機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
FENDER USA 1965JAGUAR/3Tone Sunburstのフレット擦り合わせ
今回は熊本で活動するバンドzankyo-souchiのS氏より、1965年製のFENDER JAGUARのフレット擦り合わせ依頼をいただきました。
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傷や塗装の溶けなど、使用感漂うルックスですが、ブリッジサドルがムスタング用に交換されていたり、フレットもミディアムジャンボタイプに交換されていたりと、使用するギターとして歩んできた印象です。
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ネック裏は殆ど塗装が剥がれ落ち、ナチュラルオイルフィニッシュ状態になっていました。
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裏面もエッジ部分には細かい傷がびっしりです。
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コントロールプレートを開けてみました。
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ポットは交換され、配線もプリセットスイッチなどは取り外され、ピックアップON/OFFスイッチとヴォリューム、アウトプットジャックというシンプルな構成に変更されています。
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変更された部分の配線は黒のビニール被覆線が使用されていました。

今回は何とこのギターのリアピックアップをSeymour DuncanのSJAG-2bに交換も行います。
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オレンジ色の配線はこのギター内の配線で長めだった物を切って使用しています。
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年代を揃えてあげた方がバランスも良いだろうという考えからです。
ハンダも1960年代のKESTERを使用しました。

オリジナルのピックアップとSJAG-2bは位相が逆になっておりましたので、ピックアップの配線を入れ替えて位相を変更してあります。
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髪の毛よりも遙かに細いコイルワイヤーなので、切ってしまわないように扱いにはとても気を遣います。

プラスチックカバーとヨークはオリジナルピックアップから移植して組み立てました。

ネックポケットにはかなり厚めのシムが入っていましたが、ボディに食い込んで凹んでしまっていたので、ポケットを修正しつつ、新しくシムを作成して仕込む事にします。
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フレット擦り合わせを行う前に、ペグを取り外してクリーニングも行っておきます。
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1弦のブッシュは異なる形状の物が使われていましたが、サイズは合っていないし、ペグ全体でガタつきが大きい状態でしたので今後ペグの交換を行う事になるかもしれませんね。

ナットはTUSQに交換されていましたが、市販状態のまま取り付けたような感じで整形がイマイチ。
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溝も荒れていたので、外形を整形しつつ、溝も切り直します。

使用によるフレットの部分的な減りが大きく、また交換された時の作業があまり上手くはない印象で、フレットレベルもバラバラでした…
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最終フレットにはエッジ部分の浮きも起きていまして、撫でると引っかかるような状態でした。
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浮いた状態のままでフレット擦り合わせを行ったのでしょうか…
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最終フレットの頂点だけ平らに削られて、山の整形も中途半端でした。

ひとまず浮いている部分は接着剤を入れつつ、クランプで固定して指板に密着させておきます。
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その後にサンディングブロックでフレットの擦り合わせを行っていきます。
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フレットレベルがバラバラなので、結構多めに削る必要がありました。
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山の整形を行って、ひたすら磨いて、オレンジオイルを塗った状態です。
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浮いていた最終フレットも、奇麗に修正出来て引っかかりが無いような状態になりました。
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ローポジションのフレット凹みも無くなって、不安定なピッチも多少改善されました。
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ハカランダの木目がとても美しい指板ですね。

作成したシムの写真を撮り忘れましたが、柾目の杉の薄板材をカットして使いました。

弦を張って各部の調整を行います。
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ネックの仕込み角度を修正したおかげで、ブリッジに弦が乗る角度もお預かり時よりも鋭角になり、より張りのあるサウンドになりました。
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ワックス掛けをして完成です。
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完成後は「アコースティックギター?」と錯覚するほどに生音が大きなギターになって、気持ち良くて暫くは仕事を忘れて弾いてしまいました。
なかなか無いです、こんなに心震えるギターは。


このギターは今後もガンガン使っていってほしいですね。
素晴らしい楽器の調整をさせていただき感謝です。


フレット擦り合わせ 10000円
ピックアップ交換 3000円
ダダリオ EXL-110 630円

合計13630円でした。





上記のような調整で暫く使われていましたが、今回はペグを交換する事になりました。
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まずは純正のペグ。
およそ半世紀前の物で、ガタつきやシャフトの曲がりなどが起きています。

交換するペグはGOTOH製のSDS510-HAPM-05というモデルです。
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弦をロックするマグナムロック機構と、ポスト高さを調整できるHAP(Hight Adjast Post)機構が組み合わされたGOTOHのフラッグシップモデルです。

早速オリジナルのペグを取り外して穴径を確認します。
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オリジナルの穴径は小さく、このSDS510を取り付けるには若干の穴径拡大が必要になります。

ドリルで必要なサイズよりちょっと小さめまで拡大してからは、紙やすりを巻いた棒で削っては測り…しっかりと収まるようにサイズ合わせを行いました。
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この時点ではペグブッシュも圧入してあります。

新しいペグの取り付けが完了しました。
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新品なのでピカピカですが、暫く使用していると良い雰囲気に艶消し状態になっていくでしょう。

ペグポストの高さを調整して、1&2弦のストリングガイドが外せるような状態にしました。
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マグナムロックは弦を巻きつけること無くチューニング出来るペグですので、チューニング完了状態でこのような見た目になります。
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これを今までのようにポストに巻いてしまうと、意味がありませんのでご注意ください。


510シリーズはギアの遊びが少なく、ガタつきが感じられないような素晴らしい品質です。
ペグを緩めていく方向でもチューニング出来てしまうぐらいの精度は素晴らしいの一言!
何よりも大事な基本であるチューニングに拘る事で、結果的により前へ抜けるサウンドになりますよ。



お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
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Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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