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機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
Fender Japan ST57-115の全体調整(大幅改造)
今回はFender Japan ST57-115の全体調整です。
ちょっとした事故によりネックが折れてしまったのでどうにかならないか?という問い合わせから話が始まりました。
怪我した人がいなかっただけ幸いだったと思うしかないですが…
壊れた実機を見て絶句。
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GIBSONギターのネック折れは時々目にするので珍しくはないですが、FENDERのメイプルネックも折れるのねという感じ。
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トラスロッドも曲ってしまい、このネックは残念ですが修復ではなく交換する事になりました。
(ボルトオンネックジョイントのメリットでもありますね、簡単に交換が出来るという点は)
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ネックを外してボディ側に被害が無いかなど確認。
使い込んだ事による各部の消耗は当然ありますが、事故の被害はネックに集中していたようです。
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ピックガードを開けてみると、過去にノイズ対策として炭素系導電塗料が塗られていましたが、ラッカー塗装に対してしっかり定着していないようでした。
グラウンドへの接続もピックガードのネジ1点で触れているだけでそのポイントまでの抵抗値も明らかに大きかったので、やり直します。
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ラッカー塗装と反応して導電塗料が収縮してしまい、シールド効果が殆どない状態でした。
低音弦側のキャビティ側面には塗り忘れも見受けられます。
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ピックガードアッセンブリを見ると、ノイズ対策のためにスタックシングルであるDIMARZIOのHS-3に換装されていましたが、オーナー様はノイズ対策でチョイスしたがそのサウンドに限界を感じていたようです。
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ポットデイトは82年頭になっていますが、オーナー様は1983年に新品で購入されたJVシリアルのフェンジャパストラトです。
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古い導電塗料を全て削り落し、ネックポケットの平面出しも行っておきます。
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銅粉末フィラーの導電塗料を隅々まで塗布して、乾燥後はネジ止めだけに頼らないように配線材で確実にグラウンドへ接続していきます。
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ピックガードアッセンブリは一度全て取り外して汚れを洗い落として脱脂をしたらアルミシールドテープを貼り込んでいきます。
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ピックアップはノイズ処理を行ったFENDER CUSTOMSHOPのTEXAS SPECIALに交換し、電装部品はCTSポットの残留抵抗も多い昔ながらの部品だったので全て選別した新品で組み直しました。
(オリジナルアッセンブリは返却しています)
スムーステーパーヴォリューム、グレースバケットトーンサーキット、フロントorリアPUブレンドヴォリュームという特殊ワイヤリングになっています。
これはフロントを選択している時にこの3番目のノブを上げていくとリアピックアップを任意に混ぜる事が出来る(リアPUをチョイスしている時はフロントPUがポットに割り当てられる)ので、ノーマルのストラトでは出来ないフロント+リアというサウンドも出せます。
ハーフトーン時には3つのピックアップを全て鳴らすという事も出来るのです。
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肝心のネックですが、以前からストックしておいた未使用のストラト用リプレイスネックをフィッティング。
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ニトロセルロースラッカーのアンバー塗装で極薄サテン仕上げ。
6100番のニッケルシルバージャンボフレットを9.5Rの貼りメイプル指板に組み合わせています。

スパーゼルのロックペグを当初ご指定いただきましたが、ギアの精度や重量からGOTOH SG381ペグでトラディショナルなダイヤルロック式であるMG-Tと、ヘッド重量を軽減するためにアルミ削り出しボタンというチョイスでペグをオススメさせていただきました。
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厚すぎず薄すぎないスタンダードなCシェイプネックグリップにサラッとした半艶仕上げなので手触りも握り心地もばっちりです。
裏側の茶色いスカンクストライプは見た目だけの仕様で、ロッド仕込みは指板側からになっています。
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ナットは牛骨削り出しで作り、トラスロッドは順/逆両方の反りに対応出来る2WAY(4mm六角レンチ)になっています。
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ジャンボフレットが打たれているので今までのヴィンテージサイズフレットとは大きく変わりますが、他のメインギターがジャンボフレットを使用されているので逆にこれで違和感は少ないかもしれませんね。
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オリジナルは21フレットでしたが、このネックでツバ出しの22フレットになりました。
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ブリッジを取り付けている6本のネジはナイフエッジと触れる部分に摩耗が目立ったので、新品ネジに交換させていただきました。
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サドルは当初は純正のままでいこうと思ったのですが、弦が乗る部分に摩耗が目立ってピッチが安定しない状態でしたので交換しませんか?と相談をさせていただき…
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見た目の変化も含めてGOTOHのブロックサドルへ交換となりました。
サドルに弦溝が付いているので、弦の横ずれによるチューニングが狂うリスクを低減できます。
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スチールサドルにスチールの純正イモネジだと錆びて固着するリスクがあるので、ステンレスのイモネジに交換してあります。

完成目前でサドルを取り寄せする必要が出来て、数日待機になり…
当初はノーデカールで納める予定でしたが「間に合うならStudio GREAMのロゴを貼ってくれて良いよ」と仰っていただいたので、デカールを貼りクリアラッカーで軽く押えて仕上げさせていただきました。
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1&2弦のサウンドが軽く感じたのでストリングリテイナーも追加取り付けしました。

多くの部品が変わってしまったストラトですが…
コンディションが悪くて使えないギターは意味が無いので部品は交換が必要ならば遠慮なく変える!と仰られるオーナー様なのでこのような変化も躊躇なくGOを出していただきました。
納品後には「すぐにそのまま現場で使えそうだ」とご連絡をいただき身の引き締まる思いです。
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