機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
YAMAHA SR-400の大幅修理
今回は色々と無茶な改造をされてジャンク状態になってしまったYAMAHA SR-400を入手された方が、これを再生させて使えるようにしたいとの事で大幅修理を行いました。
とはいえ(言い訳のようになってしまいますが)予算的な制約もありましたので、作業する側としては妥協せざるを得なかった面もあります。

まずはお預かり時の状態。
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既にいくつか部品を取り外してしまっていますが、元々6点支持のトレモロブリッジを、2点支持トレモロに載せ換えたが、取り付けがメチャクチャ…
ピックアップも3シングルだったところをリアに無理やりハムバッカーを搭載しています。
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トレモロスプリングキャビティは、無理やり載せたブリッジだとスプリングが干渉するのか、彫刻刀やノミのような刃物で削り落されていました。

全体に貼られたステッカーも今回は全て剥がします。

指板はリッチー・ブラックモアスタイルのスキャロップ加工が施されてていましたが、元からではなくて後から加工されたものです。
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スキャロップ深さは不揃いだったりしますが、フレットレベルに大きな狂いはなかったので、大きな修正は無く使えそうです。
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問題のブリッジ取り付け部分のアップ。
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アンカーと組み合わせて使うはずのスタッドポストが、アンカー無しで強引にボディにねじ込まれていました…
ピックガードも無理やり切削されています。

ピックガードを開けてみるとその切削跡に唖然。
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リアピックアップ部分は裏側から斜めに削られ、表からは彫られ…首の皮一枚で貫通していませんが、木材は木目に反って割れていました。
本来はここに新たに木材を貼って補修しておきたいところですが、今回はヒビの補修のみで済まさざるを得ませんでした。

ジャック部分にはFERNANDESのブースターが追加されていましたが、元々の切削深さではジャックが入らなかったのか…
これまたボディ側を雑に削ってありました。
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ジャックにはガリもありましたし、このスイッチジャックを使う必要もないので、今回はジャック交換を行います。

部品を全て外して更にチェックします。
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無理やりねじ込まれたスタッドポスト部分はボディに割れが生じていましたし、今回はブリッジを6点止めに戻す事になったので、この穴とヒビは埋めて補修します。
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リアピックアップキャビティはスラントではなく、シングルコイルと平行配置にするため、ボディの一部を切削加工。
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バッテリースペースやピックアップセレクター位置も切削修正を行って、導電塗料を塗布。
ピックガードも新しい物に交換するため、ネジ穴を一度埋めて適切な位置に再度ネジ穴を開口しました。

ピックガード裏にはノイズ処理のためにアルミシートを貼り込んだ後で、アッセンブリを組み直し。
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センターピックアップとのハーフトーンの際はハムバッカーの片側コイルが自動的にタップされる方式にてワイヤリング。

ブリッジはローラーサドルスタイルのシンプルなブリッジを入手して組み付け。
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見た目は良いが、オクターブ調整が凄くやりにくくて、実はベストポイントに決まるまでが結構大変でした。

FERNANDESのブースターは内部の配線をやり直して再度取り付け。
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しかしこのブースターはマスターヴォリュームの信号をセパレートして回路に常に流しているからインピーダンスが落ちちゃってブーストOFFでも結構ハイ落ちしますね…
スイッチをDPDTに変更すると改善されますが、今度はボディを削らないとそのスイッチが入らないというジレンマに陥ります…

指板エッジは軽く面取りを行い、フレットは磨き上げてあります。
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フレットがピカピカだと音も見た目もグッと締まりますね。

ボディ全面に貼られたステッカーは丁寧に剥がしてワックス掛けを行ってあります。
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ピックガードとブリッジが新しくなって、汚れを落とした部品で組み直すと、新しい楽器のように見えますね。

目立ったシールの焼け跡も少なかったので、遠目ではシールが貼られていた事が判らないぐらいには奇麗に仕上げられたと思います。
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これでまたバリバリと弾いてもらえると良いですね。



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G&L L-2000Tributeの改造と調整
当ブログを見られてご来店されたお客様のG&L L-2000Tributeの改造と調整を行いました。
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ハイポジションのフレットが部分的に浮いてきていたり、減りが見受けられたり…ネックのコンディションは要修正状態ではありましたが、一度には行わず、今後時間をかけて取り組んでいく事になります。

今回はピックガードの取り付けとフィンガーランプの作成を行いました。
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まずはピックガードを作成するために、紙でデザインした後で確認をしてもらい、木材で形板を作成しました。

その形板を元に、3mm厚の透明アクリル板を切り出してピックガードの作成を行いました。
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保護フィルムが張られているので、透明アクリルとは伝わりにくいですね…

そして次にフィンガーランプの作成です。

ベースにフィンガーランプ作成と言えばt-bass-worksの仕事は見事ですね。
他社の紹介をしてしまうぐらい良い仕事しています。
見習う事も多々ある若きリペアマンですね。

