機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
プリント基板の作成
今回はちょっと異色ですが、私の行っているプリント基板の作製法を紹介してみようと思います。

ハンドメイドでは蛇の目基板やラグ板を用いたポイント トゥ ポイント配線が重宝がられていますね。
ちょっとした回路を組むには手軽だし、大きな設備投資も必要ありませんので初心者にも始め易い方法です。

しかし、沢山作ってきて思うのですが、再現性を保ちつつ数を作ったり、部品の交換が大変というデメリットもあります。
製作中の疲労や集中力によってミスが起きたりも多い気がします。
あくまで個人的な感想ですが。

対してプリント基板は製作に技術やコツが要りますが、同じ物を複数作るにはとても良い方法だと思いますし、サウンド的なデメリットとされる部分もパターンレイアウトの煮詰めで聞き分けられないレベルに持って行けると思います。


私自身は蛇の目基板も好きですが、プリント基板も好きです。
出音や製作の確実性が良ければどちらでも気にしません。
   DSC08058.jpg
前置きが長くなりましたが、サンハヤト製の生基板と呼ばれる物を使用しています。
上記写真は実際に使用している物。

生基板200mm×300mm    紙フェノール素材-620873生基板200mm×300mm    紙フェノール素材-620873
(\630)

商品詳細を見る

上記はamazonでの商品説明ですが、サンハヤト製より安いですね。
これは使った事無いけど、基本的には同じように使用が可能だと思います。
今のストックが無くなったらこれを買ってみようと思っています。


この基板にパターンを転写すべくパソコンでデザインしたら、パターンの反転を行って印刷します。
   DSC08057.jpg
私はイラストレーターを使用しています。

この印刷が今回のポイントで、レーザープリンターでしか出来ません。
インクジェットプリンターのみをお持ちの方は一般的な感光基板を使用する方法で作って下さいね。

使用する紙も指定です。
一般的なコピー用紙は奇麗に定着しないので不可です。
FUJIFILM インクジェットペーパーマットタイプ ファイン 紙マットベース A4(210x297)100枚入り SA4100FUJIFILM インクジェットペーパーマットタイプ ファイン 紙マットベース A4(210x297)100枚入り SA4100
(\679)
FUJIFILM

商品詳細を見る

このインクジェット紙をレーザープリンターで使用して転写するところにポイントがある訳です。


生基板はアクリルカッターやPカッターと呼ばれる工具で必要なサイズに切り出しておきます。
基板の銅箔面は細かいスチールウールで磨いた後に、アルコールを用いて脱脂とゴミの除去を行っておきます。
(この後は銅箔面には触らないようにしましょう)

次に反転したパターンをレーザープリンターで指定のマット紙に印刷して、生基板の所定の位置に重ねてアイロン掛け。
   DSC08056.jpg
アイロンの温度は中程度ですが、これはアイロンによって温度が異なるので、何度かやって基板に定着し易い適切な温度を探して下さい。

温度が高すぎると基板が部分的に鱗のように剥がれてきますし、温度が低すぎると定着が弱く、この後の作業で剥がれてしまいます。

パターンの縁の部分などはアイロンの先端などで念入りに押して貼りつかせるようにしましょう。
   DSC08059.jpg
時間的には10分ぐらいでしょうか、紙がほんのりきつね色になるぐらいでアイロン掛けは終了します。

暫く放置して粗熱が取れたらこの基板を水に浸して、先ほどの紙に吸水させます。
   DSC08061.jpg

暫くすると紙がふやけてきますので、指の腹で優しく擦って紙の繊維を剥がしていきます。
   DSC08062.jpg
ここでパターンも大幅に剥がれるようならば、いっそ全部剥がしてアイロン掛けからやり直します。
(多少の剥がれなら後ほど補修が可能です)

指でこすっても細かい部分には繊維が残ったままになりがちですので、消しゴムを優しくかけて余分な部分の繊維を取り除きます。
繊維が残っているとエッチング不良が出ますのでしっかり確認しましょう。
ちょっと消しゴムをかけたぐらいでは転写したパターンは剥がれません。
これですぐに剥がれるようなら定着不足なので、またアイロンからやり直した方が良いでしょう。
   DSC08064.jpg
私は消しカスが纏まるタイプの消しゴムを使っていますが、これじゃないとダメという事はありません。

パターン間の繊維がしっかり取り除かれたら乾燥させます。
かすれたパターン部分には青色の油性マジックを用いて描き足しておけば大丈夫です。
(マッキーの青色が一番良いです)
その他、パターンがくっついてしまっている部分はカッターの刃先などを使ってパターンを削り落して修正しておきます。
(私は写真にあります千枚通しのような工具の先端を用いて削っています)
   DSC08065.jpg
パターンの間違いなどはここまでで確実に修正しましょう。
ミスが無いかを目を皿のようにしてチェックします。

問題なければ余分な銅箔部分を溶かして除去するエッチングに移ります。
   DSC08066.jpg
エッチング液は基板関連の商品もありますし、画材屋さんでも扱っています。
このエッチング液(塩化第二鉄液)は取り扱いに注意が必要な有毒な液体なので、使用方法を正しく理解してからにして下さいね。

この100円ショップで買った豆腐用のタッパーは、基板の引き上げも楽でオススメですよ。
   DSC08068.jpg
余分なパターンが溶けて基板らしくなったら速やかに引き上げて水洗いします。
エッチング液は蓋をしてしまっておきます。

水洗い後はこんな状態。
   DSC08069.jpg
トナーの黒い部分は銅箔が溶けずに残ってパターンを形成しています。

その後は基板のカットと周囲の成型、穴あけを行います。
   DSC08070.jpg
穴あけには半月ドリルという物を使っていますが、ハンドドリルなどでは折れやすいのでスペアは持っていた方が良いですね。

私はボール盤で穴を開けるようになってからはこのドリル刃は折らなくなりました。

穴あけまで済んだら完成は間近です!
   DSC08071.jpg
塗料剥がし液を用いて定着したトナーを剥がして銅箔面を露出させます。
細かい紙やすりなどで削っても良いのでしょうが、パターンを削り落しかねませんし、剥がし液を使う方が楽ですね。
刺激的なにおいがして違う世界に行けそうになるので、必ず換気をしながら使用しています。

基板に満遍なく伸ばして10分ほど放置したら水で洗い流します。
手荒れするので、素手では無くビニール手袋などを着用して水洗いしましょう。
   DSC08073.jpg
水洗いが済んだらキッチンクレンザーで銅箔面を磨きます。
その後に水気を拭き取って乾燥させ、プリント基板用フラックスを塗布して完成です。
更に拘る場合はパターン面を保護するハヤコートなどを塗る方法もありますね。

完成後もパターン面には可能な限り触れないようにします。
一度に沢山作って保存しておく場合は、錆び防止も兼ねて除湿剤入りのタッパーに入れて保管しています。


という感じでプリント基板を作成しています。
自作されている方の参考になれば幸いです。



お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
関連記事
スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック