな風になっているはず。
   DSC08314.jpg

ピックアップも外してみましょう。
   DSC08265.jpg
最近のレスポールはこんなにボディバックのマホガニーを深く削ってあるのですか??
もはやセミホローみたいだ…

問題のテールピーススタッドを抜いてみましょう。
   DSC08271.jpg
塗装を割らないように切り込みを入れて慎重に慎重に…

抜けました!
   DSC08272.jpg
穴はある!なのに配線は無い!!

いや、このスタッド穴の内部に、折れた裸線が落ちていました…


つまり、このギターは工場では弦アースが取られていたんです。
その後、コントロール部分の配線をいじったか何かの拍子でこのスタッドにつながる裸線がポキッと折れたのでしょう。
どうすれば良いか判らないので、その裸線をキャビティ内部に取りあえずネジ止めしてみた…
そんなところだと思います。

新しく配線をひき直してスタッドを再び打ち込みました。
   DSC08279.jpg
そして導電塗料を塗るために下地研磨とマスキングを行います。
(この段階でボディ全体のワックスがけも済んでいます)

コントロールキャビティもマスキング。
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黒い線が新しく接続した弦アースの配線。
動かしても断線しにくいように撚り線を使いました。

セレクタースイッチキャビティの内側には木材を削ったままのバリが沢山残っていました…
   DSC08263.jpg

研磨時にちゃんとこのバリを取り除いて、マスキングも完了。
   DSC08286.jpg

導電塗料を塗って乾燥させたら順に組み立てていきます。
   DSC08287.jpg

今回はノイズを気にされていたのでピックアップのシールディングも行いました。
   DSC08275.jpg
↑これはノーマル状態。

全体をショートしないように銅箔テープで巻いて、合わせ目は手早くハンダ付けします。
   DSC08276.jpg
銅箔テープはピックアップのシールドとコールドを兼ねる網線にハンダ付けしてあります。
これによりピックアップコイルはシールドに包まれて外来ノイズをシャットアウトします。


セレクタースイッチの配線も変更します。
   DSC08278.jpg
元々の配線材には4芯ピックアップの線みたいな、か細い物が使用されていたのでBELDEN製のケーブルに交換。
ノイズに強いながらも高音域が奇麗に抜けてくるサウンドです。

コントロールキャビティを通り、アウトプットジャックまで継ぎ目無しで接続します。
   DSC08294.jpg
グラウンドは全てセレクタースイッチのボディに集められてからジャックにつながる1点アース仕様です。

レスポールの配線は、ピックアップからまずボリュームに行って、それからセレクタースイッチに行き、また戻ってきてジャックにつながるという行ったり来たりの配線になっています。
ここでグラウンドが正しく接続されていないと音抜けが悪かったり、片方のピックアップだけノイズが多いなどの症状が出ます。
レスポールタイプの配線のギターは、グラウンド配線をしっかりと見直す事で結構サウンドが変わります。

コントロールプレートにはアルミテープを貼って、ここでもノイズをシールドするようにしています。
   DSC08295.jpg

組み上げて弦高やオクターブなども合わせて完成です。
   DSC08315.jpg

納品時にも、大幅にノイズが減った事を喜んでもらえたようで良かったです。


全体調整・ノイズ処理 12000円
セットネック追加料金 1000円
ラッカー塗装追加料金 1000円
エリクサー09-42弦 1350円

合計15350円でした。

作られてからそんなに年数は経っていないとはいえ、ブリッジには僅かな湾曲が出始めていますので、弦高やビリつきが気になるようでしたらブリッジ交換も視野に入れていただければと思います。




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FENDER 1966JAZZMASTERのナット交換
今回はFENDERの1966年製JAZZMASTERのナット交換とフレットのすり合わせです。
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JAZZMASTERは64~66年で細かい仕様変更が行われており、ほぼ1966年(前期)製だと思われます。

・ヘッドのトランジションロゴとその下にあるパテントナンバーが7種類(66年前期~66年中期)
・バインディング付きラウンドボード・ローズ指板にパーロイドドットポジション(65年後期~66年中期)
・2列刻印のクルーソン・デラックスペグ(63年後期~66年中期)
・F刻印、6桁シリアル、プレートクッション無し(65年後期~74年)


