機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
YAMAHA SESSIONII 912Pの全体調整
今回はYAMAHAのSESSIONII 912Pの全体調整です。
上記リンクの旧製品アーカイブを見ても判る通り、1987年の後半にのみ生産された、とても短命でレアなギターです。
   DSC09435.jpg
およそ35年前のギターなのに、大切に扱われてきたのでしょう、素晴らしいコンディションです!!

ゴールドメッキの金属パーツはさすがにメッキが剥げてしまっていますが、使われながらの状態でこの傷の少なさは驚きです。
   DSC09436.jpg
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弦の摩擦を減らすローラー状のナット。
   DSC09439.jpg
各弦独立では動かないのですが、チューニングに対して考え、無い物は作ってきたヤマハの努力が現れていますね。

フレットにはダンロップの6100番ぐらいのジャンボフレットが採用されています。
   DSC09441.jpg
指板エッジとフレットエッジは尖っていたので、丸めておきます。
   DSC09449.jpg
施工後↑ 作業してこう変わりました!的な解り易い写真がやっと撮れました。

次に電装系を見ていきます。
   DSC09434.jpg
ジャック部分を見てみると…
パネルにはシールドテープが貼られていないのに、キャビティ側にはテープが貼ってある…

内部の配線は以前に修正を施したそうで、実際見てみても丁寧に作業されていました。
   DSC09442.jpg
写真では見えにくいですが、ジャックへの線は白2本と黒2本を使い、更にシールドしてあります。
   DSC09443.jpg
この配線方法は断面積が増えるので線材の抵抗値は半分になりますが、線間容量は増してしまうので、時に(僅かではありますが)ハイ落ちなサウンドになる事もあります。

キャビティ内には導電塗料が塗られていました。
   DSC09444.jpg
しかし一般的な炭素系フィラーのためテスターで測っても導通とまではいきません。
これはStudio GREAMで定番の銅フィラーの導電塗料で塗り直していきます。

部品を外し、マスキングをしたら導電塗料を塗って乾燥待ち。
   DSC09451.jpg
アッセンブリは殆ど変えていないです。
   DSC09467.jpg
細かい部分のハンダ付けの修正や、ジャックへの配線種類を変更し、ボリュームのカーブをちょっといじった程度です。

ジャックのキャビティにも導電塗料を塗って、パネルにはアルミテープを貼り込みました。
   DSC09488.jpg
これでジャック部分もしっかりとシールドされて、ノイズレスになりますね。

これらの作業と並行してブリッジをバラしてクリーニングを行っていたらオクターブ調整ネジが1本錆びて固着しており全く回らない状態でした。
   DSC09468.jpg
浸透潤滑剤をネジに吹きかけ、バイスとプライヤーで挟んでゆっくりと少しずつ回して抜いていきます。

オクターブ調整ネジは新しい物に全て交換しました。
   DSC09513.jpg
普通にM3のネジを使ってあったので、新品の入手は簡単でした。

弦はエリクサーの09-42ゲージを張りました。
   DSC09514.jpg
フレットも貴金属磨きで磨いてから弦を張っているのでピカピカです。

目立った部品交換は行っていないので、完成状態では当初と大幅な差はありませんが、弦高も低く調整して、また使える状態に仕上がりました。
   DSC09512.jpg
貴重なモデルなので、これからもずっと大事に使用していっていただきたいなと思います。


全体調整・ノイズ処理 12000円
オクターブ調整ネジ 315円
Elixer 09-42弦 1470円

合計13785円でした。



お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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