機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
FENDER 1966JAZZMASTERのナット交換
今回はFENDERの1966年製JAZZMASTERのナット交換とフレットのすり合わせです。
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JAZZMASTERは64~66年で細かい仕様変更が行われており、ほぼ1966年(前期)製だと思われます。

・ヘッドのトランジションロゴとその下にあるパテントナンバーが7種類(66年前期~66年中期)
・バインディング付きラウンドボード・ローズ指板にパーロイドドットポジション(65年後期~66年中期)
・2列刻印のクルーソン・デラックスペグ(63年後期~66年中期)
・F刻印、6桁シリアル、プレートクッション無し(65年後期~74年)


フレットは過去に幅広のジャンボフレットに交換されていましたが、摩耗がかなり進み、ピッチが安定しない状態でした。
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ナットはオリジナルでしたが、経年により溝の深さがバラバラで、低くなりすぎた1弦は開放でビリつきが出てしまっている状態でした。
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ネックスタンプは1965年の9月4日となっていますが、これはネック加工の日であり、その後の工程でボディと組み合され出荷されるまでにはズレが生じます。
年末年始も迫り始め、ギターとして完成したのは1966年という事になりますね。
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ネックポケットにはバルカンファイバー製のシムが挟まれていましたが、それでも仕込み角度が浅く、ブリッジサドルでは特有の弦落ちが発生してしまっていました。
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今回は新たにシムを作成して仕込み角度を少しだけ増やす事にしました。
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オリジナルと違い、ネックポケットの奥にしっかり収まるサイズに切り出します。

そしてナットの交換をするために取り外すのですが、しっかりと周囲の塗装や接着を外してからでないと取り外した際に被害が出ます。
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今回は木材や塗装が持って行かれる事も無く、奇麗に取り外せました。

ロッドの調整を行い、フレットを擦り合わせていきます。
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6弦側がフラットの時に1弦側は少々逆反り、という軽度の捻じれが起きていましたのでこの点も考慮してフレットを削ります。

21フレットはシムの影響か、少しだけ指板面の跳ね上がりが起きていたので、この部分は少し多めに削って修正しました。
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擦り合わせただけではフレットの頭は平らな台形状態になっていますので、フレットやすりを使ってエッジを整えます。
↑21フレットは300番まで、20フレットは150番のやすりのみ、19フレットはすり合わせたままの状態です。

フレット整形にはこのようなダイヤモンドやすりを主に使用しますが、状況によって様々なやすりを使い分けています。
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フレット整形後に、やすり傷を消すため、紙やすりを使って400番から順に2000番まで磨きます。
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この時、せっかく出したフレットの頂点を削らないように気を付けます。

2000番までかけ終わりました。
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次に仕上げ用のスチールウールで更に磨いてからレモンオイルを塗ります。
   DSC08240.jpg
暫くすると指板の汚れが浮いてくるので、乾いたウエスで拭き取ります。

細かいゴミや汚れが浮いてきているのが見えますでしょうか?
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油分や汚れを拭き上げてフレットすり合わせは完了です。
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ジャンボフレットといえども流石に高さが無くなってきましたので、次回は交換をする事になるでしょう。
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次にナットですが、削っている状態は粉が舞うので、作業写真は無しです。
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バインディングの内側に収まるように削っては合わせてを繰り返します。
この写真では少し剥がれていたバインディングの接着を行っています。
また、既にナットには弦溝位置だけ軽く切ってあります。

弦を張ってナット溝を必要な深さまで切ったり、仕上げの整形や磨き上げを行い完成です。
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弦の下側半分程度がナットに収まるぐらいの形がバランスも良く見た目も良いなと思います。
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ネックの仕込み角度も変更していますし、ブリッジの調整も行わないと弦高が合いません。

これはお預かり時ですが、6弦サドルのイモネジがひとつだけマイナスネジになっています。
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いくつかのイモネジは交換された事があるようで、錆び具合は12本とも様々でした。

一度バラして、定番のCRCに一晩浸けた後に磨いて組み立てます。
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イモネジはステンレス製の新品に交換しました。


ヴィンテージギターの部品交換に抵抗がある方もいらっしゃいますが、楽器として長く使うためには交換が必要な個所も出てきます。
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オリジナルパーツは勿論返却し、もしもの時にも元に戻せるような改造や改良を先にご提案しております。

今回はノイズ処理などは行いませんでしたが、もしかしたらピックアップの高さ調整が出来るようにスポンジの交換などを今後行う事になるかもしれませんね。


ナット作成(バインディング付き) 6000円
フレットすり合わせ 10000円
ステンレス製イモネジ12本セット 840円

合計16840円でした。

これからまたメインで使ってもらえれば良いなと思います。



お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


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mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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