機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
GRECO EG-600PBの全体調整
今回はやがて40年ほど昔のギターになる、GRECO EG-600PBの全体調整です。
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ピーター・フランプトンモデルですね。
ホロウ構造のボディにハムバッカーが3つ搭載されています。
以前にプラパーツを純正の白から黒に交換したりされたそうですが、今回は全体的にオーバーホールしつつ見た目もオリジナルに戻したい、という内容でした。

今では訴訟問題必至なので作れないコピーデザインが、この時代では色んなメーカーで行われています。
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ナットは以前に交換されているようですが、とても良い仕事がされていましたので、溝と外形を若干整えて磨いて仕上げていきます。
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フレットは若干の減りが見受けられましたが、今回は擦り合わせは行わず。
これからガンガン使っていくようならば近いうちにフレット擦り合わせが必要になってくるでしょう。
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ピックアップはU-1000が搭載されていましたが、セミオープンタイプのピックアップカバーは外されていました。
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電装系にはガリもあり、ワイヤリングも変更したいという事で一式新品部品で組み直す事になりました。

ちなみにこの配線を見ると、フロントとセンターのピックアップは常に同時にONになるようになっています。
GIBSONの3ピックアップとは異なるワイヤリングですね。
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つまりセレクタースイッチでの切り換えは以下のようになっています。
1:フロント+センター
2:フロント+センター+リア
3:リア


ひとまず部品を全て外し、キャビティ内の塗料を削り落としたら導電塗料を塗って、乾燥後にアッセンブリの組み立て。
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配線は基本はフロントとリアの2ハムバッカーコントロールにしました。
トーンポットはプッシュ/プッシュスイッチ付きになっており、フロントトーンはセンターピックアップのON/OFFになっています。
リアトーンはセンターピックアップのみの強制出力切り換え。

これにより、全てのピックアップを単体でも並列ミックスでも出せるようになっています。
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ナットも外形を整えて、磨きましたのでちゅるんちゅるんです。
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サビが出てくすんでいたフレットも磨いて艶を取り戻しました。
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ピックアップエスカッションはホワイトを探して持ち込みされましたが、ネジ穴位置が合わなかったり底面のRがボディカーブと合わなかったりしていますのでフィッティング作業は欠かせません。
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エスカッションネジも新品に交換して見た目にもかなり蘇りました。

地味なところですが、ポインターワッシャーもゴールドカラーの物に交換して金属パーツの色合わせを行っています。
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全体的にしっかりとワックス掛けを行ってありますので、お預かり時のくすんだ色合いと比べるととても綺麗になったと思います。
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これでまた昔のように第一線で使用してもらえると楽器も喜ぶかと思います。


この状態での納品後に、トグルスイッチプレートのホワイトも改めて入手出来たので交換して、よりオリジナルに近付きました。



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GRECO SE-500Wの全体調整・ノイズ処理
今回は古いGRECO SE-500Wの全体調整・ノイズ処理です。

シリアルナンバーは伏せますがG77****とプレートに刻印があるので、それを信じるならば1977年の****本目に製造されたギターという事になります。
Studio GREAMオーナーよりも年上なギターですね(笑)
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オークションで入手されたとの事で、弦も無くコンディションも正確には不明状態。
過去にも所有ギターをお任せ全体調整でご依頼いただいており、今回も大半はお任せで作業させていただきました。

SE-600とSE-500の違いはネックが1ピース、ボディが単板というのが600という事ですので、ラージヘッドの歩留まりを考えて耳貼りしてあるので500だと思われます。
写真は撮っていませんが、ボディもセンの6ピース?(厚み方向に2層、幅方向に3枚)のソリッドボディでした。
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指板は1弦側が大きく削られたリッチー ブラックモア仕様のスキャロップ指板に加工されていました。
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スキャロップ加工で問題になる、削る事によるポジションマークの欠損が12フレットで起きていました。
ポジションマーク素材がアクリルのため削る事で厚みが薄くなって透け気味になっていますが、今回は欠損部分だけの補修になりました。
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ボディは前述しましたが、アッシュに似た木目で以前は国産ギターで頻繁に使用されたセンでした。
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昔のグレコはピックアップサイズやセレクタースイッチサイズなど、FENDER定番の寸法と異なる物が使用されておりまして…
簡単に部品交換が出来ないのが時々問題になります。
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今回もピックアップをはじめ、電装系全交換をする事になったので…ピックガード毎交換する内容で提案させていただきました。

新たなピックガードに合わせてネジ穴を埋めたり開けたり…セレクタースイッチ部分もそのままだと浅くて当たるのでザグリ増したりと、過去に難儀した経験が見積り時に生きております(笑)
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導電塗料を塗って組み付けていきます。

新しいピックガードにはアルミシールドテープを貼って、定番部品を組み付け。
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ポットの並びはマスターヴォリューム、マスタートーン、ワイヤリングヴァリエーションコントロールとなっています。

ワイヤリングヴァリエーションコントロールが時計周りに全開時は一般的な3シングルのワイヤリングとなります。
1:フロント
2:フロント+センター
3:センター
4:センター+リア
5:リア
(+はパラレル接続)

このノブを反時計回りに回しきると以下のように変化します。
1:フロント×センター
2:センター-(リア×コンデンサ)
3:センター
4:センター-(フロント×コンデンサ)
5:センター×リア
(-はフェイズアウトパラレル接続、×は直列接続)

ノブを回している途中は上記の状態をシームレスに移行していきます。
コンデンサはフェイズアウト時の音量ダウン防止と音質補正のために入れています。
トーン用のコンデンサの事ではありません。

これで普段ハムバッカーのギターを使用されているオーナーのシングルコイルへの違和感を減らす事が出来ればと思い、提案させていただきました。
普通の3シングルギターとして使用する場合は、全開にしておけば良い訳です。

お預かり時のチェックでナット溝の深さに懸念があったのですが、組み上げてみるとやはりナット溝が深過ぎて解放音がビリ付く…
交換してしまうのが一番早いのですが、今後はフレットすり合わせや交換作業も控えているため、今回はあまりコストアップにはしたくない…
そのため応急的な処置ではありますが、牛骨の粉末と接着剤で練ったパテを作り溝を埋めて、かさ上げしてから溝を切り直して対処しました。
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欠損していたポジションマークですが、アクリル素材は普段在庫していなくて…
パール貝素材で対応しましたが、あまり色身の差が出ないような物を在庫から選んで補修しました。
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言われなければ交換したと判らないような雰囲気に仕上げる事が出来ました。

フレットエッジも面取りを行い、柔らかい手触りになっています。
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ピックアップにはSeymour DuncanのSSL-7/SSL-7/SSL-4を持ち込みいただきましたので搭載しました。
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センターが逆巻き逆位相(RWRP)であればミックスポジション時にハムキャンセル効果が得られるのですが、今回ご用意いただいたセンターピックアップはそうではありませんでした。
しかしギター全体でノイズ処理をしっかり行っているので、気にならないぐらいにローノイズになっています。

弦高やオクターブ調整などを行って完成です。
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今回はアームダウンのみのセッティングとなりましたが、今後フレット周りの作業も行っていくうちにフローティングにしていかれるかもしれませんね。
これから沢山弾いていってもらえると楽器も喜ぶと思います。


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