さて、そのフィンガーランプですが、アッシュとローズウッドの突き板で作成する事にしました。
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強度的には問題なさそうでしたので、計量化のために内側をくり抜いてみましたが…あんまり必要なかったかも。
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くり抜かなくても十分軽かった…

アッシュ材をラフカットしたうえでローズウッドをタイトボンドで貼り付けまして…
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収まるサイズまで現物合わせでひたすら削り加工を行いました。
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サイズが決まったら、目止めを施した上でラッカー塗装を行いました。
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取り付けはネジとスプリングによる高さ調整方式を選択。
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ランプ内へバネの落とし込み加工も行いました。

取り付け後はこのような状態。
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最終的には高さは弦にぎりぎりな位置まで寄せる事になりました。


そして次はピックアップセレクターの変更を行いました。
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ノーマルだと3wayトグルスイッチによるピックアップセレクトなのですが、これをピックアップバランサーに変更したいとの事でスペースの確認を行います。

元々のスイッチ穴を拡大するとギリギリバランサーポットが収まるようでしたので、取り付け作業完了。
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ボディを掘るなどすればもう少しボリュームノブから離す事も出来たのですが、この位置でも問題無いとの事で取り付けました。
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バランサーポットになったため、3:7などの微妙なピックアップブレンドが選べるようになり、サウンドコントロール幅が広がりました。

最後にナットですが、オーナー自らTUSQに交換されたそうですが、ついつい削り過ぎてしまい、弦溝が低くなりすぎていましたので、低い部分は一度埋め戻して溝を切り直す事になりました。
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溝切りと外形の整形後はこのような状態。
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ナットはエラが張ったみたいに角張っていると格好悪く見えてしまいますね。

納品後にピックガードの保護フィルムを剝した状態で撮影。
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大きくルックスを変えること無く、希望の操作性になったと思います。

ピックガード作成(クリアアクリル t=3mm) 12000円
フィンガーランプ作成 10000円
ナット溝補修 2000円
電装系交換作業 3000円
バランサーポット 2100円

合計29100円でした。


次はフレットの浮き修正とすり合わせですね。



上記の作業を行った後にフレット擦り合わせやフレット浮き修正などを少しずつ行いまして、今回は更なる大手術を行う事になりました。

作業後の写真が数枚しか無いのですが…
「指板エンド部分でサムピングが連続する演奏をする場合に、もう少し指板に親指が当たる方が距離を一定に保ちやすい」との事で、指板Rに合わせたフィンガーランプを作成しました。
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メイプル材にローズウッドを貼ってRを削り出していますが、材色までは合わせられなかったのが少し心残りではあります。
でも目の詰まった上質なローズウッドなので品質重視という事で。
取り付けはピックガードに両面テープで貼り付けて固定しています。

そして以前にアッシュ材を刳り抜いたランプを作成しましたが、両端のスプリングテンションによって少しずつ反ってきていまして…
木目の方向を見た目をボディや指板などに揃えるために、強度が弱い方向が反り方向に合ってしまったのが問題でした。
なので今回は指板エンドのランプと同じメイプル材2枚を木目が交差するように貼り合わせ、更にローズウッドをトップに貼って整形して再作成しました。
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どちらのランプも塗装は施さず、木材を磨き上げた後に蜜蝋ワックスを丹念に刷り込んだオイルフィニッシュとしました。

そして、G&Lオリジナルのプリアンプを撤去し、バルトリーニNTCTに換装しました。
   image1(2).jpg
内部写真を撮り忘れているのですが、全ての配線は一度外して奇麗にまとめてやり直してあります。
キャビティ内部にはミッドカットトリマーに加え、ブーストゲインのトリマーも用意してみましたので、(基本的にはON時にレベルが上がりますが)プリアンプをバイパスした時との音量バランスを寄せる事も出来ます。

これからも少しずつ手を加えていって、手放せないサイボーグL-2000となっていくのでしょう。
そのお手伝いが出来るのは大変光栄なことですね。



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GIBSON ES-335の全体調整・ノイズ処理
今回は以前にもBACCHUS BSA-800の全体調整・ノイズ処理のご依頼をいただいたお客様よりGIBSON ES-335の全体調整・ノイズ処理の依頼をいただきました。
こうしてリピートをしていただける事は本当にありがたいです。

半艶仕上げのES-335ですね。
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特に目立った不具合はなかったのですが、「全体調整とノイズ処理をしつつコンデンサをバンブルビーレプリカに交換したい」との事でお預かりしました。

ナット溝はすり減ってギリギリだったので、今後の事も考えて交換という事で提案させていただきました。
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バインディング無しの指板エッジですが、やはり角張っていて痛いのでフレットエッジと共に面取りを行います。
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電装系のアッセンブリを抜き出してチェックしました。
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ポット類もガリなどは無かったのですが、当店で使用している選別しマッチングされたポットに交換する事になりました。
セレクタースイッチだけは再利用です。

