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Gibson EB4 Bass 2017の全体調整とピックガード作成
今回はGibson EB4 Bass 2017の全体調整とピックガード作成作業です。

GIBSONのEBシリーズというと、マホガニーネック&ボディ、ショートスケールってイメージでしたが…
2017年にリリースされたこのEB4はスワンプアッシュボディにメイプルネックにレギュラースケールという別コンセプト。
   IMG_4958.jpg
24フレットまで手が入るような深いカットの入った左右非対称のボディ形状は、ストラップを使ってもヘッド落ちしにくい良好なバランスです。
角度付きヘッドなのは過去のEBシリーズを踏襲しているとは言えますが、全体的に見た目は全く別の楽器のようですが、むしろ使い易く進化した印象です。
   IMG_4962.jpg
ナットの外形が角張っているところや、指板サイドの面取りなど「もう少しこうだったらな…」と思う部分もあるので、今回の全体調整では修正していきます。
   IMG_4961.jpg
ブリッジにはBABICZが搭載され、弦高やオクターブなどしっかりと調整でき、ピッチに関わる部分はとてもかっちりしていて好印象です。
   IMG_4960.jpg
コントロールは2ヴォリュームとマスタートーンで、FENDERジャズベースと同じ仕様です。
オリジナルの2ハムバッカーはそれぞれのヴォリュームノブを引っ張る事でタップされてシングルコイルになるように配線されていました。
   IMG_4959.jpg
ハンダ付けは…まぁGIBSONだとこんな感じよね、と思う内容ですが…
オーナー様はそのノイズが気になるとの事で今回は導電塗料の塗布によるシールディングも行わせていただきます。
   IMG_4963.jpg

ひとまず部品を全て外して、導電塗料を塗る準備をする前に…
   IMG_4964.jpg

オリジナルピックガードを取り付けたいとの希望もございましたので、型紙を作ってイメージされているデザインを共有していきます。
エッジの尖り具合やカーブの深さなどですね。
パソコンの画面で行えると良いのかもしれませんが、その辺り疎いので超アナログな作業。
   002_201809111637258a9.jpg
線を引いてはカットし、切りすぎたらまた紙を貼って切り直して…
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デザインが決まったら、型紙を元にMDF板を用いてテンプレートを作成します。
   005.jpg
この精度が仕上がりに影響するので、楽器に当てがっては細かい部分の修正を行って…しっかりと作ります。

型板が完成したらピックガードを作成するのと同時進行で、ボディ側には導電塗料を塗ったり、アース配線をしたりと作業を進めます。
   IMG_4965.jpg
電装パーツでジャックは交換しましたが、ポットはハンダを除去して測定後に問題無しだったので再利用です。
   IMG_4966.jpg
グラウンドラインや各配線を丁寧にひいていきます。

ピックガードは黒白黒の3プライで作成しました。
コントロールノブはGIBSON純正のスピードノブをお持込みいただいて交換取り付け。
   IMG_4978.jpg
金属パーツとのマッチングや、全体的にエッジの立ったデザインはよく出来たのではないかと思います。

そして今回のピックガード作成のハイライトはこれ。
   IMG_4979.jpg
2mm厚のクリアアクリル板から削り出して、塩ビのピックガード上から追加できるサブピックガードです。
スラップのプル時に弦の下に指が入り込み過ぎないようにするためですが、用途に合わせて取り外しが出来るように作ってみました。
   IMG_4980.jpg
エッジの面取りは重ねてもラインがつながるように配慮してあります。

元々は黒の1プライだったバックパネルは茶べっ甲で作成してほしいとのご希望でしたので、純正パネルをテンプレートに切り出して作成しました。
   017.jpg


納品後にお喜びの感想をいただきました。
持ち帰って少し弾いてみましたが、第一印象は『音が太くなった!』というものでした。
太くなったというか、くっきりはっきりしたというか、
とにかく全体的にパワーアップしたような感じがします。

気になっていたノイズも抑えられていますし、中も外も大満足です。
こちらがメインのベースなので、これからもたくさん練習して上達できるよう励みます。
本当にありがとうございました。




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