フレットは過去に幅広のジャンボフレットに交換されていましたが、摩耗がかなり進み、ピッチが安定しない状態でした。
   DSC08223.jpg

ナットはオリジナルでしたが、経年により溝の深さがバラバラで、低くなりすぎた1弦は開放でビリつきが出てしまっている状態でした。
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ネックスタンプは1965年の9月4日となっていますが、これはネック加工の日であり、その後の工程でボディと組み合され出荷されるまでにはズレが生じます。
年末年始も迫り始め、ギターとして完成したのは1966年という事になりますね。
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ネックポケットにはバルカンファイバー製のシムが挟まれていましたが、それでも仕込み角度が浅く、ブリッジサドルでは特有の弦落ちが発生してしまっていました。
   DSC08229.jpg
今回は新たにシムを作成して仕込み角度を少しだけ増やす事にしました。
   DSC08231.jpg
オリジナルと違い、ネックポケットの奥にしっかり収まるサイズに切り出します。

そしてナットの交換をするために取り外すのですが、しっかりと周囲の塗装や接着を外してからでないと取り外した際に被害が出ます。
   DSC08232.jpg
今回は木材や塗装が持って行かれる事も無く、奇麗に取り外せました。

ロッドの調整を行い、フレットを擦り合わせていきます。
   DSC08233.jpg
6弦側がフラットの時に1弦側は少々逆反り、という軽度の捻じれが起きていましたのでこの点も考慮してフレットを削ります。

21フレットはシムの影響か、少しだけ指板面の跳ね上がりが起きていたので、この部分は少し多めに削って修正しました。
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擦り合わせただけではフレットの頭は平らな台形状態になっていますので、フレットやすりを使ってエッジを整えます。
↑21フレットは300番まで、20フレットは150番のやすりのみ、19フレットはすり合わせたままの状態です。

フレット整形にはこのようなダイヤモンドやすりを主に使用しますが、状況によって様々なやすりを使い分けています。
   DSC08235.jpg

フレット整形後に、やすり傷を消すため、紙やすりを使って400番から順に2000番まで磨きます。
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この時、せっかく出したフレットの頂点を削らないように気を付けます。

2000番までかけ終わりました。
   DSC08237.jpg

次に仕上げ用のスチールウールで更に磨いてからレモンオイルを塗ります。
   DSC08240.jpg
暫くすると指板の汚れが浮いてくるので、乾いたウエスで拭き取ります。

細かいゴミや汚れが浮いてきているのが見えますでしょうか?
   DSC08242.jpg

油分や汚れを拭き上げてフレットすり合わせは完了です。
   DSC08244.jpg

ジャンボフレットといえども流石に高さが無くなってきましたので、次回は交換をする事になるでしょう。
   DSC08245.jpg

次にナットですが、削っている状態は粉が舞うので、作業写真は無しです。
   DSC08290.jpg
バインディングの内側に収まるように削っては合わせてを繰り返します。
この写真では少し剥がれていたバインディングの接着を行っています。
また、既にナットには弦溝位置だけ軽く切ってあります。

弦を張ってナット溝を必要な深さまで切ったり、仕上げの整形や磨き上げを行い完成です。
   DSC08313.jpg

弦の下側半分程度がナットに収まるぐらいの形がバランスも良く見た目も良いなと思います。
   DSC08291.jpg


ネックの仕込み角度も変更していますし、ブリッジの調整も行わないと弦高が合いません。

これはお預かり時ですが、6弦サドルのイモネジがひとつだけマイナスネジになっています。
   DSC08247.jpg
いくつかのイモネジは交換された事があるようで、錆び具合は12本とも様々でした。

一度バラして、定番のCRCに一晩浸けた後に磨いて組み立てます。
   DSC08293.jpg
イモネジはステンレス製の新品に交換しました。


ヴィンテージギターの部品交換に抵抗がある方もいらっしゃいますが、楽器として長く使うためには交換が必要な個所も出てきます。
   DSC08312.jpg
オリジナルパーツは勿論返却し、もしもの時にも元に戻せるような改造や改良を先にご提案しております。

今回はノイズ処理などは行いませんでしたが、もしかしたらピックアップの高さ調整が出来るようにスポンジの交換などを今後行う事になるかもしれませんね。


ナット作成(バインディング付き) 6000円
フレットすり合わせ 10000円
ステンレス製イモネジ12本セット 840円

合計16840円でした。

これからまたメインで使ってもらえれば良いなと思います。



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YAMAHA ATTITUDE LIMITED II/SFGの全体調整
最近、少しずつ、本当に少しずつ客数が増えてきているのを実感しています。
今回はお世話になっている販売店からStudio GREAMを紹介されたというお客様のベースを調整します。
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ロックの殿堂入りも果たした、世界で活躍するスーパーベーシスト「Billy Sheehan」のシグネチャーモデルです。
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特徴的なアウトプットやコントロール、極太ネックグリップなど唯一無二の特徴を備え、何のアンプで弾いても特有の個性的なサウンドです。

