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機材の製作や修理作業内容など、ゆっくり適時更新中。
COLORSOUND TONEBENDERにDCジャックを増設
今回はCOLORSOUNDのFUZZ TONEBENDERとSUPA TONEBENDERの2台をお持ち込みいただき、DCジャックを増設してアダプター駆動が出来るようにしていきます。

   DCジャック位置
どちらのエフェクターもこの写真のような位置にDCジャック穴を開けてほしいと指示を受けました。

それではFUZZの方から見ていきましょう。
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細かい傷は当然ありますが、とても綺麗なコンディションですね。
ガリなど動作不良も無く、安心して作業に取り掛かれます。
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裏蓋を開けてみると内側にはこれだけ(笑)とてもスッキリです。
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スイッチの配線はトゥルーバイパスになっていました。

指定位置にホールソーで開口してからジャックを取り付けます。
バッテリースナップの接続先変更と共に、リップルを取り除くためのパスコンと逆接防止ダイオードを追加しておきます。
これは基板に部品が乗っていない、または回路図に書いてなくてもDCジャックを用意するときは基本アイテムとして必ず搭載しています。
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ケースの肉厚が薄いので、面圧を分散させて曲がりを防止する意味でナイロンワッシャーを挟んでおきました。
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続いてはSUPA TONEBENDERです。
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やることは同じなのですが、開けてびっくり。
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中身が全然違うんですよね。
こちらは2回路あるスイッチを使っていても1回路しか使用していませんでした。
いわゆるつないだらバイパスでもハイ落ちするような昔ながらのワイヤリングです。
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オリジナルを尊重すべく今回はこの部分は触りませんでした。

DCジャックを取り付けて、配線変更。
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ケース側面の指定された位置にDCジャックを増設出来ました。

回路を調べると2台とも現在は一般的な方式であるセンターマイナス極性でしたので、他のエフェクターとのパラレル分岐でも供給出来るペダルでした。
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ジャック付近には極性や電圧を示すラベルを貼ってトラブルを予防します。
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貴重なペダルに加工を施すのはコレクター目線ではマイナスとなる事もありますが、このオーナー様は今回のような電池駆動のみの古いペダルを愛用される事が多く、DCジャックの取り付けは何度も相談をされています。
電源極性やケース内スペースで制約がある事もありますが、今まで出来ないと断った事はないのでDCジャック増設や形状変更などお考えの場合は気軽に問い合わせしていただきたいと思います。



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エフェクターボード作成(ありまっち)
今回は熊本では多くの人が知っているベーシスト、ありまっちさんからエフェクターボード作成依頼をいただきました。
色々と納期面で大変でしたが、何とか乗り越えて納品完了できました。

基本コンセプトはプロベーシスト「日野“JINO”賢二」さんのエフェクターボードのシグナルフローを踏襲という事で、ご本人のワイヤリングを判りやすく教えていただきました。
必要なペダルを揃え、自身が使いたいペダルもこの中に加えてワイヤリングしていきます。
   ボード配線図
これを実現するために電源やボードなど用意してくれとお任せされたので、必要な電流量やサイズを検討して用意しました。
エフェクターボードはPEDALTRAIN PT-CLP-SC Classic PRO
電源にはVITAL AUDIO POWER CARRIER VA-12
をチョイスして、今後の拡張性にも配慮しています。

配線にはソルダーレスケーブルを使い、組み立て後に引っ張ったり曲げたりしてストレスを与えても、接触不良が出ない事をケーブルテスターでチェックしてから組み込む念の入れようです。

