今回はYAMAHA MOTION BASS MB-Ⅱの全体調整&ノイズ処理です。
お持ち込み時には目立つノイズとハイ落ちが気になるという事で各部を見ていきます。

コンパクトなボディにミディアムスケールのネックを組み合わせた仕様です。
このヘッド形状はとても特徴的ですね。
左右にオフセットしていますが、フラットフェイスにしない事でヘッド面の強度を上げる役目もありそうです。

お預かり時はロングスケール用の弦を張ってあったため、ペグポスト部は弦が重なってごちゃごちゃしています。

製造時の切削加工や塗装など作業が複雑になるでしょうが、このヘッドデザインを採用したYAMAHAはさすがだなと思います。
長く定着しなかったのが残念なのですが。

指板やフレットエッジに目立ったバリはありませんでしたが、面取りをすることでより手になじむグリップになりそうです。

特徴的なピックアップとブリッジですね。
このピックアップの中にはアルニコマグネットを使用したJタイプのシングルコイルが2個並んで直列接続されている構造でした。

このピックアップは単体コイルでも9.5KΩほどの直流抵抗値があり、それが直列なので19KΩほど…
そりゃあパワフルだけど結構ウォームだよなぁと思う仕様。
ロック式でもないのにファインチューナー搭載で、各弦の弦高やオクターブなどが微調整できるオリジナリティあふれるブリッジ。

一般的な規格ネジかと思いきや、オクターブ調整のネジは特殊サイズなので交換の際には難儀しそうです。
この辺りがYAMAHA純正部品の持つ悩まされる部分ですね。
コントロールキャビティ内では妙に太い配線が余分な長さで押し込まれていました。
グラウンドのハンダ付けはしっかり付いていない部分もあり、過去に一部ハンダ付けの手を入れられたのではないかと推測されます。

コントロールはジャズベースのような2ヴォリューム&マスタートーン仕様。
トーンノブを引っ張ると各ピックアップがタップされて2シングルのジャズベース的なサウンドになります。
こちらの方が実際のところ使い易いとは思うけどピックアップの特性なのか低音成分が少なくちょっと硬めのキャラクターに感じます。

ピックアップを取り外すとこのような感じ。
フロントとリアで逆巻き逆位相になるようにワイヤリングされているし、タップした時にもF&Rでハムキャンセル効果が得られるように配慮されていましたので、ピックアップ交換しようとするとバランスを取るのが大変そうですね。

プラスチックカバーを外して、コイル全体を銅箔テープでシールディングしてしっかりとグラウンドへ接続します。
併せて取り回しが悪いピックアップワイヤーも交換してしまいました。

コントロールキャビティやピックアップキャビティには全て導電塗料を塗ってグラウンドへラグ端子を用いて確実なワイヤリング。

オリジナルのポットを取り外す際に熱によるものか、金属疲労か端子が折れたのでヴォリュームポットは新品交換しました。
ハイ落ち対策としてポットの抵抗値を500KΩにする事で、2ヴォリュームの並列合成抵抗が250KΩになるようにしています。
ナット溝の調整と外形を整えて、弦もダダリオのミディアムスケール用を張って適切な巻き具合になりました。

指板エッジも面取りをしてフレットも磨き、ボディも磨いてワックスをかけたりと奇麗になりました。

サビのためネジ頭が崩れてしまっていたブリッジのネジ類はステンレスネジに交換。
昔はゴールドパーツにシルバーのネジ?と思ったでしょうが、近年のPRSに見られるハイブリッドカラーを見慣れたせいかあまり違和感はない印象。

年数の割にはネックに捻じれや波打ちなどの不具合が無くて、低めの弦高でセットできたのでこれからガンガン弾いていけると思います。

懸念のノイズもシールディングによりほぼ聞こえないぐらいに減少しましたので、ご満足いただけると良いですね。
お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪
Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM
mail to → info_gream@ybb.ne.jp
お持ち込み時には目立つノイズとハイ落ちが気になるという事で各部を見ていきます。

コンパクトなボディにミディアムスケールのネックを組み合わせた仕様です。
このヘッド形状はとても特徴的ですね。
左右にオフセットしていますが、フラットフェイスにしない事でヘッド面の強度を上げる役目もありそうです。

