グラマラスモデルを作成したり、定期的に問い合わせがあるTEJの布袋さん仕様への改造依頼。
どなたも拘りが強く「こうしたい!」が明確にあっていつもチャレンジングな仕事になっています。
まずは一本目。
FERNANDESの現行TEJ-DLX(サスティナー付き)を改造していきます。

以前のTEJでサスティナー付きはフロントPUはサスティナードライバーとしての機能で、基本的にリアハムバッカーのみのサウンドでした。
現行のDLXではリバーシブルドライバーなので、音質に関しては否定的な意見が多いですが一応ピックアップとしても機能します。

二段積みポットはマスターヴォリュームとサスティナーヴォリュームという構成になっていますが、これがまた操作しにくい!

リアピックアップはFERNANDESのパワフルなハムバッカーですが、これは定番のアレに交換ですね。

トレモロブリッジにはGOTOH製が採用され、以前のモデルで定番のスタッド倒れ込み症状が起きにくいアップデートが好感です。
コントロールキャビティ内には隅々まで炭素系導電塗料が塗られて、しっかりとグラウンドに接続されています。
旧モデルではノイズ処理無しキャビティだったので、ちゃんとやってあるなぁと思いました。

配線の取り回し方法などは以前と大して変わらず無駄に長いままだったりな感じですが、しっかりと組み直していきます。

今回はボディトップにG柄を入れるので、ひとまず部品を全て取り外して下準備。

そしたらグラマラスモデルとは異なるライン幅(少し狭い)でテンプレートを作成して溝を掘りまして…

ボディトップ面だけ上塗りで塗装を行います。
掘り込んだ部分は艶消し黒で塗装し、トップ面は艶あり黒で仕上げます。

バインディングエッジまで黒で塗装してはダメなのでマスキングと黒塗装後の掻き落としなど壮絶な苦労が…

スワロフスキーを貼ったグラマラスモデルよりも正直大変でしたが、唯一無二のルックスに仕上がったかと思います。

二段積みポットを2ポットに変更するため、セレクタースイッチの穴(6.5φ)をポット用の8.0φに拡大開口してあります。

組み立てたら2ノブなので、このような旧来のルックスになりますね。

マスターヴォリュームと、サスティナーヴォリュームの構成ですが、サスティナーヴォリュームは押すたびに切り替わるピックアップセレクター機能を持たせてありますので、ノブが下がっているとリアPU、上がっているとフロントPUが選択されるようになっています。
(ミックスポジションのサウンドは出ませんが、その点はオーナー様にご理解をいただきました)
リアハムバッカーはSeymour DuncanのTB-4を逆向きで搭載。

SH-4を逆向きが本人仕様なのかもしれませんが、トレモロブリッジの弦間ピッチを考えるとTB-4の方がバランスは良いと思うので、そのようにご提案させていただきました。
文章で書くとあっという間ですが、とにかく大変な作業でした…

大変だったからか、電装系の配線などの写真を撮り忘れて納品してしまっていて、スイッチポットなどの仕様が写真でご紹介できないのが失敗です。
しかし納品してお喜びいただけたので一安心です。
派手過ぎず、しかし一見して布袋さん仕様と判る二本とない仕様ですね。
そして2本目はこれまた現行のTEJ-STDをベースに改造を行います。

ホワイトボディにブラックラインを入れたDLX仕様が欲しいとご相談をいただきました。
ホワイトカラーの用意があるのはSTDだけなので、これを元に各種部品交換などを行って希望の仕様を作っていく事になりました。

ピックアップ、ペグ、ブリッジなど多くがFERNANDESオリジナルの廉価パーツが使用されていまして、精度もイマイチだったのでこれらはDLXで使用されているのと同じEMG-SAやGOTOH製品に交換を行います。

作業にあたり、新品ギターをお持ち込みいただいたので、目立つ傷はありません。

コントロールキャビティ内のパーツもあまりしっかりした部品では無いようですが、EMG用の部品に交換しますので全て取り外します。

STDでは導電塗料によるノイズ処理までは行われていませんが、価格差を考えると仕方ない部分だと思います。
ペグはGOTOH SG381と同寸法ですが、ギア精度は甘い感じです。
ひとまず使うには問題ないですが、今回はSG381にマグナムロック機能付きで交換します。

ナットはDLXでは積層カーボンでしたが、STDではカーボンナット使用とはいえ実際に削った感触は柔らかくて別素材に感じました。
将来的にフレット交換する際には積層カーボン材で交換する事になりそうですね。
そしてSTDは指板材がローズウッドではなくローレルという材になります。

