機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
STEINBERGER Spirit XT-25の調整
今回はヘッドレス構造やカーボンファイバーを使用した作りで一躍有名になったSTEINBERGERが手掛けるSpirit XT-25の調整です。
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こちらの楽器はカーボンファイバーボディではなく、メイプルスルーネックにメイプルウィングを使用した構造となっていますが、細かい部分の作りを見ても以前のHONNER製に比べて格段に向上していると感じました。
これが4~5万円くらいで買えるとは凄い時代になったものです。

フレット打ちも丁寧ですが、エッジ部分などは面取りをしたいなと思う感じではありましたので、全体調整・ノイズ処理プランにて面取りを行っていく事にします。
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コントロールノブは演奏時に邪魔になるとの事で取り外し、シャフトにはゴムチューブが取り付けられていました。
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今回はこの全体調整作業に加えて、入力ゲイン調整と3BANDイコライザがあるプリアンプを搭載したい、とのご希望でしたので、ボディ切削が最小限で済む物を探しつつバッテリーボックスを増設して仕上げる事になりました。
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パッシブですが、余分に長い配線が詰め込まれたキャビティ内で、どのようにプリアンプやコントロールポット類を納めるかを考えつつ取り外していきます。
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部品撤去後にバッテリーボックスのためのザグリを行い、目止めのタッチアップ。
キャビティ内には導電塗料を塗って乾燥させておきます。
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ピックアップキャビティにも導電塗料を塗り込み、各キャビティがしっかりと導通するように配慮して配線します。
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既に弦まで張られた状態ですが、指板やフレットのエッジも面取りを行い柔らかい握り心地になっています。
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この狭いキャビティに部品を詰め込み、配線も済ませました。
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コントロールはマスターヴォリューム、ピックアップバランサー、トレブルとローの2段積みポットとなっています。
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内部トリマーは入力ゲイン、ミッドコントロール、ミッドフリケンシー切り替えです。
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裏蓋を毎度開けなくても小型のドライバーで調整できるようにパネルに穴を開けました。

2段積みポットに関してはノブが無いと操作しにくいとの事で取り付けましたが、ヴォリュームとバランサーは従来通りゴムチューブのノブレス仕様です。
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ボリュームのシャフトを引っ張るとプリアンプが完全にバイパスされて元々のパッシブサウンドが得られますし、万が一の電池切れ時にプレイを止めない用途としても使用出来ます。

黒いボディは小傷が目立つので念入りに磨きとワックス掛けを行って、指紋を着けないように梱包して納品となりました。
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希望の仕様にするために結果的に楽器代以上の改造代がかかってしまいましたが、納品後にお喜びのご連絡をいただけまして、一安心でした。
これから小型軽量で多機能なベースとして活躍してくれると良いですね。


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ERNIE BALL VP JR.(VOLUME PEDAL)のモディファイ
巷には各社からボリュームペダルが販売されていますが、どのモデルを気に入って使用されていますか?

私は大学時代にはERNIE BALLのボリュームペダルを所有していたのですが、その音痩せが嫌で結局使わなくなってしまいました。

当時は楽器販売店に勤めていましたが、ピックアップ交換はしても、エフェクターを自分で改造するなんて考えはありませんでしたから今思えば仕方ないですね。

しかしこの仕事をするようになって、同様の悩みは各方面から耳にするようになりました。

当時は出来なかった事が今ならば出来る!という事で…
そんな折に東京時代からStudio GREAMを応援してくれている屋代様より、そのERNIE BALL(アーニーボール)のボリュームペダルの改造依頼をいただきました。
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これはノーマルの状態。
6180という品番のVP JR.です。

沢山あるボリュームペダルの中でも、頑丈で(ノーマル状態では)劣化も少なく人気のペダルですね。

しかしそれでもノーマル状態ではボリュームが10~0と自然には落ず、
10、8、5、3、2,0みたいな急激な可変に感じるのです。

早速バラしてみました。
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IN/OUTジャックの間に250KΩの可変抵抗器が挟まれたシンプルな構造です。
可変抵抗器がとっても小型です。

