機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
ERNIE BALL VP JR.(VOLUME PEDAL)のモディファイ
巷には各社からボリュームペダルが販売されていますが、どのモデルを気に入って使用されていますか?

私は大学時代にはERNIE BALLのボリュームペダルを所有していたのですが、その音痩せが嫌で結局使わなくなってしまいました。

当時は楽器販売店に勤めていましたが、ピックアップ交換はしても、エフェクターを自分で改造するなんて考えはありませんでしたから今思えば仕方ないですね。

しかしこの仕事をするようになって、同様の悩みは各方面から耳にするようになりました。

当時は出来なかった事が今ならば出来る!という事で…
そんな折に東京時代からStudio GREAMを応援してくれている屋代様より、そのERNIE BALL(アーニーボール)のボリュームペダルの改造依頼をいただきました。
   DSC08102.jpg
これはノーマルの状態。
6180という品番のVP JR.です。

沢山あるボリュームペダルの中でも、頑丈で(ノーマル状態では)劣化も少なく人気のペダルですね。

しかしそれでもノーマル状態ではボリュームが10~0と自然には落ず、
10、8、5、3、2,0みたいな急激な可変に感じるのです。

早速バラしてみました。
   DSC08104.jpg
IN/OUTジャックの間に250KΩの可変抵抗器が挟まれたシンプルな構造です。
可変抵抗器がとっても小型です。

構造上、パッシブ回路なので厳密にいえば何をやっても劣化は避けられません。
しかしその変化をより少なくし、出てくる音が好意的な変化であれば良いというテーマで、中身を全て入れ替えます。


このアルミブロックはボリュームポットを取り付ける部品です。
   DSC08106.jpg

今回のモディファイにおいて心臓部分である可変抵抗器は、サイズも大きなオーディオ用パーツを使いますので、取り付け出来るようにこのブロックに加工を施します。
   DSC08108.jpg
この段付きにブロックを掘るのが神経を使います。

元々サイズの大きい可変抵抗器が使用されているモデルならばこの加工は不要なのですが、昨今のシェアはジュニアタイプが殆どですから毎度加工する事になります。


細かい部分は企業秘密のためお見せできないのですが、組み立てが済んだアッセンブリはこんな状態です。
   DSC08109.jpg

早速ケースに組み付けて、後方から撮影してみた写真。
   DSC08114.jpg
なかなか珍しいアングルですね。

外見はステッカーが貼ってあるのと、ちらっと見える巨大なボリュームポットぐらいしかノーマルとの違いが見受けられませんが、その可変感は別ものですよ。
しっかりと10,9,8,6,5,4,3,1,0ぐらいの滑らかさで可変してくれます。
   DSC08117.jpg
感情に追従するボリュームペダルといった感想です。

ともするととても地味なペダルですが、その変化はノーマルとは別物です!
今回はハイインピーダンス仕様で作成しましたが、ローインピーダンス用ももちろん作れます。

ボリュームペダルは持ち込んでいただいて12000円でこのモディファイは承っております。
(往復の送料は別途必要です)




そして上記作業はインピーダンス固定(ハイインピーダンスかローインピーダンスのどちらか)での作成でしたが、両方を切り替えられるHybridバージョンも作製可能です。
   DSC00326.jpg
作業手順としては殆ど変わらないので、似たような写真は割愛してご紹介させていただきます。

心臓部を取り去ったケースはどこか物悲しげですね…
   DSC00327.jpg

こちらが心臓部。
   DSC00328.jpg
アッセンブリとして取り外す事が出来ます。

そしてアルミブロックに段付き加工を行って、可変抵抗器を取り付け。
   DSC00329.jpg
ハイインピーダンス用とローインピーダンス用で回路を分けてありますので、配線の本数も増えていますね。
配線材はBELDENの80年代の物をこの時は使用しています。

ジャック交換と共に、フロントパネルにはスイッチを取り付ける穴を空けたりして組み立てます。
   DSC00330.jpg

抵抗やコンデンサを接続して、抵抗器の可変カーブ調整を行っているので、細かい作業が必要です。
   DSC00335.jpg

動作チェック後にラベルを貼って完成です。
   DSC00332.jpg
ローインピーダンスの信号にハイインピーダンスモードで接続しても問題はありませんが、高音域がぎらついたり、S/N比が悪い場合にはスイッチをロー側に切り替えてみると良いと思います。


このインピーダンス切り替えスイッチ増設はモディファイ基本価格に3500円追加で承っています。




今までハイインピーダンスとローインピーダンスの切り替えはありましたが、ハイインピーダンスの範囲でハムバッカー用とシングルコイル用みたいな物は無かったと思います。
今回、250Kと500Kのインピーダンスを切り替える仕様にて作成しました。
   IMG_2451.jpg
ケブラーワイヤーを極力緩めないように配慮しつつ作業に取り掛かります。

いつものようにポット取り付けブロックに段付き加工を行ってポットを納めます。
   IMG_2452.jpg
配線材には80年代の物で、撚り線をハンダで固めて単線のようにしたワイヤを最近気に入って使用しています。
   IMG_2455.jpg
詳しくは公開出来ないので、想像して下さい。
「自分のペダルもこのようにしたい!」場合は作業依頼をお待ちしております!
   IMG_2457.jpg
ミニスイッチはラベルの通り250Kと500Kの切り替えです。

巷に出回っているヴォリュームペダルで500Kの抵抗値を持つ物は殆ど無いのです。
BOSS FV-500Hと言いつつも、実は250Kの抵抗値だったりしますし。

ほんの僅かな差ではあるのですが、明らかに高音域の抜け方が違うので、これはこれで使い道があるな、と思った内容でした。





ケースのコンディションがしっかりしていれば、ガリが出てようがインピーダンスが違おうが改造用には関係ありませんので、ボリュームペダルの音痩せでお悩みの方は是非試してみて下さい!



お問い合わせは下記メールアドレスまでお気軽にどうぞ♪


Custom Instruments & Repair
Rehearsal Studio
Studio GREAM

mail to → info_gream@ybb.ne.jp
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