月桂樹だと思うのですが、これはこれで硬さもあって良い材だと思います。
ただし、色合いが…やはりこのモデルが好きな人は黒々した指板材色を好まれる事が多いですよね。

という訳で指板の脱脂を行った状態↑
指板染色作業を行い、黒々した色になりました↓

導管が見えないような目の詰まったエボニーとはまた違う感じですが、濃黒ローズウッドみたいな質感にはなったかと思います。

木材自体をしっかりと染めているので多少擦り減ったぐらいでは薄くならない点もポイント。
FERNANDESオリジナルのブリッジとGOTOHのブリッジではマウントネジ穴位置が全然違うため、元のネジ穴は一度埋めてから新たにネジ穴をあけていきます。

そんなこんなでボディトップ面にブラックライン塗装が完成しました。

傷も無い新品ギターなので元々の塗装は剥がさずに上から吹いています。
コントロールキャビティには炭素系導電塗料を塗って、EMGのコネクタキットで配線を行いました。

再利用したのはPUセレクタースイッチぐらいです。
EMGピックアップの場合はノイズ処理しても殆ど変化が無いぐらいにローノイズなのですが、念には念をという感じで処理しました。
ピックアップは本人仕様と同じEMG-SAを2発。

スチール製ブリッジサドルがセットされたGTC102をチョイス。
この辺りの部品は全てTEJ-DLXのスペックシートを踏襲しています。
黒々した指板としっかり磨いたフレット、ナット溝も調整してありまして、低い弦高でも音詰まりが無いセッティングで仕上げました。


ペグはSG381のマグナムロック付きをチョイス。
更にペグボタンはダイキャストではなく軽量なアルミ削り出しタイプをチョイスしてヘッド落ちがしにくいように配慮しています。

マグナムロックは弦を余らせずに張る事でポスト半周から1周以内でチューニングが完了するのが正しい使い方です。

(ロックペグで2~3巻き巻いてあるギターも時々入ってきますが、弦をロックする意味が無くなってしまいます)
写真では判別しにくいですが、ストラップピンもシャーラー製ロックピン(旧式デッドストック)に交換して、本人仕様を追求しています。

今回は各種部品の手配もお任せいただき、新品ギターも用意されての作業でしたのでトータル20万円ぐらいかかってしまっていると思いますが、市販されていないなら作るしかない!という熱意を感じましたのでこれも大変でしたが良いものが出来たと思います。
納品後、とても弾き易いとお喜びいただけました。
先々フレットが減った際に、フレット交換やナット交換などでまたご依頼いただけると嬉しいですね。
お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪
Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM
mail to → info_gream@ybb.ne.jp
どなたも拘りが強く「こうしたい!」が明確にあっていつもチャレンジングな仕事になっています。
まずは一本目。
FERNANDESの現行TEJ-DLX(サスティナー付き)を改造していきます。

以前のTEJでサスティナー付きはフロントPUはサスティナードライバーとしての機能で、基本的にリアハムバッカーのみのサウンドでした。
現行のDLXではリバーシブルドライバーなので、音質に関しては否定的な意見が多いですが一応ピックアップとしても機能します。

二段積みポットはマスターヴォリュームとサスティナーヴォリュームという構成になっていますが、これがまた操作しにくい!

リアピックアップはFERNANDESのパワフルなハムバッカーですが、これは定番のアレに交換ですね。

トレモロブリッジにはGOTOH製が採用され、以前のモデルで定番のスタッド倒れ込み症状が起きにくいアップデートが好感です。
コントロールキャビティ内には隅々まで炭素系導電塗料が塗られて、しっかりとグラウンドに接続されています。
旧モデルではノイズ処理無しキャビティだったので、ちゃんとやってあるなぁと思いました。

配線の取り回し方法などは以前と大して変わらず無駄に長いままだったりな感じですが、しっかりと組み直していきます。

今回はボディトップにG柄を入れるので、ひとまず部品を全て取り外して下準備。

そしたらグラマラスモデルとは異なるライン幅(少し狭い)でテンプレートを作成して溝を掘りまして…

ボディトップ面だけ上塗りで塗装を行います。
掘り込んだ部分は艶消し黒で塗装し、トップ面は艶あり黒で仕上げます。

バインディングエッジまで黒で塗装してはダメなのでマスキングと黒塗装後の掻き落としなど壮絶な苦労が…

スワロフスキーを貼ったグラマラスモデルよりも正直大変でしたが、唯一無二のルックスに仕上がったかと思います。

二段積みポットを2ポットに変更するため、セレクタースイッチの穴(6.5φ)をポット用の8.0φに拡大開口してあります。

組み立てたら2ノブなので、このような旧来のルックスになりますね。

マスターヴォリュームと、サスティナーヴォリュームの構成ですが、サスティナーヴォリュームは押すたびに切り替わるピックアップセレクター機能を持たせてありますので、ノブが下がっているとリアPU、上がっているとフロントPUが選択されるようになっています。
(ミックスポジションのサウンドは出ませんが、その点はオーナー様にご理解をいただきました)
リアハムバッカーはSeymour DuncanのTB-4を逆向きで搭載。