端子に配線を絡げてハンダしてある点は良いと思いますが、いかんせんハンダが多い!
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ここまで山盛りにすると抵抗となり、明らかに高音域が少なくなってしまうと思います。

新しいアッセンブリを組みました。
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配線材も交換し、よりノイズシールド効果が高くロスが少ない物を使用しています。
持ち込みされたLux製バンブルビーレプリカが目立ちますね。
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使用に伴って勝手に動いてしまわないようにホットボンドで固定してあります。

このアッセンブリを組み込んでいる時は例の如く戦場なので(と言っても前回のFホール無しに比べればよっぽど簡単)写真はありません。

そしてナット交換。
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TUSQ素材を使用して、いつものようにブロックから削り出して磨きます。

指板エッジやフレットエッジも柔らかな曲面・球面になるように手作業で面取りを行って磨きました。
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頻繁に登場する作業ですが、ネックを握った時の安定感が全然違ってきますよ。

最後に光らせ過ぎないようにワックスをかけて完成です。
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当然、弦高やオクターブの調整なども行っております。
元々の若干薄っぺらい感があったサウンドが、作業後はカラッとしつつも前へ出てくるサウンドになった印象でした。
納品後の感想で、その仕上がりにもお喜びいただけたとの連絡をいただけました。
沢山使って、今度はフレット擦り合わせなどでまたこのギターと再会出来ると良いですね。

・全体調整&ノイズ処理 15000円
・Fホール付きセミホロウ アップチャージ 5000円
・ナット交換 5000円
・CTS製VOL.&TONE POT(選別品) @1000 4個 4000円
・ロングジャック 600円
弦とコンデンサはお持込みいただきました。


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VOX V847Modの再組立て
今回はヴィンテージWAHに肉薄のサウンド!という事で人気があるらしい某社のモディファイが施されたV847が持ち込まれました。
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買った時からまともに音が出ずにしまい込んでいたとの事ですが、ふと思い出して何とか使えるようにしてくれと修理依頼をいただきました。
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このモデルについての詳しい事はネットを調べればすぐに見つかるので割愛しますが、内部にトリマーが3つ用意され各年代の特徴的なワウサウンド定数に微調整が出来る仕様のようです。
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使用部品や配線材もヴィンテージパーツ一辺倒ではなく、拘りを持ってチョイスされているような感じです。
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しかし各部のハンダ付けは約5万円ほどのお値段する物にしてはお世辞にも上手いとは言いにくく、しっかり付いていない部分もあり…
これらが音が出ない原因かなと思ったのですが…


基板を裏返して見て唖然としました…
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素人のハンダ付けもいいとこで、イモハンダは勿論、ハンダブリッジによるショートも起きていて…「こんなのが本当にそんなに高評価なワウなのか?」と疑問を持ってしまいました。
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スイッチの配線も呼びハンダしっかりとはされていない状態で、いわゆるテンプラと呼ばれる状態。
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増設されたDCジャックの穴も無駄に大きくよれて開口されており、このままではしっかりと止まらないのでワッシャーを追加して取り付けする事で対処します。
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しかしこれをベースに修正するのも余計に骨が折れるので、全て外して回路定数を見直しつつStudio GREAMオリジナル仕様で作り直しする事にしました。


まずは全バラシの上でネジ穴を開口してラグ板を立てます。
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ラグ板のグラウンド端子下には銅箔テープを敷いて確実な接続を行い、念には念をでフランジナットには緩み止め剤を塗って締めています。

パズルのような空中配線を行って、昔ながらのハンドワイヤリングで組み直し。
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インダクターとコンデンサなど部品の2~3個は再利用しましたが、その他は全て新品部品で組みました。

運搬や使用時の振動で部品が動いて金属疲労を起こさないように、ホットボンドを用いて一部のパーツは固定してあります。
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電源部分にはノイズフィルタも搭載し、トップまで踏み込んだ時のサーっというノイズの軽減も行っています。

スイッチ配線は現代的なトゥルーバイパス仕様ですが、メインの配線材は80年代のBELDEN製を使用してみました。
グラウンドと電源ラインにはビーメックスSを使用しています。
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定数を煮詰めた上で必要とする値が製造されていないものに関しては合成抵抗で作ったりして数値を決めた結果、ペダルの可変に合わせて歌うようなワウサウンドになりました。

この改造はワウケース持込みの内部総入れ替えで25000円(税別)で承ります。
インダクターやポット、スイッチも交換しますし、LEDを取り付ける事も可能です。
元々のインダクターなどサウンド的に再利用出来る物があればその分の部品代を削ることも可能ですので、お気軽にご相談ください。

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