ブリッジはヤマハのオリジナルだと思われますが、汚れが少し溜まっていたのでクリーニングします。
   DSC08171.jpg
写真はクリーニング前です。

このベースで特徴的なウーファーピックアップですが、カバーを取り外してみるとDimarzioのカスタムメイドピックアップが載っていました。
しかもピックアップ自体にはネジ止めなど一切なく、ピックアップカバーとピックアップ下のスポンジで挟みこんで固定している取り付けでした。
   DSC08175.jpg

ピックアップの両ミミ下にはネジ穴がありませんね。
ネックはボディ深くまで差し込まれ、ボルトで強力に固定されていました。
   DSC08176.jpg
塗り残しなどのムラは多少ありますが、コントロールキャビティには最初から炭素系フィラーの導電塗料が塗られていました。
テスターで測定すると低めの抵抗値は出るものの、導通とまではいきません。
   DSC08187.jpg
Studio GREAMではお馴染みの銅フィラーを使用した導電塗料を塗っていきます。
乾燥後にテスターで導通チェックを行うと1Ω以下のほぼ導通状態まで改善されました。

ウーファーピックアップのカバーも裏側に導電塗料を塗布します。
   DSC08183.jpg
このカバーが合わさるボディ側にも導電塗料を塗って接触するようにしました。
これによりウーファーピックアップをシールドしています。
元々ハムバッキング構造なのでノイズは少なめなのですが、依頼者様はノイズを気にされていたので念入りに。

オリジナルのコントロール部配線。
   DSC08178.jpg
配線の長さやハンダの量もちょっと多いかなといった印象。

一旦、全ての配線とハンダを外し、部品のクリーニング後に配線し直しました。
   DSC08184.jpg
しなやかで癖の少ないサウンドのビーメックスS配線材にKESTER44ハンダの組み合わせです。
グラウンドは1点アースとなるようにウーファーボリュームポットに集めています。

ジャック部分も見ていきましょう。
こちらは作業前。
   DSC08179.jpg
配線が余分に余っていたり、ハンダもちょっと多いなという…コントロール部と同じ印象です。

これが作業後。
   DSC08190.jpg
配線をジャックの端子にしっかり絡げて、その固定のためにハンダを少量使用しています。
導電塗料も周辺部分まで塗り足しました。

このジャック部分に取り付ける蓋ですが、裏にはアルミテープがしっかり貼られていました。
   DSC08191.jpg
しかしどこにも導通していないし、変なバリは出ているし…だったのでここも手直し!

施工後はこうなりました。
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バリを落として、アルミテープ表面はアルコールで汚れを落としました。
先ほどのジャック部分のふちに導電塗料を塗る事で、このアルミテープと導通する事になり、よりしっかりとシールドされます。

最後に、これまたお馴染みの指板&フレットエッジの処理です。
これがお預かり時。
   DSC08169.jpg
指板やフレットのエッジはハッキリしており、少し手に痛い印象があります。

これは作業途中で、やすりをかけて少しエッジを丸めた状態。
   DSC08182.jpg

2000番のペーパーまでかけた状態です。
   DSC08189.jpg
この後で、仕上げ用極細スチールウール、コンパウンドと順に粒子を細かくしながら磨いていきますとツルツルになります。

ナットはお預かり時に外れてしまっていたので、接着面に付着した古い接着剤を除去して改めて接着をし直します。
   DSC08194.jpg
Studio GREAMでは、ナットがしっかりくっつくまでこのようなクランプを掛けるようにしています。

弦を張って、ナット溝の調整も含め、弦高やオクターブなどを調整しました。
   DSC08212.jpg

今回は特にノイズと弦のビビリを気にされておりましたので、かなり念入りにノイズ処理や弦高調整を行いました。
エレクトリック楽器の構造上、ボリュームを上げて楽器から手を離している時には人体へのグラウンドがつながっていない状態なので若干「ジーッ…」というノイズは出てしまいます。

弦を触ればそのノイズは消える訳ですし、ボリュームを上げつつ手放し状態で弾いていないような状況はなかなか起こり得ないと思うので、その点はご理解いただければ幸いです。
それらも消すとなると内部にバッテリーとバッファを入れてローインピーダンス化、とか…違う楽器になっていきそうです。

また、何か気になられた際はお気軽にご相談いただけましたら幸いです。


しかし、結果的にとっても太いサウンドで、個人的にもいつか欲しいなと思えるベースになりました。
なかなかコンディションの良い物が出回らないので…気長に探します。


交換部品はありませんでしたので13000円のベースの全体調整・ノイズ処理という基本価格でした。


これから自身のバンドで骨太なトーンを奏でてくれると嬉しいなと思いますね。




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オーダーPICKGUARDの作成
東京時代にご縁のあった方より、ピックガード作成の依頼をいただきました。