まずは各エフェクターへ電源を供給して確実に立ち上がることを確認し、暫く通電しても発熱など問題ないと判断してから組み込みをします。
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ここで納期の問題が発生。
ペダルトレインのボードがどこにも在庫が無くて、日本国内の楽器販売店在庫をチェックして最短納期のところで発注していました。
話がそうなった詳しい経緯は存じませんが「JINOさん本人が九州ツアーでこのボードを使いたいと言うので間に合わせてくれないか?」と言われ…
使いたい納期にボードの入荷が間に合わないので、急遽ボードと同じサイズにコンパネを切って上記配線図のボードを作成する事にしました。
塗装コンパネはありまっちさんに持ち込みいただき、細かいサイズの調整などを行いペダルの配置や間隔を打ち合わせ。
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その打ち合わせがまとまったら全集中・全速で組み込みまして動作チェック。
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EBSのコンプレッサーは高さを上げて踏みやすくするために、エフェクター用のアルミケースをゲタにしてかさ上げしています。

そして配線図を見ると、ベースのインプットはボリュームペダルに、ボードの出力はラインセレクターLS-2のアウトプット端子となりとてもアクセスが悪いなと思いましたので入出力をまとめるジャンクションボックスを作成しています。
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LS-2のループBにはベースシンセSY300を接続する事もあるという事でジャンクションボックスに接続用の端子を引き出し。
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ジャンクションボックスから電源供給も出来るようにパワーサプライからの配線をつないであるので、外部接続機器にも配線がまとまった状態で接続できます。

ループBのリターン端子にプラグが接続されていない場合はセンドからの信号をスルーでリターンへ戻すようになっていますので、未接続でも音が出ないという状態にはなりません。
アンプのセンドリターンと同様の処理ですが、このジャンクションボックスではTRSのステレオ信号も扱えるように作っています。
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ケースのグラウンドはインプットジャックに接続して、他ジャックのグラウンド端子はループを避けるためにケースグラウンドからは分離させています。

ツアーに間に合わせるために急いで組んだ上記ボードで無事にツアーを乗り切っていただきました。

ツアー終了後にボードが戻ってきましたので、用意できているペダルトレインに再び組み直します。
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ボードサイズはコンパネと同じなのですが、配線類を裏側に逃がす事でスペースを作りましてスティング宮本さんのシグネチャードライブペダルである「究極」をEBSコンプレッサーとOC-3オクターバーの間位置に追加組み込みしました。

ペダルトレインはペダル設置面が傾斜しているのですが、それでも配置的にME-50Bのスイッチが踏みにくいと感じましたので高さを上げるためにスイッチの上に両面テープでスペーサーを接着。
(3Mの超強力両面テープを使用しているので、捻るような余程の力を加えないと剥がれないと思います)
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EBSコンプレッサーにはStudio GREAMオリジナルのフットスイッチカバーを装着し、踏みやすさを向上させています。

そして、ボードから「究極」だけ外して持って行くことがあるという事で、外した状態でもボードが使用できるように一工夫。
メスメスのアダプタージャックを用意してあり、ペダルを外したらケーブルをアダプターの両側に差し込みます。
(写真では途中までしかプラグを差し込んでいません)
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サプライケーブルの外側は+9Vが流れており、付近のエフェクターケースに誤って触れるとショートしてしまいますので、サプライケーブルも絶縁出来る差込口を用意してあります。
勿論、この位置に他のエフェクターをつないでも良いですね。
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エフェクターボードはプレイヤーごとに異なり2台として同じものがないので、毎度頭を悩ませます。
暗いステージでも設置や撤収がし易いような使い勝手と、演奏中に操作がし易い点は大事です。
しかしその上で勿論音質も犠牲にすることなくしっかり組んでいきたいと思います。

5/18(火)にJINO SOLO&Session@Bar CIB熊本でまた来熊される予定です。
(新型コロナウィルスの感染拡大状況によっては延期や中止の可能性もあります)
その時にまたこのボードは使用されるのでしょうか…
それは楽しみでもありますが、ノントラブルでありますようにとハラハラしてしまう自分がいます。



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Studio GREAM Artisan(Drive Pedal)をリリースします!
今回は久しぶりにリリースしました新しいドライブペダル Artisanです。
JCM900~JCM2000系のサウンドを目指して開発しましたが、サウンドコントロールの幅を広げたり、私の好きなLAスタジオミュージシャンらが出してそうなサウンドテイストが加味されたモデルになっています。
開発時に音決めしていくとどうしても製作者の好みがいつの間にか入ってしまいますね。

そんな開発中の話を常連のお客様にしたところ、音も値段も聞いていないのに「1台発注するから作っておいて」とありがたいファーストオーダーをいただきました。
これはやたらな物を作れないぞといつも以上に引き締まりました。
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ケース加工と塗装を行いますが、塗装は「TUBACCAのような雰囲気に紫を加えてほしい」という希望でしたのでこのような色味になりました。
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ウレタンクリアを吹くので仕上がり時はもっと色合いはハッキリしてきます。
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ノブはマーシャルスタイルにして完成しました。
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Artisanは職人という意味なのですが、本体のノブでも多彩なサウンドメイクが出来ますし、試された時は是非手元のギターボリュームによるシームレスなサウンド変化を体感していただきたいです。
クリーンからディストーションまで滑らかにボリュームコントロールだけで変化します。
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今までStudio GREAMのペダル内部基板は生基板をエッチングして穴あけして…と手作業で作成していたのですが、今回からはKicadを使って基板をデザインして業者へ発注しました。
ソルダーレジストや穴サイズなども含めてより精度が安定した基板になりますので、今後は基板エッチングは1台しか作らないような限られた場面でしか行わなくなりそうです。

そして通常カラーとして作成しようと考えていたのは実はこの色なのです。
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LEDはフットスイッチリングが光るようにしましたが、初期ロット限定になっちゃうかもしれません…
見た目は良いと思いますが、なかなかに作りにくかったのです。

色合いとしてはメタリックシルバー下地に黒の墨流しを基本として、遠目から薄ーくゴールドも吹いています。
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見る角度で色合いが変わるので、是非実物を見ていただきたいと思います。

裏面はちょっとハンマートーン風にしてみましたが、こういう丸の集合が気持ち悪いという人もいます(バーズアイメイプルの杢目とか)ので、次からはケース上面と同じ仕上げにしようかなと思っています。
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そんなこんなでもう一回り大きな裏蓋がありますね…
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こちらも開発中の試作段階で試していただいたところ、「音はこれで良いから2台が1つのケースに入っていると出かける時にこれ1台で済むと思う」と言われて完全に2台をパッケージした仕様を作りました。
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Artisan2とベタなネーミングですが、作成は非常に大変でした。
基板を2階建てにしたり、スイッチによる切り替えのため多数の配線本数…
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内部には依頼主様のお名前を記入した完全ワンオフモデルとなっていますが、ご依頼があればお時間をいただいて都度作成します。

最近自らのチャンネルを立ち上げ、機材レビュー動画を挙げているおけいはんさんにこのArtisanをご紹介いただきました。
   
手元ボリューム操作のサウンド変化はありませんが、本体のコントロールだけでもキャラクターが大きく変わる事はとても伝わるかと思います。
見られましたら、是非チャンネル登録と高評価をしていただけると私も嬉しいです。



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FERNANDES TEJ Mod GLAMOROUSモデルの作成
今回はなんだかんだで半年以上かかってしまった作業ですのでやっと記事にする事が出来ました。

布袋さんの使用されている特徴的なG柄と呼ばれる模様の入ったギターがありますが、そのラインを彫り込んでスワロフスキークリスタルを並べたグラマラスモデルという物がありまして。
市販はされていないが、ファンとしては欲しいですよね。
それで、同様のものを加工して作ってほしいとお問い合わせいただきました。

