機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
GIBSON CUSTOMSHOP 1959ES-335 V.O.S.の調整
今回はGIBSON CUSTOMSHOP製1959ES-335 V.O.S.の全体調整とナット交換です。
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相当な数を弾いて弾いて弾きまくって巡り合った一本だそうです。
素晴らしい耳をお持ちの方なので、その楽器となるといつも素晴らしい物ばかりで返したくなくなります(笑)

さて、V.O.S.という仕様上、若干の使用感があるような仕上げになっています。
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新品ですが、ピックガードには弾き傷だったり、くすみだったりがリアルに処理されています。

ペグブッシュの段差や、インレイの位置もヴィンテージに忠実に復刻している印象。
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ロッドカバーの位置も良い感じですが、このナットの仕上げはどうしたものか…
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どうも野暮ったい感じなんですよね、音も抜けないし…
オーナーはヴィンテージスペックに拘っている訳では無いそうなので、ここは新品ですが潔く交換します。

ピックアップを外してみると…
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とてもタイトに切削されたキャビティに収まるは57CLASSICピックアップ。
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ピックアップカバーのハンダ付けはよろしくないイモハンダでしたので、修正しておきました。

メイプル合板トップとセンターブロックの間にスノコ状に溝切りされたスプルース材が挟まって作られているのがよく判るアングルですね。
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飛び出している太い針金みたいなものは、ブリッジアンカーにつながるアース線です。

今回はボリュームのスムーステーパー化と共にノイズ処理も可能な範囲で行う事になったため、コントロールアッセンブリを取り外していきます。
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まるでパズル!しかし何本も同じ作業をやってくると何となくコツが解る訳で…そんなにストレス無く取り外し完了。

こちらは取り外したアッセンブリ。
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ハンダは全体的に盛り盛りでしたが、配線は端子に絡げてからハンダ付けしてあるし、カスタムショップともなるとレギュラーラインとは違うなぁと思いました。
まぁ、全て外してやり直す訳ですけども(笑)

先にキャビティに導電塗料を塗っておきましょう。
   DSC01232.jpg
ピックアップキャビティだけなので短時間で塗付終了。
乾燥したらアースラグを取り付けて…といつもの作業を行います。

乾燥待ちの間にアッセンブリの組み直し。
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これはES-335のポット位置に合わせた穴が開いている板に、部品を取り付けて配線の長さを調整しながら組み立てたところ。
配線はBELDEN8412をほぐして使用し、外側は編組シールドを用いてシールディング。
更にショートと酸化防止のために収縮チューブで外側を保護しています。

元の位置に戻して取り付けるのが一苦労なのですが、たった一枚の写真で完成となると…苦労が見えにくいですね(笑)
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ここでひと段落して、ストラップピンの穴を埋めて開け直します。
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穴埋めをしたら表面と同じ位置まで削って整えます。

場所が違っていますが、ネジ穴をあけまして…
   DSC01237.jpg
持込みいただいたシャーラーのロックピンを取り付けました。
   DSC01238.jpg
ロックピンのネジが細く元々のネジ穴が広かったために、色々な方法を考えた結果…埋めて開け直しをチョイスしました。

指板のエッジは比較的滑らかに仕上げてはありましたが、どうも引っかかる感じがしまして…
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薄めのバインディングなので、削り過ぎないように注意しながら面取り。
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フレットとバインディングの境目部分も、より滑らかになるようにやすりをかけてあります。

そして一番の鬼門であるナットです。
   DSC01231.jpg
取り外す時に塗装を割らないように、しっかりと塗装との境目にカッターを入れてからハンマーで軽く叩いて取り外しました。

交換に使用したナットは定番のTUSQです。
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この時には荒削りや大体のナット溝も切り終えたところですね。

今回は最終的に2000番まで磨いて仕上げました。
   DSC01243.jpg
エッジも取れて当初よりもスマートなルックス。
立ち上がりの早いパンチのあるサウンドになりました。

全体的にワックス掛けを行って、完成となりました。
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全体調整・ノイズ処理 12000円
ラッカー、セットネック、ホロウボディアップチャージ 7000円
ナット交換 5000円
アッセンブリハーネス作成・スムーステーパーヴォリューム加工(1台分) 2100円

合計26100円でした。

ヴィンテージテイストが薄く感じられつつも、鉈や鉞のような音の塊でガツンと殴りつけられるような主張のあるサウンドでした。
ピッキングレスポンスは速く、ソリッドとフォロゥの良いとこ取りしたギターだなぁと改めて思いました。



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