機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
CASIO PG-380のピックアップ交換とカスタマイズ
今回は凄まじいギターの改造でお預かりしました。

CASIO PG-380という、シンセサイザー内蔵エレキギターのピックアップ交換とカスタマイズです。
   IMG_1657.jpg
アルダーボディ、メイプルネック/エボニー指板という材構成です。
聞くところによるとフジゲンで製造されたとか。
1980年代当時で23万円程度もする高級ギターだったようです。

コントロールはマグネットピックアップVOL.&TONE、シンセVOL.という内容です。
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マグネットピックアップはローインピーダンスタイプのように見えますが、中身はパッシブタイプです。

アウトプットジャック部分は込み入っており、シンセ用電源スイッチやアダプタージャックまで用意されています。
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ボディ裏側は凄まじい蓋ふたフタ…
   IMG_1655.jpg
木材で作る必要性があったのかと疑問にも感じますが、ギターとしての作りは良く、セミホロー構造のような木部と重量物である内部基板回路により独特の鳴りを聞かせます。

今回はそもそもこの仕様のギターにしたいとの事でお問い合わせをいただいたのが発端です。
   PG-380.jpg
ピックアップはEMGに換装しつつ、コントロールはマグネットピックアップVOL.&EMG SPC、シンセVOL.という内容にします。
この記事ではグラファイトネックになっていますが、今回はネックはオリジナルのままで、電装系の変更作業を行っていきます。

ピックガードを開けてみると…配線がグジャッと詰め込まれていてあまり奇麗な仕上がりでは無い印象でした。
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実際に使用するのはシンセヴォリュームのみなので、他は全て取り外してしまいます。
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キャビティ内には導電塗料が塗られ、ピックガード裏にもアルミテープが貼られ、ノイズ対策はしっかりと行われていて好印象でした。
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EMGピックアップ用に電源を確保しないといけないので、出力ボードから配線を追いかけて電源を引き出します。
   IMG_1663.jpg
結局は殆どの基板やらを一度取り外す必要があった大手術でしたが、この時はまだその大変さを知らず。

こちらが持ち込まれたEMGピックアップ用のアッセンブリ。
   IMG_1665.jpg
配線が入り乱れていて、全て取り外すのが一苦労でしたが、まずは使う部品だけ取り出します。

ピックアップセレクターを5wayレバースイッチからミニトグルスイッチ×3に変更するためピックガードの新規作成も行いました。
   IMG_1706.jpg
左がオリジナル、右が…作業中にこの細い部分が欠けてしまい、泣く泣く作り直し。

こちらはテンプレートとなる型板と、改めて製作したピックガード。
   IMG_1707.jpg
マットブラック素材ですが、表面には保護フィルムが貼られたままなので色艶が異なります。

ピックガード裏にアルミテープを貼って、アッセンブリの組み込み。
   IMG_1708.jpg
自分で行った作業を後から見ても「奇麗だな」と思える仕事を続けていきたいものです。

銀色のトグルスイッチはリアピックアップであるEMG89のハムバッカー/シングルモードの切り替えスイッチです。
   IMG_1710.jpg
アーミングによるチューニングの不安定解消は、ブリッジのナイフエッジ摩耗の修正と共に、アーミングアジャスターを取り付けて対策を行いました。
   IMG_1721.jpg
この写真ではまだネジを取り付けていませんが、イナーシャブロックからスプリングが脱落しないように皿ネジを取り付けて固定します。

ハイポジション部分にネック反りが発生していて弦高が下げられない状態でしたので、ハイポジション部分だけ擦り合わせてフレットレベルを整えています。
   IMG_1722.jpg

一度ここで納品したのですが、EMGピックアップの電源をシンセの電源スイッチと共用にしていたため、シンセを立ち上げないとギター単体としても使えないという事になりまして…
基本的に常に電源を入れて使用するものだと私の勘違いもあり
「ギターアウトプットジャックにシールドを挿すとEMGピックアップは電源ONでシンセはOFFのまま。シンセ電源スイッチをONすると無条件にEMG電源もONになるように変更しましょう!」
という事で、出力ボードだけ外して送っていただきました。
   IMG_1771.jpg
微調整作業を行っているので、完成形はこれとは若干異なってしまうのですが…大体こんな感じにジャックと配線を変更。
スイッチ付きジャックを使用するため、オリジナル基板のジャック部分をカットして、切れたパターンは配線でつないでいます。
   IMG_1774.jpg
この鉄板に元々開いていたジャック穴は大きくて、新しいジャックのナットやワッシャーが落ち着かない状態でしたので、ピックガード素材の端材から小型プレートを削り出して取り付けました。
   IMG_1773.jpg
最終的にカメラを持っている私が写り込むぐらいにワックス掛けしつつ磨いて完成です!
   IMG_1723.jpg
今回はシンセ回路があるため、単純にピックアップ交換だけとはいかず結構頭を悩ませる内容でしたが、オーナーが思い描いていた形に仕上げるお手伝いができた事に喜びを感じました。


ピックアップ交換(アクティブ) 3個 8500円
サーキットワイヤリング変更 7500円
ピックガード新規作成 12000円
ピックガード型板作成 3500円
フレット部分擦り合わせ 6000円
アーミングアジャスター取り付け・調整 7500円
ジャック交換・基板加工 4500円

合計49500円でした。


お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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