当初はお客様所有のTEJをお預かりして加工する予定でしたが、中古で良さそうな個体を手配して加工する事になりました。
入手した時には多くの打痕やタッチアップ、塗装のスレなど見受けられる状態でした。
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今回のリフィニッシュは手軽に出来ないためボディトップだけの作業でコストダウンをせずに、一旦全ての塗装を剥がして塗り直す事にして傷も全て消して仕上げる事にしました。
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結構あちこちにぶつけて、黒い塗料でタッチアップした跡が散見されます。
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トップコートクリアも白濁している部分がありましたので、これらも綺麗になると新しいギターみたいになるでしょうね。
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ネックはボディに比べて綺麗だったので塗装はしていませんが、今後フレット交換などの作業時にネック裏をリフィニッシュする事も出来ますね。
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指板のローズウッドが茶色だったので、黒ステインで指板を何度も染めてエボニー風のカラーにして、フレットすり合わせを行いました。


それではまずはボディトップに彫り込むラインをトレースしていきます。
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ラインの基本的な位置はお客様から借り受けたZODIACのHTモデルから転写しつつ、使用するスワロフスキークリスタルに合わせて幅を微調整しています。
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部分的にテンプレートも作成しつつ、トップのラインを掘り終わりました。

その後にボディの塗装を剥がしてリフィニッシュ。
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貼り合わせたアルダー材の材色が異なりますが、黒の塗り潰しなので問題にはなりません。
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シーラーを塗って、カラー塗装の準備。
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彫り込んだライン部は白、トップ面は黒という塗り分けで仕上げてあります。
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この状態でも十分格好良いのですが、大変なのはここから。
磨いた塗装には傷を付けないように気を付けつつ、1個1個手作業でスワロフスキークリスタルを貼っていきます。
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乾燥までに時間が取れ、位置の微調整がし易いのでジェルネイルトップコートで貼り付けていきます。
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全て貼り付けたらスワロフスキー以外の部分をマスキングして、ウレタンクリアを薄く吹き付けて剥がれ防止を行っています。

乾燥後に部品類の組み付けを行います。
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ピックアップにはヴィンテージのEMG-SA(本体から直接ケーブルが出ている旧ロゴ)を使用し、電装部品は一式新品で組み直しています。

写真を撮るのが難しいぐらいギラギラに輝くので、ステージではとても目立つでしょうね。
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スワロフスキークリスタルが飛び出さないギリギリの辺りを測定して掘り込み深さを決めていますので引っ掛かり感もありません。
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コントロールパネルはファンならやっぱりアルミですよね。
これもアルミ板から削り出し作成しました。
アルミ無垢だと経年で腐食してしまうので、保護のためにクリア塗装を施しておきました。
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ボディバックもしっかり塗り直しているので完成時には傷は一切ありませんが、これから使用に伴って新しく刻まれていくのが楽しみです。
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市販されていない仕様なので、セッションなどに持って行っても他のギターと被る事がなくとても個性的なギターが出来たと思います。
今回はギター本体から当店で探して用意しましたが、お持ちのギターを持ち込みで同様の作業を行う事も出来ますので(作業は大変ですが)興味のある方はお気軽にお問合せ下さいませ。
頑張ってまた作ります!!




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年始のご挨拶とキャンペーン
2021年、明けましておめでとうございます。

昨年は誰も予想しなかったコロナウィルスの蔓延により、世界的に大きなダメージを受けた年でした。
その中でも対策して生きていかねばならないのですが、ことさら音楽業界もライブが出来ないなど我慢を強いられる年だったと思います。
まだまだ収束が見えない状況ですが、感染拡大予防のために外出したらうがいや手洗いの徹底、マスクの着用などを心掛けていきましょう。


なんて堅苦しい挨拶はそこそこにですが、実はこの2021年は諸々ありまして年賀状の発送を控えさせていただきました。
年賀ハガキには割引クーポンを付けていたのですが、それが今回は無い事になります。
それで、スタジオご利用のお客様限定になってしまいますが、割引料金を設定する事にしました。

個人練習は1人500円/時間
3名様以上のグループ利用はお会計から500円OFFします。
特に申請は要らず、お会計時に自動的に値引き処理します。
1月末日までの期間限定となります。


とはいえなかなか大勢で集まる事は憚られる状況ではございますが、各々が感染拡大防止に配慮しつつ是非この機会にスタジオをご利用いただけましたら幸いです。



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