今回はG&Lの中でもレアモデルであるL-2500の修理&調整です。
L-2000は結構な本数が出回っていますし、生産もされているのですが、5弦仕様のL-2500に至っては私は今まで2~3本ぐらいしか見た事がありません。

お預かり時はナット溝が摩耗して2~4弦の解放音は音詰まりしており、要交換でした。
それ以外にネックに問題が多く、ロッドを締めても強い順ぞりが解消しない、フレットレベルのバラツキ(指板歪みのため)、ハイポジションの跳ね、と場合によってはネック交換も視野に入るコンディション。
リプレイスネックがそうそう出回っている訳も無いので、フレット交換と共に指板研磨修正が最善策とは思います。

フレット自体はまだまだ残っていたのですが、とにかくトラスロッドの効きが悪いし結構な順ぞり状態でした。

この時代のネックはトラスロッドを仕込んでセンターラインを避けた中央付近で接着する2ピース構造という、今となっては珍しい作り方で作られています。
この接着ラインから割れてくる事例がL-2000でも見受けられますが、このベースにも発生しておりトラスロッドを締めてもこの割れが広がって力が逃げるのでネックの反りが殆ど変わらないという状態でした。

コントロールは既に改造がなされていてJiraudのプリアンプが組み込まれていましたが、今回はこれも取り外してパッシブ化し、ピックアップワイヤリングでサウンドバリエーションを得たいというご希望でした。

パワフルなサウンドだと思いますが、コントロールのサウンド変化が少なくいまいち使いにくいなぁと感じました。

ピックアップは純正は4芯でシリーズとパラレル接続を切り替えられる仕様のはずですが、プリアンプを入れ替える時に行われたのでしょう、シリーズのみの配線に変更されていました。

今回はそれぞれのピックアップ毎に独立でシリーズ/スプリット/パラレルの切り替えが出来る3モードにするため、ピックアップの配線を4芯シールド線に戻す必要があります。

4芯シールド線に交換し、それぞれのピックアップをシングルコイルモードでミックスした時にもハムキャンセルが得られるようなジャズベースをイメージしたサウンドが得られるように位相を考えて配線を行っています。

導電塗料を塗って順に組み込みを進めます。

ナット作成(オイル漬け牛骨から削り出し)や指板面のひび割れ接着修理が完了した後の写真ですが、ここに至るまでにネックの順ぞりを緩和する方向にアイロンで矯正も行って結構時間がかかっています。

ハイポジションには起き上がりも出ているネックでしたので、今回はハイポジションのすり合わせも軽く行っています。
(根本的な改善には指板研磨とフレット交換が必要なのですが、コストを考えて今回は見送りになったため)

組み込みが完了したら見た目には当初と殆ど変わらないのですが。

コントロールはマスターボリューム、ピックアップバランサー、ハイカットトーン
トグルスイッチはブースト、フロントPUワイヤリング、同リアのワイヤリングとなっています。

パッシブ希望なのにブースター?と思われるでしょうが…
当店で人気のBBBというクリーンブースターをリデザインしてトゥルーバイパス配線で組み込んであるのです。
ブーストレベルはキャビティ内の青い半固定抵抗を回すことで調整し、ブーストオフ時にはパッシブとなります。

ほんの少し音量が上がる程度で納品させていただきましたが、かけっぱなしでローインピーダンス化も出来ますし、そこをどう使うかはオーナー様の希望で微調整をしてもらえればと思っています。
トゥルーバイパス配線なので、電池切れ時にもブーストOFFにしたら演奏が続けられますし。

ひとまずお預かり時よりは大きく改善したネックコンディションですがベストな状態とは言えないので、この仕様でより蘇らせたい
となった場合にはフレット交換などもご検討いただければとご説明して納品となりました。
ピックアップのワイヤリング切り替えで例えば「フロントはシングル、リアはシリーズにしてバランサーでブレンドする」みたいに多彩なサウンドバリエーションが手元操作で得られる状態になりましたので、これから沢山弾いてもらえると嬉しいですね。
お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪
Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM
mail to → info_gream@ybb.ne.jp
L-2000は結構な本数が出回っていますし、生産もされているのですが、5弦仕様のL-2500に至っては私は今まで2~3本ぐらいしか見た事がありません。

