機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
PROVISON STM-24CTMの全体調整
今回は山口県にあるカスタムメイドの工房PROVISIONで作られたSTM-24CTMの全体調整です。
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オーナーは知人から譲ってもらったばかりで、まずは一通りメンテナンスを!との事で大牟田市からご来店いただきました。
STMという名通り、実はミディアムスケールのストラトなのですが、ボディやヘッドのサイズも一般的なストラトよりも全体的に小さくダウンサイジングされています。
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フレットタング脇の塗装割れでも確認できるように、ネック材が乾燥により縮んでしまっていました。
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併せてねじれも生じており、フレットレベルが狂い音詰まりが発生してしまっている状態でした。

ネックヒール部分は滑らかにカットされたヒールレス処理が施されています。
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ブリッジピックアップは交換されていましたが、今回は通常のシングルコイルにしたいとの事でピックアップをお持込みいただきました。
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…が、それが思わぬ苦労の種になるとはこの時はまだ気付きませんでした…

ブリッジサドルは錆によりイモネジが固着してしまい、全く動かない状態でした。
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いっその事交換してしまいましょうとの話になり、サドルを取り寄せている間に作業を進めます。

チェック時に「やけにノイズが多いなぁ…きっとノイズ処理とかされていないんだろうな」と思いながらピックガードを開けてみると…
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銅箔テープがしっかり貼られているのに全くグラウンドに接続されていないのでノイズ低減効果は見込めない状態でした。
(導電塗料にしろ、金属テープにしろ、しっかりとグラウンドに接続しないとノイズシールド効果は得られません)

ピックアップのアルニコマグネットも然り。
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これはテープはグラウンドに接続されていますが、ポールピースと銅箔との間に糊が存在しているため、マグネットがグラウンドに接続はされていませんでした。

コイル自体に巻かれた銅箔テープだけはしっかりとグラウンドに接続されていて、若干のシールド効果は得られていると思いますが、巻きがルーズだったためドライブさせると共振を起こして不要なハウリングを起こす原因になってしまっていました。
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結局は全ての銅箔テープは剝してからシールド作業をやり直しています。

ボディ側のキャビティ内にも銅箔テープが貼り込まれていましたが、全てのテープが導通していません。
合わせ目にハンダ付けしてあれば良かったのですが。
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全て剝してみると…炭素系導電塗料が塗られていました。
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元々はこの導電塗料はアースラグを介してグラウンドに接続されていた痕跡がありました。
しかし、上記の作業を行った方がそのグラウンド配線も撤去してしまっていたために、元々よりもノイズが増えてしまっていたという状態でした。

ピックガード裏にはアルミシールドテープを貼り込み、端から端までしっかりと導通するように確認してからアッセンブリを組み込んでいます。
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持ち込まれたピックアップは極端に出力が低めのピックアップだったために、音量バランスを考えてフロントに使用する事にしました。
先にあったフロント&センターは逆巻き逆位相のハムキャンセル関係にあったため、フロントに搭載するピックアップの位相も合わせねばなりません。
詳しくはややこしい話になるので割愛しますが、全てのピックアップの配線は交換する必要がありました。
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一般的な飴色のゴムチューブは経年で固着して弾力性が無くなるため、当店では経年劣化しにくいシリコンゴムを使用しています。

トーンはフロントピックアップのみに効けば良いとの意向でしたので、センターとリアはトーン回路はつながっていない硬質なサウンドです。
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ポットはクリーニングして再利用しました。

元々塗られていた炭素系導電塗料を削り落して新たに導電塗料を塗布しました。
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アースラグで確実にグラウンドへ接続する事を忘れません。

導電塗料の乾燥待ちの間にフレット擦り合わせを行いました。
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捩れが出ていた部分は多めに削っているので、ハイポジションのフレットは結構低くなってしまいました。
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交換したサドルはGraphtechのSTRINGSAVERです。
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プレスサドルではなくブロック状が良いという点と、もう少しサウンドを太くしたいとの事でこのチョイスとなりました。

全体的にワックス掛けを行って完成です。
ピックガード上のネジ類は全てステンレス製に交換し、とても奇麗な状態に蘇りました。
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ミディアムスケールのギターを普段所有していないので、チェックで弾いているとフレット間隔が狭い感じがありましたが、細かいパッセージや、ストレッチフレーズを弾く人には良いかもしれませんね。


全体調整・ノイズ処理 15000円
フレット擦り合わせ 10000円
スイッチクラフト MONOジャック 400円
エリクサー弦(10-46) 1500円
Graph Tech PS-8000-F0サドル 4000円
ステンレスネジセット 1000円

合計31900円(税別)でした。




この上記作業から約10か月後、リアピックアップ交換作業をされたご本人様よりご指摘をいただきましたので加筆修正・内容訂正をさせていただきます。
正確には、
リアピックアップのみを交換作業し、その他の作業(ノイズ処理やネック反りなどのコンディション)に関しては一切ノータッチである!という事でした。


この度はご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありませんでした。
謹んでお詫び申し上げますと共に、今後の個人情報の取り扱いに関しては再発せぬ事は勿論、より一層の配慮をしていきますのでご容赦いただけましたら幸いです。





お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


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Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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