機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
FERNANDES ST-TYPEの調整と改造
今回は色鮮やかなカラーが目を惹くストラトタイプの調整と改造です。
   DSC01988.jpg
中古で約1万円ほどで入手し、フレット交換やリフィニッシュを経て蘇ったギターですが、更なるグレードアップのため、Studio GREAMでノイズ処理やミッドブースター搭載などの作業を行う事になりました。

とても薄いニトロセルロースラッカー塗装なので扱いには気を使いますね。
   DSC01993.jpg
凄まじい生鳴りは「昔の国産ギターは手を入れれば本当に生まれ変わるので、もっと評価されるべき!」との思いを新たにさせられました。

ネックプレートにはFERNANDESの刻印がありましたが…
   DSC01994.jpg
シリアルもヘッドデカールも何も無いので、FERNANDES製だったかどうかはオーナーのみぞ知る、です。

リフィニッシュ時にフレット交換とナットも交換されていました。
溝の深さもバッチリでしたが、ナット幅全てで弦に触れている状態でしたので、この部分はヘッド側を少し透いておきます。
   DSC01992.jpg
指板のエッジはもう少し丸めても良いかなと思いましたが…フレット交換は完璧!
「いい仕事してますねぇ!」(笑)
   DSC01991.jpg
ネックポケット脇には1.2mmほどの隙間がありました。
   DSC01996.jpg
隙間がある状態は全てがNGだとは思いませんが、ネックが横にずれたり動いたりしてしまう状態ではNGです。

ジャックのハンダは悪くはないですが、もう少し絡げてハンダしてあるとより安心ですね。
   DSC01997.jpg
今回はステレオジャックに交換するので、一度取り外します。

ピックガードを開けてみると…
   DSC01998.jpg
ピックガード裏のシールド処理はされていません。

コンデンサはオレンジドロップが付いていました。
   DSC01999.jpg
ヴォリュームポットのハイパスフィルターはテレキャスターと同じ値であり、絞るとローカットされてチャキチャキな音になるので…滑らかに音量が落ちるように修正を行います。

内部には炭素系導電塗料がしっかり塗られていました。
   DSC02000.jpg
前オーナーがしっかり手を入れていたのでしょうね。
しかし銅系の導電塗料に塗り直すために一度この黒い導電塗料は削り落してしまいます。

そして今回のポイント!
ミッドブースターを搭載するにあたり、電池をどこに収めるかが問題になってきます。
   DSC02001.jpg
電池スペースを掘る事になるのですが、そのためのテンプレートを作成しつつ、端材で試し掘りしてサイズの確認。
   DSC02002.jpg
ガタつきやビリつきも出ず、かつ取り出しもし易い絶妙なサイズでテンプレートの作成が完了。

この後でボディに電池スペースを掘り込んで、導電塗料を塗りました。
   DSC02005.jpg
既にアースラグも取り付けてある状態です。
   DSC02010.jpg
電池を納めるとぴったりサイズです。

ピックアップコイルにはいつものように銅箔テープを巻いてシールディングしました。
   DSC02003.jpg
一番手前が施工前状態ですね。

ピックガード裏にはアルミテープを貼り、アッセンブリの組み込みを行いました。
   DSC02006.jpg
ヴォリュームポットとセレクタースイッチの間にミッドブースター基板を設置しました。
   DSC02008.jpg
小型にデザインしてあるので、設置スペースには殆ど困る事はありません。

パッと見はステレオジャックですが、リング端子の長さがちょっと特殊なジャックに交換。
   DSC02009.jpg
ストラトのジャックキャビティだと、一般的なステレオジャックでは端子が壁面に当たってしまい、プラグが挿し込めないのです。
その場合はジャックを曲げて加工するか、こういう特殊形状の物を使用して対処しています。

指板のエッジのみ面取りを追加加工しました。
   DSC02011.jpg
やっぱり柔らかい握りの感触は病みつきになります。
   DSC02015.jpg
外形は変更していないので、見た目には違いが判りにくいですが…ナット溝も切り直しています。

ネックポケットの隙間は木材でスペーサーを作成して貼り付けてあります。
   DSC02014.jpg
スペーサーは木材の色が目立たないように黒で塗りました。

途中の写真はありませんが、ブリッジは一度バラしてブロックとプレートの接合面の平面出しを行って、組みたて直しています。
   DSC02013.jpg
3弦で1音半アームアップ出来るフローティングで調整しました。

全体的にワックス掛けを行って完成です。
   DSC02012.jpg
コントロールはマスターヴォリューム、マスタートーン、ミッドブーストという状態になりました。


電池ボックスは交換の利便性を考えて外側に掘る事も勿論出来ますが、電池交換の頻度って半年から1年に1回ぐらいなんですよね。
このギターのオーナーはプロミュージシャンのギターテックをされていますので、ピックガードを開けて電池交換なんて難しい作業ではないとの事で…
見た目に変更が無い、電池内蔵スタイルでの作業となりました。

このような様々な希望を聞いて、打ち合わせの上で作業対応させていただいております。

全体調整・ノイズ処理 19000円
バッテリースペース掘り加工 5000円
ミッドブースター作成・搭載 12000円
CTS VOL.POT 1000円
CTS TONE POT 1000円
CRL 5Way Lever SW 2000円
SWITCHCRAFT STEREO JACK 600円
DURACELL 9V BATTERY 500円

合計41100円(税別)でした。


お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
関連記事
スポンサーサイト
コメント
コメント
さすがプロフェッショナル!
すごいですね。

元々の塗装はポリだったのでしょうか。
あれはあれでいいと思います。

ギターというと、いかに歪ますか、ということに意識がいきがちですが、クリーントーンも大切にしたいですね。
2016/03/04(金) 09:33:49 | URL | 角町暴威 #- [ 編集 ]
Re: さすがプロフェッショナル!
コメントありがとうございます。
当店でお預かりした時にはリフィニッシュやリフレット後の状態でしたので、元々の塗装がどうだったかは判らないのです。

ネックポケットの密着具合だったり、ブリッジの取り付けなど弦振動にかかわる部分を突き詰めてセットアップする事で楽器は大きく変わります。
しっかり全帯域が出ていれば、引き算の音作りが出来るのでとても自然なニュアンスがローノイズで出せるようになります。
2016/03/04(金) 21:41:10 | URL | Studio GREAM #- [ 編集 ]
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック