機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
Fender Mexico Cabronita Precision Bass用ピックガード作成
今回はFender Mexico Cabronita Precision Bassにオリジナルピックガードを取り付けたいとの希望でした。

元々は白1プライ(ボディカラーによって異なる)の小さなピックガードが付いた仕様でした。
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FENDER社がGRETSCHを傘下に収めてから世に出てきた新しいモデルですね。
伝統のFILTERTORONタイプのピックアップを搭載したプレベという感じです。
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オーナーの希望としてはこの写真のようなテレキャスターカスタム風ピックガードをご希望でした。
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しかしピックアップの位置はこのOPB的な感じなので、これをミックスした仕様で作成したいとの事。
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オリジナルピックガード作成の際は型板を綺麗に作成する事が一番大事な点なので、型板作成の邪魔になるような部品をひとまず全て取り外します。
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型板のデザインは超アナログなのですが、紙にスケッチしてラインを決めています。
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パソコンで原寸大デザインが作成出来ると良いのですが、私のスキルが追いついてないのです。

細かいラインの修正を行って型紙を切り出します。
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それを元にMDF板を切り出し、やすりがけを行ってエッジを整えます。
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この部分の精度が仕上がりにそのまま影響しますので念入りに行います。

ピックガード材を型板に貼り付けてトリマーで切削を行います。
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エッジ部分を斜め45度になるように面取りを行うのですが、ピックアップと接する直線ラインは面取り無しです。
OPBスタイルのこの丸いくぼみ部分も面取りを行わないという事など、作業中に逐次確認を取りながら作業を進めます。

ピックガードを削り出したら、ネジ穴位置を決めてボディとピックガード両方に穴あけを行います。
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ボディ側のネジ穴はそのままネジを入れると塗装が割れるので、必ず面取りを行っておきます。

そして出来あがったピックガードをステンレスネジを使用して取り付けました。
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キャンディアップルレッドのボディカラーには相性抜群のパールホワイト素材です。

コントロール部分はノブの直径サイズ+1mmで穴あけを行い、ピックガード面より落とし込みになるように加工しました。
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この尖った部分の形状が難しく、尖らせ過ぎてもダメだし…何度もスケッチをやり直した部分です。

ピックアップとの境界部分は希望通りのOPB的な造形で作成しました。
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そしてとうとう完成した全体像はこちら。
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赤ボディに白系ピックガードで、背景が黒(デスクマットの色)だと色が綺麗に撮れないので、床置きで撮影してみました。

やっぱりこの色の組み合わせは高級感がありますね。

そしてピックガードを削る際にどうしても端材が出てしまうので、それを使って裏ブタも作成してみました。
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元々はこの部分もピックガードと同じ白の1プライだったので、この部分もパールホワイトにする事で全体的な統一感が出たと思います。


このようにオリジナルデザインのピックガード作成も承っております。
型板の作成などもあり、市販品よりは高額になってしまいますが他にはない一本を作る事が出来ますので、お気軽にご相談下さい。

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YAMAHA PACIFICA CUSTOMの全体調整・ノイズ処理
今回はYAMAHA PACIFICA CUSTOMの全体調整・ノイズ処理ですが、殆どオーバーホールに近い内容です。
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オーナーがオークションにて格安ジャンクで入手されたそうですが、届いてびっくり!全然使えない本当にジャンク状態だったそうです。
もっとコンディションの良い個体を探すか、直すかという選択になり、修理して蘇らせるという判断をされました。

全身傷だらけで、第一線で使用されてきたギターである事は確かです。
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やけにリアピックアップの音が小さいなぁと思ったら、激しい使用に伴ってコイル保護のテープが破れたのでしょう、コイルが何か所も断線してしまっていました。
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巻き直しという手もありましたが、タイミング良く同じピックアップがオークションに出ていたので、それに交換する事になりました。

ヘッドフェイスの塗装も白濁してしまっています。
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全体的に、あまりマメには拭いたり磨いたりされなかったんだろうなと思います。
ポリッシュを使って拭くと、拭いた布が黒くなるぐらいに汚れや手垢がびっしりでした…

そしてこのロックナットキャップ…真ん中のだけ違う部品…弦交換時に紛失したのでしょうか。
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しっかりと弦を押さえられていないので、ここはキャップもネジも3個とも新品に交換します。

ブリッジも元々はヤマハオリジナル(フロイドローズライセンス)のRockin'Magic PRO-IIIが搭載されていましたが、錆びが酷かったためオーナー手持ちのRockin'Magic PRO-IIに換えた状態でお預かりしました。
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スタッドポストも錆びが酷く、高さ調整に難儀する状態でしたので、この部品も新品に交換します。