構造上、パッシブ回路なので厳密にいえば何をやっても劣化は避けられません。
しかしその変化をより少なくし、出てくる音が好意的な変化であれば良いというテーマで、中身を全て入れ替えます。


このアルミブロックはボリュームポットを取り付ける部品です。
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今回のモディファイにおいて心臓部分である可変抵抗器は、サイズも大きなオーディオ用パーツを使いますので、取り付け出来るようにこのブロックに加工を施します。
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この段付きにブロックを掘るのが神経を使います。

元々サイズの大きい可変抵抗器が使用されているモデルならばこの加工は不要なのですが、昨今のシェアはジュニアタイプが殆どですから毎度加工する事になります。


細かい部分は企業秘密のためお見せできないのですが、組み立てが済んだアッセンブリはこんな状態です。
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早速ケースに組み付けて、後方から撮影してみた写真。
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なかなか珍しいアングルですね。

外見はステッカーが貼ってあるのと、ちらっと見える巨大なボリュームポットぐらいしかノーマルとの違いが見受けられませんが、その可変感は別ものですよ。
しっかりと10,9,8,6,5,4,3,1,0ぐらいの滑らかさで可変してくれます。
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感情に追従するボリュームペダルといった感想です。

ともするととても地味なペダルですが、その変化はノーマルとは別物です!
今回はハイインピーダンス仕様で作成しましたが、ローインピーダンス用ももちろん作れます。

ボリュームペダルは持ち込んでいただいて12000円でこのモディファイは承っております。
(往復の送料は別途必要です)




そして上記作業はインピーダンス固定(ハイインピーダンスかローインピーダンスのどちらか)での作成でしたが、両方を切り替えられるHybridバージョンも作製可能です。
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作業手順としては殆ど変わらないので、似たような写真は割愛してご紹介させていただきます。

心臓部を取り去ったケースはどこか物悲しげですね…
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こちらが心臓部。
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アッセンブリとして取り外す事が出来ます。

そしてアルミブロックに段付き加工を行って、可変抵抗器を取り付け。
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ハイインピーダンス用とローインピーダンス用で回路を分けてありますので、配線の本数も増えていますね。
配線材はBELDENの80年代の物をこの時は使用しています。

ジャック交換と共に、フロントパネルにはスイッチを取り付ける穴を空けたりして組み立てます。
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抵抗やコンデンサを接続して、抵抗器の可変カーブ調整を行っているので、細かい作業が必要です。
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動作チェック後にラベルを貼って完成です。
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ローインピーダンスの信号にハイインピーダンスモードで接続しても問題はありませんが、高音域がぎらついたり、S/N比が悪い場合にはスイッチをロー側に切り替えてみると良いと思います。


このインピーダンス切り替えスイッチ増設はモディファイ基本価格に3500円追加で承っています。




今までハイインピーダンスとローインピーダンスの切り替えはありましたが、ハイインピーダンスの範囲でハムバッカー用とシングルコイル用みたいな物は無かったと思います。
今回、250Kと500Kのインピーダンスを切り替える仕様にて作成しました。
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ケブラーワイヤーを極力緩めないように配慮しつつ作業に取り掛かります。

いつものようにポット取り付けブロックに段付き加工を行ってポットを納めます。
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配線材には80年代の物で、撚り線をハンダで固めて単線のようにしたワイヤを最近気に入って使用しています。
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詳しくは公開出来ないので、想像して下さい。
「自分のペダルもこのようにしたい!」場合は作業依頼をお待ちしております!
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ミニスイッチはラベルの通り250Kと500Kの切り替えです。

巷に出回っているヴォリュームペダルで500Kの抵抗値を持つ物は殆ど無いのです。
BOSS FV-500Hと言いつつも、実は250Kの抵抗値だったりしますし。

ほんの僅かな差ではあるのですが、明らかに高音域の抜け方が違うので、これはこれで使い道があるな、と思った内容でした。





ケースのコンディションがしっかりしていれば、ガリが出てようがインピーダンスが違おうが改造用には関係ありませんので、ボリュームペダルの音痩せでお悩みの方は是非試してみて下さい!



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