お預かり時はナット溝が摩耗して2~4弦の解放音は音詰まりしており、要交換でした。
それ以外にネックに問題が多く、ロッドを締めても強い順ぞりが解消しない、フレットレベルのバラツキ(指板歪みのため)、ハイポジションの跳ね、と場合によってはネック交換も視野に入るコンディション。
リプレイスネックがそうそう出回っている訳も無いので、フレット交換と共に指板研磨修正が最善策とは思います。

フレット自体はまだまだ残っていたのですが、とにかくトラスロッドの効きが悪いし結構な順ぞり状態でした。

この時代のネックはトラスロッドを仕込んでセンターラインを避けた中央付近で接着する2ピース構造という、今となっては珍しい作り方で作られています。
この接着ラインから割れてくる事例がL-2000でも見受けられますが、このベースにも発生しておりトラスロッドを締めてもこの割れが広がって力が逃げるのでネックの反りが殆ど変わらないという状態でした。

コントロールは既に改造がなされていてJiraudのプリアンプが組み込まれていましたが、今回はこれも取り外してパッシブ化し、ピックアップワイヤリングでサウンドバリエーションを得たいというご希望でした。

パワフルなサウンドだと思いますが、コントロールのサウンド変化が少なくいまいち使いにくいなぁと感じました。

ピックアップは純正は4芯でシリーズとパラレル接続を切り替えられる仕様のはずですが、プリアンプを入れ替える時に行われたのでしょう、シリーズのみの配線に変更されていました。

今回はそれぞれのピックアップ毎に独立でシリーズ/スプリット/パラレルの切り替えが出来る3モードにするため、ピックアップの配線を4芯シールド線に戻す必要があります。

4芯シールド線に交換し、それぞれのピックアップをシングルコイルモードでミックスした時にもハムキャンセルが得られるようなジャズベースをイメージしたサウンドが得られるように位相を考えて配線を行っています。

導電塗料を塗って順に組み込みを進めます。

ナット作成(オイル漬け牛骨から削り出し)や指板面のひび割れ接着修理が完了した後の写真ですが、ここに至るまでにネックの順ぞりを緩和する方向にアイロンで矯正も行って結構時間がかかっています。

ハイポジションには起き上がりも出ているネックでしたので、今回はハイポジションのすり合わせも軽く行っています。
(根本的な改善には指板研磨とフレット交換が必要なのですが、コストを考えて今回は見送りになったため)

組み込みが完了したら見た目には当初と殆ど変わらないのですが。

コントロールはマスターボリューム、ピックアップバランサー、ハイカットトーン
トグルスイッチはブースト、フロントPUワイヤリング、同リアのワイヤリングとなっています。

パッシブ希望なのにブースター?と思われるでしょうが…
当店で人気のBBBというクリーンブースターをリデザインしてトゥルーバイパス配線で組み込んであるのです。
ブーストレベルはキャビティ内の青い半固定抵抗を回すことで調整し、ブーストオフ時にはパッシブとなります。

ほんの少し音量が上がる程度で納品させていただきましたが、かけっぱなしでローインピーダンス化も出来ますし、そこをどう使うかはオーナー様の希望で微調整をしてもらえればと思っています。
トゥルーバイパス配線なので、電池切れ時にもブーストOFFにしたら演奏が続けられますし。

ひとまずお預かり時よりは大きく改善したネックコンディションですがベストな状態とは言えないので、この仕様でより蘇らせたい
となった場合にはフレット交換などもご検討いただければとご説明して納品となりました。
ピックアップのワイヤリング切り替えで例えば「フロントはシングル、リアはシリーズにしてバランサーでブレンドする」みたいに多彩なサウンドバリエーションが手元操作で得られる状態になりましたので、これから沢山弾いてもらえると嬉しいですね。
お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪
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