ちなみにこちらがオリジナルの錆びに錆びたブリッジ。
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部品もいくつか紛失してしまっています。
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ネジ類も回らず、部品交換にも破壊前提で考えていたのですが、そもそも補修部品で手に入らない物があると判りこのブリッジを蘇らせるのは諦める事になりました。
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幸いにもYAMAHAのパーツセンターに新品のブリッジユニット一式だったら有るとの事で、それに換装する事になりました。
予想外に高い値段に尻込みしつつも、それしか手がないような状態でした。

気を取り直して全部の部品を取り外していきます。
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内部にはしっかりと導電塗料が塗られ、それらをつなぐラグ端子が用意され、良い仕事をしているなぁといつ見ても感心します。

フレットは物凄い摩耗のままで音詰まりが目立っていたので、今回はフレットすり合わせも行います。
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これだけ減っていてもジャンボフレットが採用されているので、すり合わせマージンがしっかり確保でき安心です。

秀逸なのはこのネックジョイントの作り!
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アルミ削り出しプレートをネック材にネジ留めし、ボディとのジョイント面と強度を確保する凝った造りです。


そんなこんなで、結構ガタガタだったギターですが…交換部品の手配を行いつつ作業を進めていきました。


ペグ類は全て外した際に、ヘッドフェイスのワックスがけを行っています。
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ペグ本体も堆積した油や埃汚れを洗浄して組み付け直し。
ロックナットキャップやスクリューも新品に交換しました。
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フレットすり合わせと、指板エッジの面取りも行い、弦高を低めにセットしてもビリ付かない状態にもって行けました。
ネック裏の手垢もクリーニングして、サラッとした手触りのサテン仕上げにしました。
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電装系部品はフロントとセンターのピックアップ以外は全て交換。
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セレクタースイッチも純正の4回路5接点タイプではなく、定番のCRL製を採用しました。

新品のRockin'Magic PRO-IIIブリッジはやはり安定感が違います。
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そのうち新品も入手できなくなると思われる(部品注文時点でヤマハでの残り個数が5台分ほどらしいです)ので、今回はとても良いタイミングだったんだと思います。

キャビティ内は銅フィラーの導電塗料を塗って更なるノイズ対策を行っています。
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ポットは選別したCTS製、コンデンサはオレンジドロップ、ジャックはスイッチクラフト、配線材はBELDENと定番の安心仕様ですね。
(でもハンダにKESTERは使っていません)
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塗装の剥げた部分はリフィニッシュによる補修となってしまいますが、全体的に汚れも落ちて見違えるコンディションに蘇りました。
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予定外のブリッジ交換があったため結構なお値段になってしまいましたが、オーナーが昔から憧れたPACIFICA CUSTOMをこれから弾き倒してくれると良いなと思います。




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Jim Dunlop 535Q Cry Baby Multi-Wahのトゥルーバイパス化
今回はJim Dunlopの誇る多機能ワウである535Q Cry Baby Multi-Wahのトゥルーバイパス化です。
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このワウは一般的なGCB-95と異なり、入力ジャックからまずバッファへ入ってから電子スイッチを通ってワウ回路かアウトプットジャックへと選択されている構造で、フットスイッチへは信号は送られておらず、全て基板上のアナログ電子スイッチでコントロールされていました。
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基板上に部品が敷き詰められ、両面にパターンが配された基板なので、シグナルフローを追いかけるのに結構大変でした。

スイッチが取り付けられた基板にはLED固定の役割もあったので、これは可能な限り再利用できるように検討しました。
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作業完了状態はこうなりました。
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9ピン機械式スイッチを使ったトゥルーバイパスになっています。
バイパス時には元々必ず通っていたバッファも通らないように変更しました。
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LEDが設置されていた基板は向きを90度変更して、LED保持用として再利用。

LEDは元々はワウON/OFFが緑、ブーストON/OFFが赤色でしたが…
今回はオーナーの意向もありまして…
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ワウONは紫、ブーストONは緑が点灯するように変更しました。
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某アイドル推しなオーナーなので、この仕様にニヤッとする人もいるはず!!

バッファによるサウンド変化があった点は否めませんが、今回のバイパス方式変更により希望のバイパスサウンドに近付いたとの事で一安心でした。

サウンドは好きだけどバイパス音がちょっと…という悩みを抱えていらっしゃって、同様の作業をご希望の場合はペダル持ち込みで8000円(税別)にて承ります。
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