ご自身の愛用するVanzandtのプレシジョンベースのピックガードを、敬愛するスティーヴ・ハリス(IRON MAIDEN)と同じミラータイプに換えたいので作ってほしい!との事でした。
   DSC08198.jpg
遠方なのでピックガードを外して送ってもらいました。
アルミアノダイズドピックガードです。
実際は右利き用ですが、写真を裏側しか撮っていなくてレフティーのように見えますね…申し訳ない。


スティーヴ・ハリスと言えば、ミラーピックガードのプレシジョンベースがトレードマーク!
元を辿るとTHIN LIZZYのPhil Lynott(以前はフィル・リノットと呼ばれていたが、日本国内では近年「ライノット」表記に統一されたらしい…)もミラーピックガードですね。
とにかくステージではキラキラと反射して目立ちまくります!

そしてその素材ですが、一般的な塩ビ系素材では見当たらないので、透明アクリル板にアルミ蒸着したものを今回は使用します。

当初は木材(MDF材を使いたいのだが、売っていなかったので試しにシナ合板を使用)に一度写し取って、それをガイドにピックガード素材を加工する予定でした。
   DSC08199.jpg
取りあえずこのまま加工してみたら板の繊維がささくれてきちゃって使えなかったのです。
普段やらない方法でやろうとするとダメだなぁ。
近所のハンズマンでMDF板を扱ってもらえないか問い合わせてみようと思いました。

という訳でピックガード素材(アクリルミラー t=2.0)を直接切り出す方式に転換!
   DSC08200.jpg
電動糸鋸など持っていないので、アクリルカッターとコッピングソーでひたすら切り出していきます。
額に汗する作業ですね。

ざっくり切り出しました。
   画像 005
ピックアップ部分もざっくりと穴を開けておいて、この後の工程で削っていきます。


この後はトリマーを使用して、オリジナルピックガードをガイドにアクリル板を削る訳ですが、もの凄い量の削り粉が散乱するので、撮影は出来ていません。
回転するトリマービットに触ろうものなら、指先はあっという間に吹っ飛ぶ危険な工具ですからね。
ちょっとの気の緩みが怪我につながりますし。

さて、大変な作業なんだよ!とひとしきり説明したところで…削り出し完了。
   DSC08213.jpg
ピックアップ部分のコーナーエッジや外周部分に紙やすりをかけてバリやざらつきを取り除いていきます。

オリジナルピックガードから穴の位置を写し取って、ボール盤で穴あけ加工を行いました。
   DSC08214.jpg
ピックガードビスは皿ネジなので、皿モミ加工も行います。

裏側にはコントロール部分やピックアップの配線が通る位置にアルミテープを貼っておきます。
   DSC08216.jpg

表側はこのような仕上がり。
   DSC08217.jpg
保護フィルムが貼ってあったり、隙間に削った粉が入ってちょっと白っぽくなっちゃってますね。

依頼主に相談の上、フィルムを剥がしてクリーニングとワックスがけを行う事になりました。
   DSC08219.jpg
今までのピックガードよりも指紋や汚れは目立つようになるのですが、せめて納品時には奇麗な状態で受け取りたいですしね。

ワックス缶が写り込む輝きです。


今回はゴールデンウィークが重なる事もあり、部材の手配で難航しました。
最終的には12000円と送料の請求となってしまいましたが、ネジ穴なども加工無しで取り付けできます。
市販品のピックガードってネジ穴位置が微妙に合わなかったり、ネックポケット部分が合わなかったりと何かしらの加工が必要になるのですが、今回のように離れた場所からの依頼だとそのような加工を施さなくて付け替えれば良いのでアリだと思っています。

オリジナルピックガードには開いていたフィンガーレスト取り付け穴を開けないという注文も対応できるのはメリットでもありますね。



納品後に早速取り付けた写真を送っていただきました。
   画像 001
背景までしっかりとポスターを配置する完璧なレイアウト!

