機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
FENDER USA American Standard TELECASTERの全体調整
TRANSONIC NOIZのフロントマンであるKI-KUNの機材は常々見させていただいておりますが、同バンドのギタリストKEIGO氏からもFENDER USA製American Standard TELECASTERの調整依頼をいただきました。

お預かり時の全体写真を撮り忘れてしまっていますが…
汗と埃とで汚れが固まって付着し、壮絶なルックスとなっておりました。

まずは見た目に判り易く、直接触れる場所でもある指板から見ていきます。
   DSC09006.jpg
フレットには減りが見られましたのですり合わせもオススメしましたが、これは次回への持ち越しとなりました。
なるべく早めに行った方が、フレットを削る量が少なくて済み、プレイアビリティの変化を抑えられます。

角度を変えて写真を撮ると…
   DSC09007.jpg
こんな感じで手あかがびっしり…
でもそれだけ弾いてきたって事でもあり、フレットの減りも頷けますね。

フレットのエッジを丸め、指板のエッジも手作業で丹念に丸めていきました。
   DSC09026.jpg
これは磨いて汚れも落として、指板にレモンオイルを塗った段階です。

お預かり時と比べると、指板のエッジが丸くなっている事が見てとれると思います。
   DSC09051.jpg
ネック裏も磨いてワックスがけを行いましたので、手触りも良くなりました。

ネックは左手で触りますが、次に右手が触れる機会も多いブリッジを見ていきましょう。
   DSC09013.jpg
弦が乗るサドルの高さを調整するイモネジやネジ穴に汚れが溜まり、錆びてしまっていましたのでイモネジは交換する事にしました。

サドルを外してイモネジをバイスプライヤーで抜き取るのですが、外したサドル下にも汚れが溜まっていました。
   DSC09014.jpg

同様に汚れていたコントロールプレートと共に、クロームメッキクリーナーを使用して磨いてコーティングしておきます。
   DSC09019.jpg

サドルの弦が直接触れる部分にも摩耗や錆びが発生していたので、この部分も磨きます。
   DSC09030.jpg
左が研磨後、右は汚れたままの状態です。

イモネジは純正の鉄製から、錆びにくいステンレス製に交換しました。
   DSC09048.jpg
汚れていた金属パーツが輝くようになると見た目にも明るくなって良いですね。


ブリッジを外した部分に塗装欠けを発見しましたが…
   DSC09021.jpg
厚さ1.0mmほどありそうなぐらい極厚の塗装でした。
極薄塗装にリフィニッシュするとボディ鳴りも大幅に変わりそうですね。

いつものようにマスキングして導電塗料を塗っていきます。
   DSC09023.jpg
元から黒い導電塗料は塗られているのですが、導通も不十分でしたので削った上で塗り直しています。

そしてこちらはお預かり時のコントロール部分
   DSC09002.jpg
イモハンダもそうですが、配線の取り回しも問題あり。
ポットにはガリが盛大に出てしまっており、交換する事になりました。

ブリッジピックアップには銅箔テープを巻いてグラウンドに接続し、ノイズ低減作業を行っています。
   DSC09015.jpg
銅箔テープの上から黒いアセテートテープを巻いてあるので、見た目では判りにくいですね。

ピックガード裏側の、配線が通る部分はアルミテープでシールドを施しています。
   DSC09027.jpg
ただテープを貼るだけでは全く意味が無くて、それを必ずグラウンドに接続する事に注力しないとノイズを呼ぶアンテナにもなってしまいます。

ボリュームとトーンポットには最大抵抗値が揃いつつ、残留抵抗が0になるような部品をペアリング選別して使用しています。
   DSC09028.jpg
ボリュームポットの可変カーブも滑らかになるように変更していますし、トーンは絞った時のゲイン落ちが少ない回路になっています。

組み立てて完成です。
   DSC09049.jpg
汚れも落とした上で、ピックガードも含めてワックスがけを行いましたので全体的にすっきり奇麗な状態に戻りました。

このギターがTRANSONIC NOIZの楽曲にまた新たな色どりとして活躍してくれれば嬉しいですね。
   DSC09055.jpg


全体調整 12000円
ヴォリュームポット(選別品) 1050円
トーンポット(選別品) 1050円
コンデンサー類セット 840円
ステンレス製イモネジセット 840円
ダダリオ弦EXL-110 630円

合計16410円でした。




上記のような全体調整を行ったのが2012年8月でしたが、2013年1月にはフレットの擦り合わせにて再びStudio GREAMに持ち込まれました。
   DSC01141.jpg
約半年で擦り合わせという事は…相当練習していますね…
ローポジションはフレットの凹みが起きています。
   DSC01144.jpg
ハイポジションはチョーキングによって平らにすり減って、より高いポジションのフレットが相対的に高くなってしまって音詰まりが出る状態になっていました。
   DSC01145.jpg

フレット上の黒いマーキング部分が、チョーキングを多用して減って低くなった部位です。
   DSC01147.jpg
スケールで確認しながら均等な高さになるように擦り合わせを行いました。
   DSC01148.jpg
擦り合わせ後のフレットの頂点は台形になっているので、このようなヤスリで山形に整形していきます。
   画像 002
ペーパーの番手を順に細かくしていき、最後にオレンジオイルで汚れを浮き上がらせて拭き取りました。
   DSC01149.jpg
フレットの頂点は奇麗に揃い、お預かり時よりも弦高を下げる事が出来ました。
   DSC01153.jpg

フレット擦り合わせにより、ナットの溝も切り直しが必要になります。

これはお預かり時のナット。
   DSC01146.jpg
弦がすっぽりと入り込む深さになっています。

こちらは溝切りと外形の整形後。
   DSC01152.jpg
巻き弦の上半分程度がナットから露出したぐらいで仕上げています。

最後に拭き上げて完成です。
   DSC01154.jpg
またTRANSONIC NOIZの新しい楽曲で活躍してくれることでしょう!


フレット擦り合わせ 10000円でした。




お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp

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