機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
GIBSON 1956Les Paul/GOLD TOPの調整
今回はGIBSON 1956Les Paul/GOLD TOPの調整です。
内容はいつもの全体調整・ノイズ処理なのですが、作業内容記録の意味でも書いていこうと思います。

   DSC08256.jpg
さて、1956年タイプのレスポールなのでピックアップにはP-90という、シングルコイルが搭載されているモデルですね。
(この翌年よりセス・ラバー氏が開発したハムバッカーが搭載されます)

ボディバックはナチュラルブラウン。
   DSC08258.jpg
ダークブラウンバックより、このナチュラルブラウンの方が個人的には好きです。

今回は全体的にノイズが多いので静かにしたい!という希望でした。
元々、シングルコイルピックアップなのでノイズは若干多めですが、それでもちょっと変だなと思うぐらいのノイズ量でした。

コントロールプレートを開けてみましょう。
   DSC08259.jpg
GIBSONにありがちなハンダてんこ盛りだったり配線が雑だったりはお決まりだけど、至って普通のような………

ん?
   DSC08260.jpg
(この手前のピンボケしちゃっている裸線は何だ??)

んん??
   DSC08261.jpg
(フロントのボリュームポット脇に小さな穴が…その脇にこの裸線はネジ止めされている…)

どうせ配線し直しだからボリュームポットなど全部外しちゃおう!

んんん???
   DSC08262.jpg
この穴は、テールピーススタッドにつながる弦アースを取るための穴だよなぁ…なぜその配線が無い??
実際、弦アースが取られていないのでノイズは大きかったのですが…

本来だったらこんな風になっているはず。
   DSC08314.jpg

ピックアップも外してみましょう。
   DSC08265.jpg
最近のレスポールはこんなにボディバックのマホガニーを深く削ってあるのですか??
もはやセミホローみたいだ…

問題のテールピーススタッドを抜いてみましょう。
   DSC08271.jpg
塗装を割らないように切り込みを入れて慎重に慎重に…

抜けました!
   DSC08272.jpg
穴はある!なのに配線は無い!!

いや、このスタッド穴の内部に、折れた裸線が落ちていました…


つまり、このギターは工場では弦アースが取られていたんです。
その後、コントロール部分の配線をいじったか何かの拍子でこのスタッドにつながる裸線がポキッと折れたのでしょう。
どうすれば良いか判らないので、その裸線をキャビティ内部に取りあえずネジ止めしてみた…
そんなところだと思います。

新しく配線をひき直してスタッドを再び打ち込みました。
   DSC08279.jpg
そして導電塗料を塗るために下地研磨とマスキングを行います。
(この段階でボディ全体のワックスがけも済んでいます)

コントロールキャビティもマスキング。
   DSC08285.jpg
黒い線が新しく接続した弦アースの配線。
動かしても断線しにくいように撚り線を使いました。

セレクタースイッチキャビティの内側には木材を削ったままのバリが沢山残っていました…
   DSC08263.jpg

研磨時にちゃんとこのバリを取り除いて、マスキングも完了。
   DSC08286.jpg

導電塗料を塗って乾燥させたら順に組み立てていきます。
   DSC08287.jpg

今回はノイズを気にされていたのでピックアップのシールディングも行いました。
   DSC08275.jpg
↑これはノーマル状態。

全体をショートしないように銅箔テープで巻いて、合わせ目は手早くハンダ付けします。
   DSC08276.jpg
銅箔テープはピックアップのシールドとコールドを兼ねる網線にハンダ付けしてあります。
これによりピックアップコイルはシールドに包まれて外来ノイズをシャットアウトします。


セレクタースイッチの配線も変更します。
   DSC08278.jpg
元々の配線材には4芯ピックアップの線みたいな、か細い物が使用されていたのでBELDEN製のケーブルに交換。
ノイズに強いながらも高音域が奇麗に抜けてくるサウンドです。

コントロールキャビティを通り、アウトプットジャックまで継ぎ目無しで接続します。
   DSC08294.jpg
グラウンドは全てセレクタースイッチのボディに集められてからジャックにつながる1点アース仕様です。

レスポールの配線は、ピックアップからまずボリュームに行って、それからセレクタースイッチに行き、また戻ってきてジャックにつながるという行ったり来たりの配線になっています。
ここでグラウンドが正しく接続されていないと音抜けが悪かったり、片方のピックアップだけノイズが多いなどの症状が出ます。
レスポールタイプの配線のギターは、グラウンド配線をしっかりと見直す事で結構サウンドが変わります。

コントロールプレートにはアルミテープを貼って、ここでもノイズをシールドするようにしています。
   DSC08295.jpg

組み上げて弦高やオクターブなども合わせて完成です。
   DSC08315.jpg

納品時にも、大幅にノイズが減った事を喜んでもらえたようで良かったです。


全体調整・ノイズ処理 12000円
セットネック追加料金 1000円
ラッカー塗装追加料金 1000円
エリクサー09-42弦 1350円

合計15350円でした。

作られてからそんなに年数は経っていないとはいえ、ブリッジには僅かな湾曲が出始めていますので、弦高やビリつきが気になるようでしたらブリッジ交換も視野に入れていただければと思います。




お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
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mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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