ミラー具合の確認のため、このポスターが写る位置にベースを移動して、再度撮影。
   画像 002
画像処理したかのような完璧な配置には脱帽です。

とても喜んでいただけたようで私も嬉しいです。



このピックガードを装着したベースでライブを行った際に、感想をいただきましたらまた追記したいと思います。




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HUMAN GEAR VIVACEの修理
多くのプロギタリストから多大な評価を得ているHUMAN GEARの扱う音響機材の中で、VIVACEというペダルがあります。

これは2011年の写真ですが、TAKUYA氏(ex:J.A.M.)の足元にもセットされていました。
   DSC07185.jpg

今回はこのVIVACEの修理です。
   DSC08201.jpg

まずはHUMAN GEARのページから紹介文を転記させていただきます。

ディスト-ションがかかったパワ-コ-ド・サウンドには常に問題が付いてまわる。
良質なチュ-ブアンプのナチェラル・ディスト-ションは素晴らしいサウンドを持つが、誰もがこの限られた素晴らしいアンプを所有できるとは限らない。
このヴィバ-チェはパワ-コ-ド時に他の優れたオ-バ-ドライブ、ディスト-ション・ユニットと併用して使うために開発された。
通常のユニットをパワ-コ-ド時に使用すると、濁りの強い汚れたサウンドとなることが多い。
しかし「歪み」は必要である。ヴィバ-チェの歪みは濁りがなく厚く美しい歪みをチュ-ブに送り出す。
原音をくずさず倍音のみにオ-バ-ドライブがかかり、最も大切な音学的な歪みを加えることができる。
それはデジタルで処理された音ではなく、豊かな倍音を持つ、弦の音がしっかりと聞こえるオ-バ-ドライブ・サウンドなのである。
通常ヴィバ-チェはオンのままプレイを続けることができる。
シングル・ノ-トになったら優れた他のユニットをオンすれば良い。
この時、他のユニットはヴィバ-チェの前に置いていだきたい。
ヴィバ-チェの後にFETなどを使ったチュ-ブ以外の増幅ユニットがあると音がつぶれてしまう。
この事からチュ-ブ・アンプと理解されているのだが、アンプの内部においてインプットとチュ-ブの間にチュ-ブと違う増幅装置をもつアンプ(マ-シャルJCM-900シリ-ズなど)とはマッチングしない。
あくまでもチュ-ブ・アンプの基本であるギタ-の信号をチュ-ブで増幅してある「優れたもの」に限られる。
バッテリ-を使用する場合はデュラセルまたHUMAN GEARがお勧めするものとして、プロセルを使っていただきたい。
とくに歪み系ユニットの場合バッテリ-の性能が大きな差となる。(3時間から4時間以内がベストなサウンドを維持できる。)ACアダプタ-の場合は(9V)の使用をお勧めする。



色々と難しい事が書いてあるように思われますが、結果的に音が良ければそれで良いと思いますし、事実とても良く出来たペダルだと思います。

それはさておき、今回は「突然音量が上がらなくなった!から原因特定と見積りを出してくれ!」という事でStudio GREAMに入ってきました。
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躊躇なく開けます。(勿論、持ち主には工程は説明して了承は得ております)

基板はプラスチックケースに覆われ(隠され!?)取り出すのにも一苦労です。
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このプラスチックケースを開けると基板が登場します。
   DSC08204.jpg
どちらも黒いホットボンドで頑丈に固定されていますね。
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なかなか故障原因の特定するところまで至れません…
ハンダ付けは…うーん…音は出てるから良いのかもしれないけど…ツアートラックの振動にさらされたとしたら怖いなぁというのが本音。

内部はなかなか目にしないようなトランジスタが沢山並んでいますね。
グレーのはNPN、真鍮色のはPNPタイプって事だけ書いても大丈夫かな。
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回路図は修理のために採取はしましたが、製作者へ配慮し公開は控えさせていただきます。
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問題の故障原因なのですが「2」と書かれたトランジスタがありますが、これの不良でした。
   DSC08221.jpg
開けた時には他の部品に比べて明らかに変な角度で取り付けられていましたし、ケース上面(数字が書いてある部分)は僅かに膨れていたのです。
取り外してトランジスタチェッカーにかけたらやっぱり破損していましたので、取りあえず汎用トランジスタを載せてみたところバッチリ音量が上がります。

サウンド的な拘りがあるペダルですからやたらなトランジスタを載せるわけにもいきません。
かといって同じ部品の入手は困難だと判断しまして、他の正常なトランジスタを外して特性測定を行い、動作特性の近い現行部品で修理する事になりました。

実際に部品を差し替えて音を聞きながら選んだので、音質的な違いは少なくても私の耳では遜色ないサウンドに持って行けたと思います。

その他、ハンダ付けが怪しい部分は修正も行い組み直しました。
これからまた第一線で活躍してくれる事は間違い無しです!!

今回は故障個所の特定が比較的早かったので良かったですが、ドツボにハマると修理代15000円とか行きそうな可能性もありますね…そうなるとメーカーに出せるならその方が安心かと思います、うん。


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