機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
FERNANDES FGZギターの調整
今回はFERNANDES製のFGZシリーズのエレキギターの全体調整です。

目を惹くのはこの手の込んだペイント!
   DSC08696.jpg
依頼主の奥様がペイントされたそうです。

ピックアップ上面はペイントされてはいませんでしたが、リアのピックアップはEMG81?に交換されていました。
   DSC08697.jpg

配線はそれぞれがちょっと長めという印象です。
   DSC08698.jpg
アクティブトーンコントロールが搭載されていましたが、どうも使いにくいとの事で今回は取り外す事になりました。

・全体調整とノイズ処理を行って使えるコンディションにする。
・アーミングの滑らかさが無いので修正し、部品がダメなら所有するスペアブリッジと交換。
・ボリュームのみの仕様にしつつ、リアとセンターのハーフトーン時にはハムバッカーをタップする。

以上のような希望に沿って作業を行っていきます。

まずはいつものようにバラして細部の確認と測定。
   DSC08700.jpg
同時にペイントを消さないように気を付けながらワックスがけも行っています。

導電塗料を塗るために下地の足付け研磨とマスキング。
   DSC08711.jpg

導電塗料を塗布したら乾燥待ちです。
   DSC08712.jpg

その乾燥待ちの間に指板やフレットのエッジを丸めていきます。
   DSC08714.jpg
↑作業前
↓作業後
   DSC08715.jpg
(軽くですが)フレットの傷消しも併せて行っているので、とても滑らかな握り心地になりました。

写真は撮影しておりませんが、ブリッジのナイフエッジが潰れて丸くなってしまっていたので、チューニングが甘かったようです。
ナイフエッジの接触する部分同士を砥ぎ出して修正してあります。


そしてリアハムバッカーのEMG81ですが、どうもおかしい…
   DSC08701.jpg
取り付けのミミが破損して無くなっているのは解るとしても、赤い配線が1本足りないのです。

モールドされているはずが取り外し出来ますし…
   DSC08707.jpg
明らかにハイインピーダンスピックアップだし…

このような状態を依頼主様にご説明させていただいた上で、ピックアップの取り付け方にも難があるという事で、今回はピックアップ交換も同時に行う事になりました。

お持ち込みいただいたのは、DimarzioのPAF-PRO(DP151)です。
   DSC08739.jpg
出力が高すぎず、フロントやセンターのシングルコイルともバランスが取り易い良いピックアップですね。

アクティブトーンコントロールを取り外した穴はメクラ蓋で塞いでおきました。
   DSC08741.jpg
今後、オーバードライブ等のエフェクターを内蔵するかもしれないので、その際にはまたこの穴を使う事になるでしょう。

配線も引っ張った時の余裕を持たせつつ、ピックアップのリード線は全然切っていませんが、余らせ過ぎないように取り回しを工夫して整えました。
   DSC08716.jpg

弦を張ってブリッジやオクターブを調整して完成です。
   DSC08738.jpg
外見ではピックアップ以外に大きな違いは見受けられませんが、バランスも良くライブで即使えるようなコンディションに仕上がったと思います。
オーバードライブの搭載など、またご相談いただけましたら幸いです。

全体調整・ノイズ処理 12000円
VOL.POT 1050円
スイッチクラフトMONOジャック 420円
CRL 5wayレバースイッチ 2100円
ダダリオ EXL-110 630円
欠品ネジ類(エスカッション、ピックアップ等) 840円

合計17040円でした。




以前に上記のような調整を行ったギターでしたが、今回は大幅な改造を施す事になりました。

「ステージで飛んだり跳ねたりダイブしたり…激しく動いてても大丈夫なライブ仕様にしたい!」

そんな希望に沿って、アイデアと部品とを持ち込まれました。

まずは純正のタケウチ製ブリッジを、フロイドローズ オリジナルブリッジへ換装します。
   DSC09679.jpg
純正のスタッドアンカーを抜いて、ボディの穴径をフロイドローズアンカーサイズに拡大します。
   DSC09681.jpg

スタッドアンカーを圧入して、スムーズに動作するかを確認していきます。
   DSC09682.jpg

センターもオクターブもばっちり合いました。
   DSC09754.jpg

そして今回の一番の山場、LINE6のG30というワイヤレスシステムがありますが、その送信機をボディに内蔵してしまいます。
(G30の送信機は小型なのですが、ストラップに取り付けするにはどうも収まりが悪い印象です)
   DSC09654.jpg
普段使用している送信機をお預かりし、基板部分だけ取り出します。
   DSC09655.jpg
表面実装基板なので入り組んでいますが、ジャックとスイッチ部分を外して配線を行います。
   DSC09656.jpg
単三型電池を2本使用する構造のため、ボディに開いているバッテリースペースに単三型のホルダーを搭載して電源供給を行います。
   DSC09658.jpg

送信機をインストールするためにボディを掘り込んでいきます。
   DSC09724.jpg
まずは基板が収まるスペース。

蓋が落とし込みで入るように一段浅く掘って、エッジの面取りを行います。
   DSC09725.jpg
バックパネルも硬質塩ビ板から現物合わせで削り出しています。
   DSC09727.jpg

このパネルを開けると送信機はこんな状態で収まっていますが、基本的には開ける必要は無いでしょう。
   DSC09750.jpg
電池はこのような金属のホルダーによってしっかりと保持され、ギターを投げても電池は落ちないであろうと思うぐらい、しっかりと収まっています。

木工作業が済んだら配線です。
   DSC09751.jpg
レバースイッチを搭載して、ワイヤレスユニットへの電源と信号のON/OFFを行っています。
電池が切れた非常事態や、ワイヤレスをつなぐのが面倒な場合は一般的なシールドケーブルで出力する事も出来るようになっています。

そのレバースイッチですが、ステージ上で引っかけて切り替わってしまったら音が出ない状態になってしまいますので、レバーロックタイプを採用しました。
   DSC09752.jpg
レバーを引っ張りながらじゃないと切り替えが出来ないようになっています。

今回の作業に合わせてピックアップの交換も行いました。
   DSC09753.jpg
フロントはVooDooの60s、センターはSymour DuncanのSSL-1に交換。

トレモロトーンスプリングや、アーミングアジャスターも新たに導入し、まさにライブギアとなって生まれ変わりました。
   DSC09756.jpg

バッテリーは工具なしですぐに交換ができるように、蓋は敢えて取り付けていません。
先日調整を行ったJames Tylerのギターでそのような状態になっていたので真似してみました。


ケーブルもつながっていないのに、アンプから音が出ている!?
そんなお客さんの反応を、オチを知っている作業者としてはコソッと客席から見てみたいなぁと思います(笑)

ワイヤレストランスミッター内蔵加工 20000円
ブリッジ交換・アーミングアジャスター取り付け調整 10000円
ピックアップ交換(2個) 5000円
バックプレート作成 3000円
トランスミッターON/OFFスイッチ(ロックレバー) 1800円
バッテリーボックス 600円
ダダリオ EXL-120 650円




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Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
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mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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コメント
コメント
ありがとうございます♪
仕上がり、かなり満足です♪
諦めていたギターが蘇り、嫁も喜んでいます。
またよろしくお願いします。
2012/07/13(金) 07:35:04 | URL | SANPEI #BqEwgRj. [ 編集 ]
Re: ありがとうございます♪
お喜びいただけたようで一安心です。
シンプルなコントロールは音抜けも違いますね。

また他のギターも見させていただけましたら幸いです。
よろしくお願い致します。
2012/07/17(火) 20:01:55 | URL | Studio GREAM #- [ 編集 ]
脱帽!
お店の名前通り正にプレイヤーの夢を叶えるような改造ですね!!すばらしいです!!
2012/10/15(月) 16:15:52 | URL | タカ #- [ 編集 ]
Re: 脱帽!
コメントありがとうございます。
ユーザーからのアイデアがあれば、どうすればそれを具現化出来るかを必死に考えて形にする仕事ですからね。
ただ、希望をすべて「はい」で応えていく事がお客様の望む結果になるとは限らないのが難しいところです。
トータルバランスなので、何かを変えれば音は変わります。
そのメリットとデメリットをしっかり説明して納得いただいた上での作業を心掛けています。
2012/10/16(火) 23:13:09 | URL | Studio GREAM #- [ 編集 ]
目から鱗
ワイアレスのトランスミッターはビルトインして初めて実力を100%発揮できるといっても過言ではないと思います。
こんなに快適になるんだったら、もっと早くお願いすればよっかた。
ワイアレスを使っている人にはとってもお勧めです♪ 仕上げも見事! ありがとうございました。
2012/10/17(水) 00:22:47 | URL | SANPEI #BqEwgRj. [ 編集 ]
Re: 目から鱗
この度はご依頼いただきありがとうございました。
ユーザーからの「こうあったら良いな」というアイデアはとても参考になりますし、実現するために考える事がとてもチャレンジングです。
鼻から出来ないと断わってしまえばエンジニアとしての成長はないので、これからもガンガンとアイデアをお聞かせいただけましたら幸いです。
2012/10/18(木) 18:44:18 | URL | Studio GREAM #- [ 編集 ]
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