機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
TOP GUITARS ST-TYPE"楓"の全体調整
兵庫県神戸市に工房を構えるTOP GUITARSでオーダーメイドされたST-TYPE"楓"の全体調整です。
   IMG_0731.jpg
スペックなどは詳しくは上記リンクを参照いただきたいです。
楽器の世界ではただただ古い品がヴィンテージパーツとして珍重されたり、○×処理など物理的にどうなの?というオカルトめいた事がもてはやされている珍妙な世界ですが…このクラフトマンの「なぜこのチョイスを行ったかに明確な理由付けが説明出来る事」が好きな点です。
楽器のサウンドは全て物理法則に支配されており、オカルトの入り込む余地は無いとStudio GREAMとしての考え方に共感できるからです。

さて、前置きが長くなりましたが、木材を出来る限り残すために採用されたツースロットスプリングキャビティーが採用されたボディバックも見慣れない印象です。
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ネックジョイントプレートには軽量で硬いアルミ系合金であるジュラルミンが使用されています。

ネック材には国産の材である板屋楓が使用されています。
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ラージヘッドスタイルなので、継木してデザインされたヘッドも素敵ですね。

指板にはベースでは採用例が多いウェンジ材が使用されていました。
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硬質で摩耗にも強く、手触りも良い材ですが、指板のエッジはもう少し丸めたいなという印象でした。

指板エンド部分のロッドアジャスト機構は大変便利。
   IMG_0733.jpg
ピックアップはWILDE USAのMICRO COILピックアップが使用されています。
シングルコイル構造を見つめ直し、極力小さなコイル体積と強磁力マグネットを使用する事でシングルコイルサウンドとローノイズ、ヴィンテージとモダンの両方を備えたピックアップです。

ピックガードアッセンブリを見ていきましょう。
   IMG_0739.jpg
今回はノイズ処理と配線の修正を行うのですが、後述するボディ側のスペースのため、配線の取り回しにはとにかく気を遣います。

コントロールはマスターヴォリューム、リア専用トーン、ローカットトーンという並びですが、お預かりした時点で断線していたのかローカットコントロールが効かない状態でした。
   IMG_0738.jpg
実際に開けてみるとコイルから出ている白い線が断線していました。
運搬時の振動などで切れてしまったのでしょうか…

インディビデュアライズドコントロールキャビティーという舌を噛みそうな名前のキャビティは、部品を納めるのがギリギリのスペースで、量産には全く向かないがサウンドを追い求めた結果であると思います。
   画像 001
内部には炭素系導電塗料が塗られていましたが、今回は銅系の導電塗料で更なるノイズ処理を施します。
   IMG_0747.jpg
そしてピックガードアッセンブリを組み直しました。
   IMG_0748.jpg
導電塗料によるノイズ処理のハイ落ち対策として、高域が奇麗に出る銀メッキ単線を全面に使用しています。
ローカットコイルは振動で動かないように、ピックガード裏に両面テープで貼り付けました。

これを納めるのがとにかく大変でしたが…写真は無いですね、格闘中でしたから。

次にブリッジをバラして調整していきます。
   IMG_0741.jpg
ジュラルミンプレート、ジュラルミンブロックにRAW VINTAGEのプレスサドルという組み合わせ。

弦がよく切れるとの事で確認したら、サドルと弦の接点は溝が付くぐらいに荒れてしまっていました。
   画像 004
この荒れた部分を磨いたのが右で、作業前は左です。

プレートから弦が出てくる穴のエッジ部分も滑らかなカーブを描き、弦と接触しないようにハンドリューターを使って面取りを行いました。
   IMG_0749.jpg
巻き弦側の穴はエッジの面取りのみになっています。

イモネジ類のグリスアップも行って組み付けました。
   IMG_0751.jpg
指板とフレットのエッジは定番の面取りを行って、より柔らかな握り心地になっています。
   IMG_0746.jpg
全体的なワックス掛けを行って完成。
   IMG_0750.jpg
弦高は標準よりも若干高めをご希望でしたので、そのように調整を行いました。
肝心のサウンドは…弾く前に音が出てくるような錯覚に陥るぐらいに音が速いギターになりました。
音も太いし、ストラトの形をしたレスポールみたいな印象です。


全体調整・ノイズ処理 19000円
ブリッジの弦溝切り調整 4000円
ダダリオ 10-46弦 650円

合計23650円(税別)でした。


お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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