機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
YAMAHA PACIFICA CUSTOMの全体調整・ノイズ処理
今回はYAMAHA PACIFICA CUSTOMの全体調整・ノイズ処理ですが、殆どオーバーホールに近い内容です。
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オーナーがオークションにて格安ジャンクで入手されたそうですが、届いてびっくり!全然使えない本当にジャンク状態だったそうです。
もっとコンディションの良い個体を探すか、直すかという選択になり、修理して蘇らせるという判断をされました。

全身傷だらけで、第一線で使用されてきたギターである事は確かです。
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やけにリアピックアップの音が小さいなぁと思ったら、激しい使用に伴ってコイル保護のテープが破れたのでしょう、コイルが何か所も断線してしまっていました。
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巻き直しという手もありましたが、タイミング良く同じピックアップがオークションに出ていたので、それに交換する事になりました。

ヘッドフェイスの塗装も白濁してしまっています。
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全体的に、あまりマメには拭いたり磨いたりされなかったんだろうなと思います。
ポリッシュを使って拭くと、拭いた布が黒くなるぐらいに汚れや手垢がびっしりでした…

そしてこのロックナットキャップ…真ん中のだけ違う部品…弦交換時に紛失したのでしょうか。
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しっかりと弦を押さえられていないので、ここはキャップもネジも3個とも新品に交換します。

ブリッジも元々はヤマハオリジナル(フロイドローズライセンス)のRockin'Magic PRO-IIIが搭載されていましたが、錆びが酷かったためオーナー手持ちのRockin'Magic PRO-IIに換えた状態でお預かりしました。
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スタッドポストも錆びが酷く、高さ調整に難儀する状態でしたので、この部品も新品に交換します。

ちなみにこちらがオリジナルの錆びに錆びたブリッジ。
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部品もいくつか紛失してしまっています。
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ネジ類も回らず、部品交換にも破壊前提で考えていたのですが、そもそも補修部品で手に入らない物があると判りこのブリッジを蘇らせるのは諦める事になりました。
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幸いにもYAMAHAのパーツセンターに新品のブリッジユニット一式だったら有るとの事で、それに換装する事になりました。
予想外に高い値段に尻込みしつつも、それしか手がないような状態でした。

気を取り直して全部の部品を取り外していきます。
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内部にはしっかりと導電塗料が塗られ、それらをつなぐラグ端子が用意され、良い仕事をしているなぁといつ見ても感心します。

フレットは物凄い摩耗のままで音詰まりが目立っていたので、今回はフレットすり合わせも行います。
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これだけ減っていてもジャンボフレットが採用されているので、すり合わせマージンがしっかり確保でき安心です。

秀逸なのはこのネックジョイントの作り!
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アルミ削り出しプレートをネック材にネジ留めし、ボディとのジョイント面と強度を確保する凝った造りです。


そんなこんなで、結構ガタガタだったギターですが…交換部品の手配を行いつつ作業を進めていきました。


ペグ類は全て外した際に、ヘッドフェイスのワックスがけを行っています。
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ペグ本体も堆積した油や埃汚れを洗浄して組み付け直し。
ロックナットキャップやスクリューも新品に交換しました。
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フレットすり合わせと、指板エッジの面取りも行い、弦高を低めにセットしてもビリ付かない状態にもって行けました。
ネック裏の手垢もクリーニングして、サラッとした手触りのサテン仕上げにしました。
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電装系部品はフロントとセンターのピックアップ以外は全て交換。
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セレクタースイッチも純正の4回路5接点タイプではなく、定番のCRL製を採用しました。

新品のRockin'Magic PRO-IIIブリッジはやはり安定感が違います。
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そのうち新品も入手できなくなると思われる(部品注文時点でヤマハでの残り個数が5台分ほどらしいです)ので、今回はとても良いタイミングだったんだと思います。

キャビティ内は銅フィラーの導電塗料を塗って更なるノイズ対策を行っています。
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ポットは選別したCTS製、コンデンサはオレンジドロップ、ジャックはスイッチクラフト、配線材はBELDENと定番の安心仕様ですね。
(でもハンダにKESTERは使っていません)
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塗装の剥げた部分はリフィニッシュによる補修となってしまいますが、全体的に汚れも落ちて見違えるコンディションに蘇りました。
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予定外のブリッジ交換があったため結構なお値段になってしまいましたが、オーナーが昔から憧れたPACIFICA CUSTOMをこれから弾き倒してくれると良いなと思います。




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