機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
FENDER Customshop/63Telecaster Relicの全体調整
今回は当ブログを見られて、大阪のK様より愛機の調整をご依頼いただきました。

ネックデイトは2006年製になっているFENDER Customshop製の63Telecaster Relicです。
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鮮やかなパープルメタリックカラーが目を惹く一本!

購入後からずっとメインで使っているそうで、元々の傷か、新たに付いた傷か判らないぐらい馴染んだ状態になっています。
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凄まじいボディ&ネックの生鳴りで、アンプにつないでいないのに「音がデカイ!」と思いました。

ネック裏の塗装も使い込んだ風で剥がされていますが、傷は無く、とても大切に使用されているように感じました。
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こういう太めのネックは安心感があって良いですね。

ネックジョイントプレートはF.C.G.R.製のトーンシフトプレートに交換されていました。
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このプレートは素材が厚くて硬いので、ジョイントスクリューを締めても曲がっていかないのが良いですね。
(最近のFENDER USAのプレートは柔らかい物が多いように感じます)

電装系を見てみると…
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アレサンドロのポット、クライオ処理されたジャック、単線の配線材にペーパーオイルコンデンサ…
色々と拘って交換されているようです。

(誰が作業したかは判りかねますが)ハンダ付けは正直あまり上手くないと思いました。
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ポット側面にグラウンドとして各配線がハンダ付けされているのですが、イモハンダも凄い…
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この飛び出したハンダがボディに当たるためか、ボディ側をほんの少し削って逃がしてありました。

キャビティ内にはハンダが落ちたままになっており、これがともすると接触不良やガリの原因にもなってしまいます。
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勿論このハンダは取り除きます。

ジャックへの配線は絹巻きの単線と、エナメルコートされた細い撚り線が使われていました。
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端子穴に絡げてあるのですが、エナメルコートを奇麗に剥がしていないのでしょう、イモハンダになってしまっていました。

どんなに良いとされる部品を使用しても、取り付け方によって効果は大きく変わりますので注意が必要ですね。

全体調整なので、ひとまず全部バラしていきます。
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導電塗料は一切塗られていません。

フロントピックアップキャビティには63RELICと刻印されていました。
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これは取り外したピックアップです。
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フロントピックアップの金属カバーや、リアピックアップ底面にあるブラスプレートをグラウンドに落とす事はノイズ低減に効果がありますし、メーカー出荷時にもそうされています。

しかし…フロントピックアップのカバーは、収縮チューブで保護した単線の外側を更に網線で包んでグラウンドに接続してありました。
ホットの白い線はシールドせずに?ちょっとこの作業の意図が解りませんでしたが…

配線の種類がどうこうよりも、正しく確実にグラウンドに接続されている事の方が重要なので、ここは配線ごと変更しました。
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2つのピックアップともグラウンドは灰色の線に交換してあります。

ピックガードの裏側にもアルミテープが貼られていましたが、グラウンドに接続はされておらず、貼っていないのと同じでしたので…
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配線が通る部分をシールドするように正しくテープを貼って、かつ確実にグラウンドに接続するようにしています。
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ボディ側はキャビティ内の足付けを行った後で導電塗料を塗っていきます。
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導電塗料が乾燥したらマスキングテープを剥がして、キャビティ間をアースラグで確実にグラウンドへ接続します。
   DSC09425.jpg
グリーンの線はボリュームポット側面のグラウンドへ接続するための配線です。

配線後に導電塗料によるアースラグの塗り込みも行っています。
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そしてフレットが減っていたのですり合わせも併せてご依頼いただきました。
   DSC09392.jpg
お預かり時↑

フレット交換から僅か9ヶ月あまりでここまで減るという事は、毎日のようにとても弾かれている事が解ります。

すり合わせを行った状態で、山の整形はまだ行っていません。
   DSC09420.jpg

山の整形と、指板のエッジの丸め処理を行った状態です。
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オレンジオイルで保湿とクリーニングを行います。
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ジャンボフレットに交換されていたので、すり合わせ後も充分なフレット高さが確保できたと思います。
   DSC09423.jpg
元々の状態で指板のエッジは若干は丸められていたのですが、追加でもう少し丸めました。

そしてこちらは組み直したアッセンブリ。
   DSC09427.jpg
黄色の配線は60年代のLENZの撚り線です。
ハイミッドの艶やかさがこのギターに合うかなと思い、ホットのラインに使用しました。

ポット側面にハンダすると見た目にも汚いし、イモハンダになるのでグラウンド用のラグ端子を取り付けてみました。
   DSC09429.jpg
ピックアップからの配線とキャビティの導電塗料がこの端子を通じて確実にグラウンドに接続されます。

ジャックへの配線は前述のLENZと同年代のクロスワイヤー撚り線をツイストして使用しました。
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端子穴にはしっかりと絡げてハンダ付けしてあります。

完成後の外観に大きな変化はありませんが、各弦のバランスが良くなり、太く抜けるサウンドになったと思います。
   DSC09432.jpg


納品後にK様より、ありがたい感想をいただきました。

昨日は、仕事でアコースティックのライブがあって、ライブ終了後にお世話になったテレキャスターをライブハウスで弾かせてもらったのですが、つい先程、自宅に戻ってきました。

延々8時間程弾きましたが、以前とはコード感も見違える程よくなっていて、その場に本物の63年テレもあったのですが、それよりも音がよくて皆さん驚いてました。

配線は60年代のレンツということですが、確かにハイはうまいことぬけていくし、あまりぬけなかった3&4弦のハイ成分が綺麗に出ていて、弾きながら感動してしまいました。笑

エレキでもアコギでも、ギター選びの際に必ずする事が、ギターを正面に向けて左手でAadd9を押さえて鳴らす事なのですが、ブリッジの鳴りは変わらなくても生音の分離感が以前とは違い、かなり良くなっていて、素晴らしい調整はこんなにもギターを生まれ変えさせることが出来るのかと心から感動しました。

エフェクターは歪みとトレモロ以外使わないのですが、かなり歪ませてもノイズがなくハイ落ちもなくて、本当に理想の音、ギターになりました。

鈴なり感、エレキだけど、アコギみたいというのが特徴のこのギターを、大切にしていきますので、これからも宜しくお願いします。笑

それでは、本当にありがとうございました。
これからも宜しくお願い致します。



こちらこそ遠方よりご依頼いただきありがとうございました。
このような感想をいただき、身の引き締まる思いです。
楽器の本来持っている性能を超える調整は出来ませんが、正しく100%に近付くように引き出す事に注意して調整を行っております。
またご依頼いただけましたら幸いです。


全体調整・ノイズ処理 12000円
ラッカー塗装アップチャージ 1000円
フレットすり合わせ 10000円

合計23000円でした。
(別途、大阪⇔熊本間の送料をご負担いただいております)



お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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