機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
Squier J.Mascis Jazzmasterの全体調整・ノイズ処理
今回はSquierから販売されているJ.Mascis Jazzmasterの全体調整・ノイズ処理です。

お預かり時から、ピックガードは純正と見た目が同じゴールドカラーのアルミアノダイズドに交換されていました。
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同じ見た目なのに交換??と思いましたが、話を聞いてみて納得。

ヘッド裏(先端部)とピックガード裏側にJ.Mascis本人の手書きサインが入っているギターなのでした。
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ナット溝は部分的に高かったり、溝の底面が荒れていたりと難なりでしたので、滑らかに修正を行います。
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ボディ裏側にはシールを剥がした糊跡に汚れがこびりついていたので、最終的には綺麗にしてワックス掛けを行う事にします。
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ネックが順ぞりだった事もありますが、お預かり時には弦高がもの凄く高くて驚きました。
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ブリッジを一番下まで下げても弦高が高すぎて「スライド専用か?」と思うぐらいの状態でした。
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ネックポケットの面出しを行うと同時に、仕込み角度を調整して対応する事にしました。

ピックアップはJazzmaster シングルとカタログ表記されていますが、アジャストポールピースを2つのバーマグネットで挟むベースプレート付きという構造で、P-90のようなデザインのピックアップが搭載されていました。
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今回は全体調整に合わせて、お持込みいただいたRETRO TONEのP-90JM "The Egg"セットへの交換を行います。

ピックガードには傷防止のためか表面にクリアラッカー塗装を施されたそうですが、ピックガード表面に塗料が定着しておらずパリパリと剥がれてしまう状態。
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脱脂してプライマーを吹いてクリア塗装を行えばもう少し定着すると思いますが、今回の補修施工は見送りとなりました。
ジャックやポット類を取り付ける際にワッシャーを介さずにナットのみで締めてあり、それも塗装を剥がしてしまう一因になっていたと思います。

お預かり時、リアピックアップの音が出ない状態でして、原因はなんだろうなぁと思っていたのですが…
ひとまずピックガードを開けてみましょう。
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この部分にも手書きサイン入り。
使われているポットや配線などは…コストなりなので、今回は全てやり直します。
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ピックガード裏側で傷などが付く可能性も低いため、サインの保護処理などはしなくても大丈夫でしょう。

リアピックアップの音が出ない原因はこのグラウンド部のハンダ付けが外れていたためでした。
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おそらくピックガードを交換する際にハンダ付けなどを部分的に行ったのだと思いますが、その時にしっかり付いていなかったのではないかなと推測します。

この価格帯でキャビティ内には導電塗料を塗ってあるし、最近のSQUIERは侮れません。
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しかし炭素系導電塗料は抵抗値が高いので、一度全て削り落してから銅系導電塗料で塗り直します。
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グラウンド配線も忘れずに行います。

ピックガードアッセンブリは全て組み直しました。
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ピックガード自体をグラウンドに確実に接続するために導電塗料と接する部分や、スイッチのネジ部分などのアルマイト被膜を剥がして導通を確保します。
ポットやジャックの取り付けも菊ワッシャを入れてアルマイト被膜を破り、確実な導通を意識しています。
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トーンコンデンサは持ち込みですが、ポットとジャックは新品を用意して交換しています。
配線材は今回はギターのサウンドキャラクターを考えてクロスワイヤを使ってみました。

ヘッド裏のサインは消えないように保護したいという事でしたので、脱脂した後にヘッド裏部分にラッカー塗装で厚塗りして塗り込み保護してあります。
ナット裏部に塗装の境目がありますが、しっかり見ないと判らない仕上がりに出来ました。
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カモメ型から、摩擦抵抗の少ないバレルタイプのストリングリテイナーをお持込みいただき交換。
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フレットや指板のエッジも磨いて面取りを行って、柔らかい握り心地に仕上がっています。
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ネックポケットの調整を行って、弦高も適正な高さにセット出来ました。
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アームを使うとTOMブリッジの引っかかりなどもありますが、そのような部分をしっかり磨いて弦との摩擦を減らしてありますので、アームを使ってもチューニングの狂いは少ない状態に持っていけました。
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部品の精度としてブリッジサドルなどに遊びが大きいので、ローラーブリッジやGOTOHのような遊びの少ないブリッジに交換するともう少し安定するかと思いますので、今後の使い方によっては交換も検討いただけると良いですね。




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FENDER JAPAN TL-62Bの全体調整の続編
2016年末にFENDER JAPAN TL-62Bの全体調整としてご紹介させていただきましたギターですが、
今回は2017年8月末に更なる変更を行うためにお預かりさせていただきました。

まずはブラックカラー化の一環としてストリングリテイナーの交換。
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標準のカモメ型からバレルタイプのブラックに変更です。
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このリテイナーの方が弦との接触面が滑らかなのでチューニングの狂いが少なくなる事が多いです。
(吊るしのままではなく、弦との接点を磨いてから組み付けしています)

そしてテレキャスターのジャックはL型プラグが使えないのと、段々緩んでくるデメリットもありまして、プレート式に変更される事が多いです。
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今回はブラス製のブラックプレートに変更して、L型プラグが使えるようになりました。
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今回の一番の難題は…ピックアップの交換です。
パッシブからアクティブのEMGに変更というのも電池問題がありますが、今回はそれ以上に大変な依頼でした。

それは…EMGにはテレキャスター用のEMG-Tというセットがありますが、それではなくストラトサイズのEMG-SAを前後に搭載したいという希望。

フロントキャビティはサイズが小さいのですが、これはザグって拡大すれば何とでもなります。
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寸法を出してテンプレートに添ってトリマーでボディを切削し、ピックガード側もストラトサイズに拡大しました。
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問題はリアのピックアップマウント方法です。
テレキャスターは前1後ろ2点で吊るす構造で、横幅はブリッジプレートとほぼギリギリなのでマウント方法を何とかしない限りそのままでは載りません。
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そこで、磁界に影響を与えない真鍮板を板金加工で曲げて、ピックアップを抱えるクレードルマウントを作りました。
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ピックアップマウントのナット3点も真鍮製を用意してハンダ付けしました。
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元々のマウント部分を削り落すので、後戻りは出来ない一発加工です。

セレクタースイッチとヴォリュームポットとの間にコネクターボックスを設置出来たので配線を行います。
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電池はコントロールキャビティ内底面に収めつつ、動かないように搭載してあります。

フロントピックアップは希望に則ってダイレクトマウントになっていますので、高さ調整時にはピックガードを外す必要がありますが、収まりは綺麗に出来たのではないかと思います。
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リアピックアップはコイルサイズは問題なさそうで、パッと見はEMG-SAが加工されて搭載されているとは判らないような仕上がりになったかと。
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感じ的に、布袋さんのシグネチャーモデルで有名なTEJのサウンドを、バンビーナキャスターのルックスで狙ったようなハイブリッド仕様になりつつありますね。
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ネックのコンディションも良く、これからもガンガン使っていける仕様になっているかと思います。
沢山弾いて、またメンテナンスで再開できる日を楽しみにしています。



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