お預かり時はロングスケール用の弦を張ってあったため、ペグポスト部は弦が重なってごちゃごちゃしています。

製造時の切削加工や塗装など作業が複雑になるでしょうが、このヘッドデザインを採用したYAMAHAはさすがだなと思います。
長く定着しなかったのが残念なのですが。

指板やフレットエッジに目立ったバリはありませんでしたが、面取りをすることでより手になじむグリップになりそうです。

特徴的なピックアップとブリッジですね。
このピックアップの中にはアルニコマグネットを使用したJタイプのシングルコイルが2個並んで直列接続されている構造でした。

このピックアップは単体コイルでも9.5KΩほどの直流抵抗値があり、それが直列なので19KΩほど…
そりゃあパワフルだけど結構ウォームだよなぁと思う仕様。
ロック式でもないのにファインチューナー搭載で、各弦の弦高やオクターブなどが微調整できるオリジナリティあふれるブリッジ。

一般的な規格ネジかと思いきや、オクターブ調整のネジは特殊サイズなので交換の際には難儀しそうです。
この辺りがYAMAHA純正部品の持つ悩まされる部分ですね。
コントロールキャビティ内では妙に太い配線が余分な長さで押し込まれていました。
グラウンドのハンダ付けはしっかり付いていない部分もあり、過去に一部ハンダ付けの手を入れられたのではないかと推測されます。

コントロールはジャズベースのような2ヴォリューム&マスタートーン仕様。
トーンノブを引っ張ると各ピックアップがタップされて2シングルのジャズベース的なサウンドになります。
こちらの方が実際のところ使い易いとは思うけどピックアップの特性なのか低音成分が少なくちょっと硬めのキャラクターに感じます。

ピックアップを取り外すとこのような感じ。
フロントとリアで逆巻き逆位相になるようにワイヤリングされているし、タップした時にもF&Rでハムキャンセル効果が得られるように配慮されていましたので、ピックアップ交換しようとするとバランスを取るのが大変そうですね。

プラスチックカバーを外して、コイル全体を銅箔テープでシールディングしてしっかりとグラウンドへ接続します。
併せて取り回しが悪いピックアップワイヤーも交換してしまいました。

コントロールキャビティやピックアップキャビティには全て導電塗料を塗ってグラウンドへラグ端子を用いて確実なワイヤリング。

オリジナルのポットを取り外す際に熱によるものか、金属疲労か端子が折れたのでヴォリュームポットは新品交換しました。
ハイ落ち対策としてポットの抵抗値を500KΩにする事で、2ヴォリュームの並列合成抵抗が250KΩになるようにしています。
ナット溝の調整と外形を整えて、弦もダダリオのミディアムスケール用を張って適切な巻き具合になりました。

指板エッジも面取りをしてフレットも磨き、ボディも磨いてワックスをかけたりと奇麗になりました。

サビのためネジ頭が崩れてしまっていたブリッジのネジ類はステンレスネジに交換。
昔はゴールドパーツにシルバーのネジ?と思ったでしょうが、近年のPRSに見られるハイブリッドカラーを見慣れたせいかあまり違和感はない印象。

年数の割にはネックに捻じれや波打ちなどの不具合が無くて、低めの弦高でセットできたのでこれからガンガン弾いていけると思います。

懸念のノイズもシールディングによりほぼ聞こえないぐらいに減少しましたので、ご満足いただけると良いですね。
お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪
Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM
mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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コメント
大きなアンプで鳴らす機会が暫くなく、今はプリアンプにヘッドホンで弾いてますが、嫌なノイズは見事に消えました。同時に持ち込んだPJタイプも同じく。両竿ともフロントとリアで音量バランスが崩れてたところも気にならなくなりました。ネックの握りも優しくなりました。
調整後の現状(ネック状態等)も示していただき、ありがたかったです。
当時、買いたくて買えなかった竿をリサイクル店で立て続けに買ったものの、酷いノイズで本番使いを躊躇してたのですが、安心して使える状態になりました。
ラスボスの修理は当分先になりそうですが、その時はよろしくお願いいたします。
お世話になりました。
調整後の現状(ネック状態等)も示していただき、ありがたかったです。
当時、買いたくて買えなかった竿をリサイクル店で立て続けに買ったものの、酷いノイズで本番使いを躊躇してたのですが、安心して使える状態になりました。
ラスボスの修理は当分先になりそうですが、その時はよろしくお願いいたします。
お世話になりました。
2020/09/21(月) 20:34:45 | URL | MBの依頼者 #- [ 編集 ]
コメントへの返信が遅くなり、申し訳ありません。
続いてご依頼いただいたMB3も記事アップ完了いたしましたので併せてご覧下さいませ。
またラスボスとの対面をお待ちしております。
続いてご依頼いただいたMB3も記事アップ完了いたしましたので併せてご覧下さいませ。
またラスボスとの対面をお待ちしております。
2020/10/16(金) 11:22:55 | URL | Studio GREAM #- [ 編集 ]
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