SH-4を逆向きが本人仕様なのかもしれませんが、トレモロブリッジの弦間ピッチを考えるとTB-4の方がバランスは良いと思うので、そのようにご提案させていただきました。
文章で書くとあっという間ですが、とにかく大変な作業でした…

大変だったからか、電装系の配線などの写真を撮り忘れて納品してしまっていて、スイッチポットなどの仕様が写真でご紹介できないのが失敗です。
しかし納品してお喜びいただけたので一安心です。
派手過ぎず、しかし一見して布袋さん仕様と判る二本とない仕様ですね。
そして2本目はこれまた現行のTEJ-STDをベースに改造を行います。

ホワイトボディにブラックラインを入れたDLX仕様が欲しいとご相談をいただきました。
ホワイトカラーの用意があるのはSTDだけなので、これを元に各種部品交換などを行って希望の仕様を作っていく事になりました。

ピックアップ、ペグ、ブリッジなど多くがFERNANDESオリジナルの廉価パーツが使用されていまして、精度もイマイチだったのでこれらはDLXで使用されているのと同じEMG-SAやGOTOH製品に交換を行います。

作業にあたり、新品ギターをお持ち込みいただいたので、目立つ傷はありません。

コントロールキャビティ内のパーツもあまりしっかりした部品では無いようですが、EMG用の部品に交換しますので全て取り外します。

STDでは導電塗料によるノイズ処理までは行われていませんが、価格差を考えると仕方ない部分だと思います。
ペグはGOTOH SG381と同寸法ですが、ギア精度は甘い感じです。
ひとまず使うには問題ないですが、今回はSG381にマグナムロック機能付きで交換します。

ナットはDLXでは積層カーボンでしたが、STDではカーボンナット使用とはいえ実際に削った感触は柔らかくて別素材に感じました。
将来的にフレット交換する際には積層カーボン材で交換する事になりそうですね。
そしてSTDは指板材がローズウッドではなくローレルという材になります。

月桂樹だと思うのですが、これはこれで硬さもあって良い材だと思います。
ただし、色合いが…やはりこのモデルが好きな人は黒々した指板材色を好まれる事が多いですよね。

という訳で指板の脱脂を行った状態↑
指板染色作業を行い、黒々した色になりました↓

導管が見えないような目の詰まったエボニーとはまた違う感じですが、濃黒ローズウッドみたいな質感にはなったかと思います。

木材自体をしっかりと染めているので多少擦り減ったぐらいでは薄くならない点もポイント。
FERNANDESオリジナルのブリッジとGOTOHのブリッジではマウントネジ穴位置が全然違うため、元のネジ穴は一度埋めてから新たにネジ穴をあけていきます。

そんなこんなでボディトップ面にブラックライン塗装が完成しました。

傷も無い新品ギターなので元々の塗装は剥がさずに上から吹いています。
コントロールキャビティには炭素系導電塗料を塗って、EMGのコネクタキットで配線を行いました。

再利用したのはPUセレクタースイッチぐらいです。
EMGピックアップの場合はノイズ処理しても殆ど変化が無いぐらいにローノイズなのですが、念には念をという感じで処理しました。
ピックアップは本人仕様と同じEMG-SAを2発。

スチール製ブリッジサドルがセットされたGTC102をチョイス。
この辺りの部品は全てTEJ-DLXのスペックシートを踏襲しています。
黒々した指板としっかり磨いたフレット、ナット溝も調整してありまして、低い弦高でも音詰まりが無いセッティングで仕上げました。


ペグはSG381のマグナムロック付きをチョイス。
更にペグボタンはダイキャストではなく軽量なアルミ削り出しタイプをチョイスしてヘッド落ちがしにくいように配慮しています。

マグナムロックは弦を余らせずに張る事でポスト半周から1周以内でチューニングが完了するのが正しい使い方です。

(ロックペグで2~3巻き巻いてあるギターも時々入ってきますが、弦をロックする意味が無くなってしまいます)
写真では判別しにくいですが、ストラップピンもシャーラー製ロックピン(旧式デッドストック)に交換して、本人仕様を追求しています。

今回は各種部品の手配もお任せいただき、新品ギターも用意されての作業でしたのでトータル20万円ぐらいかかってしまっていると思いますが、市販されていないなら作るしかない!という熱意を感じましたのでこれも大変でしたが良いものが出来たと思います。
納品後、とても弾き易いとお喜びいただけました。
先々フレットが減った際に、フレット交換やナット交換などでまたご依頼いただけると嬉しいですね。
お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪
Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM
mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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